光岡:SR20DE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1998cc]

ここでは光岡・ラセード [A-type|2004/04モデル] に搭載されているSR20DE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

SR20DE型の自然吸気エンジン諸元


ラセード
主要諸元と走行性能まとめ
車名&グレードラセード
A-type
エンジン型式SR20DE
種類直列4気筒
排気量1998cc
内径×行程86.0mm×86.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積499.5cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力160PS/6400rpm
最大トルク19.2kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、SR20型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、SR20DE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1998/02から発売された初代リョーガ [WHP11型|1998/02]、最も新しい車種は2000/11から発売された初代ラセード [2004/04]となっており、NA車は9車種、ターボ/SC車は0車種の全9車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
SR20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷128.7PS → 160PS
トルクの変遷19.2kgm → 17.9kgm
リッター馬力80.1PS/L
リッタートルク9.6kgm/L

今回の参考車両であるラセードの直列4気筒1998cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6400回転のとき最高出力160馬力を、6400回転のとき最大トルク19.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は128.7PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは17.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は80.1PS/L、トルクは9.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの馬力は40.0PS、トルクは4.8kgmです。

SR20型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 6 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、SR20DE型エンジン搭載車種の最高出力の平均値は149.7PS、最大トルクの平均値は18.8kgmとなっています。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.0mm86.0mm1998cc10.01.00
ボアアップによる排気量拡大
86.5mm86.0mm2021cc10.10.99
87.0mm2045cc10.20.99
87.5mm2068cc10.30.98
88.0mm2092cc10.40.98
88.5mm2116cc10.50.97
89.0mm2140cc10.60.97
ストロークアップによる排気量拡大
86.0mm87.0mm2021cc10.11.01
88.0mm2045cc10.21.02
89.0mm2068cc10.31.03
90.0mm2091cc10.41.05
91.0mm2114cc10.51.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで89.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。SR20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

SR20型エンジンのピストン径86.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが63件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
C27A型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
VG30DE型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
VG30E型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
VE30DE型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
ホンダ
F20C型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
トヨタ
5V-EU型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6400rpm
86.0mm13.8m/s18.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは18.3m/sとなり、これは1秒間に18.3メートル(時速にすると65.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では13.8m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.8m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのSR20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


SR20DE型エンジンを搭載する車種の例

全9車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりSR20型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
光岡
-
2004/04
ラセード
A-type
[型式不明]
160PS
19.2kgm
-
8.45kg/PS
自然吸気
FR/4AT
クーペ
4人乗り

ラセード
[A-type]
2004/04モデル
車両型式
最高出力160PS
最大トルク19.2kgm
パワーウェイト8.45kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
光岡
WHP11
1998/02
リョーガ
Wagon-2.0
[GF-WHP11]
150PS
19.0kgm
-
9.07kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ワゴン
5人乗り

リョーガ
[Wagon-2.0]
1998/02モデル
車両型式GF-WHP11
最高出力150PS
最大トルク19.0kgm
パワーウェイト9.07kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
光岡
WHNP11
1998/02
リョーガ
Wagon 2.0
[GF-WHNP11]
150PS
19.0kgm
-
9.60kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
ワゴン
5人乗り

リョーガ
[Wagon 2.0]
1998/02モデル
車両型式GF-WHNP11
最高出力150PS
最大トルク19.0kgm
パワーウェイト9.60kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
SR20型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全94車種

その他のSR20型エンジン型式と代表的な車種

SR20DE型
全57車種
日産:シルビア [Spec-S]
最高出力165PS/最大トルク19.6kgm|2002/01モデル
SR20DE型
全57車種
日産:シルビア
[Spec-S]
165PS/19.6kgm|2002/01
SR20DET型
全22車種
日産:シルビア [Spec-R]
最高出力250PS/最大トルク28.0kgm|2002/01モデル
SR20DET型
全22車種
日産:シルビア
[Spec-R]
250PS/28.0kgm|2002/01
SR20VE型
全5車種
日産:プリメーラ [20V]
最高出力204PS/最大トルク21.0kgm|2001/08モデル
SR20VE型
全5車種
日産:プリメーラ
[20V]
204PS/21.0kgm|2001/08
SR20VET型
全1車種
日産:エクストレイル [GT]
最高出力280PS/最大トルク31.5kgm|2006/11モデル
SR20VET型
全1車種
日産:エクストレイル
[GT]
280PS/31.5kgm|2006/11