光岡:VQ25HR型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2495cc]

ここでは光岡のY50改型・ガリュー リムジンS50 [250LX|2009/05モデル] に搭載されているVQ25HR型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

VQ25HR型の自然吸気エンジン諸元


Y50改型 ガリュー リムジンS50
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-Y50改型
車名&グレードガリュー リムジンS50
250LX
エンジン型式VQ25HR
種類V型6気筒
排気量2495cc
内径×行程85.0mm×73.3mm
ボアストローク比0.86
単気筒容積415.9cc
圧縮比10.3
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力223PS/6800rpm
最大トルク26.8kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、VQ25型エンジンはボア(内径)85.0mm、ストローク(行程)73.3mm、ボアストローク比0.86のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、VQ25HR型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2005/07から発売された3代目ガリュー [Y50型|2008/10]、最も新しい車種は2008/10から発売された3代目ガリュー リムジンS50 [Y50改型|2009/05]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
VQ25のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷179.6PS → 223PS
トルクの変遷26.8kgm → 23.5kgm
リッター馬力89.4PS/L
リッタートルク10.7kgm/L

今回の参考車両であるガリュー リムジンS50のV型6気筒2495cc、圧縮比10.3でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6800回転のとき最高出力223馬力を、6800回転のとき最大トルク26.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は179.6PS、最高出力が発生する6800回転でのトルクは23.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は89.4PS/L、トルクは10.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積415.9cc)あたりの馬力は37.2PS、トルクは4.5kgmです。

VQ25型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 9 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
85.073.32495cc10.30.86
ボアアップによる排気量拡大
85.573.32525cc10.40.86
86.02555cc10.50.85
86.52584cc10.60.85
87.02614cc10.80.84
87.52645cc10.90.84
88.02675cc11.00.83
ストロークアップによる排気量拡大
85.074.32530cc10.40.87
75.32564cc10.60.89
76.32598cc10.70.90
77.32632cc10.80.91
78.32666cc10.90.92

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の85.0mmから0.5mm刻みで88.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の73.3mmから1mm刻みで78.3mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.86からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。VQ25型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.86から0.83に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

VQ25型エンジンのピストン径85.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが58件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
SR20型
86.0mm
[+1.0mm]
2555cc
[+60cc]
トヨタ
3S型
86.0mm
[+1.0mm]
2555cc
[+60cc]
トヨタ
1JZ型
86.0mm
[+1.0mm]
2555cc
[+60cc]
日産
RB25型
86.0mm
[+1.0mm]
2555cc
[+60cc]
トヨタ
1AZ型
86.0mm
[+1.0mm]
2555cc
[+60cc]
トヨタ
2JZ型
86.0mm
[+1.0mm]
2555cc
[+60cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:HP12型プリメーラに搭載されるSR20型1998ccの86.0mm、トヨタ:SXE10型ビスタ アルデオに搭載される3S型1998ccの86.0mm、トヨタ:JZS171型クラウンに搭載される1JZ型2491ccの86.0mm、日産:ER34型スカイライン セダンに搭載されるRB25型2498ccの86.0mm、トヨタ:AZR60G型ヴォクシーに搭載される1AZ型1998ccの86.0mm、トヨタ:JZS177型クラウン マジェスタに搭載される2JZ型2997ccの86.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6800rpm
73.3mm11.7m/s16.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.9m/s18km/h
4000rpm9.8m/s35km/h
6000rpm14.7m/s53km/h
8000rpm19.5m/s70km/h
10000rpm24.4m/s88km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが73.3mmのエンジンが最高出力を発生する6800回転での平均ピストンスピードは16.6m/sとなり、これは1秒間に16.6メートル(時速にすると59.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では11.7m/s、最高出力が発生する6800回転より500回転高い7300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.8m/sとなっています。

参考までにストロークが73.3mmのVQ25型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.88m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8190回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


VQ25HR型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりVQ25型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
光岡
Y50改
2009/05
ガリュー リムジンS50
250LX
[DBA-Y50改]
223PS
26.8kgm
-
8.21kg/PS
自然吸気
FR/5AT
セダン
5人乗り

ガリュー リムジンS50
[250LX]
2009/05モデル
車両型式DBA-Y50改
最高出力223PS
最大トルク26.8kgm
パワーウェイト8.21kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
光岡
Y50
2008/10
ガリュー
250LX
[DBA-Y50]
223PS
26.8kgm
11.2km/L
7.58kg/PS
自然吸気
FR/5AT
セダン
5人乗り

ガリュー
[250LX]
2008/10モデル
車両型式DBA-Y50
最高出力223PS
最大トルク26.8kgm
10-15モード燃費11.2km/L
パワーウェイト7.58kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
VQ25型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全29車種

その他のVQ25型エンジン型式と代表的な車種

VQ25DD型
全9車種
日産:ステージア [250RX]
最高出力215PS/最大トルク27.5kgm
2005/11モデル
日産
VQ25DD型
全9車種
ステージア
[250RX]
215PS/27.5kgm
VQ25DE型
全8車種
日産:セドリック [Gran-Turismo S]
最高出力190PS/最大トルク24.0kgm
1997/06モデル
日産
VQ25DE型
全8車種
セドリック
[Gran-Turismo S]
190PS/24.0kgm
VQ25HR型
全5車種
日産:スカイライン [250GT]
最高出力225PS/最大トルク26.3kgm
2010/01モデル
日産
VQ25HR型
全5車種
スカイライン
[250GT]
225PS/26.3kgm
VQ25DET型
全2車種
日産:ステージア [AR-X FOUR]
最高出力280PS/最大トルク41.5kgm
2004/04モデル
日産
VQ25DET型
全2車種
ステージア
[AR-X FOUR]
280PS/41.5kgm
VQ25DD型
全1車種
光岡:ガリューII [Standard]
最高出力210PS/最大トルク27.0kgm
2004/04モデル
光岡
VQ25DD型
全1車種
ガリューII
[Standard]
210PS/27.0kgm
VQ25HR型
全1車種
三菱:プラウディア [250VIP]
最高出力225PS/最大トルク26.3kgm
2012/07モデル
三菱
VQ25HR型
全1車種
プラウディア
[250VIP]
225PS/26.3kgm
VQ25DE型
全1車種
光岡:ガリュー [25DX]
最高出力185PS/最大トルク23.7kgm
2010/11モデル
光岡
VQ25DE型
全1車種
ガリュー
[25DX]
185PS/23.7kgm

光岡製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】