光岡:HR15DE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1498cc]

ここでは光岡のYK12型・ビュート [15LX|2011/04モデル] に搭載されているHR15DE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

HR15DE型の自然吸気エンジン諸元


YK12型 ビュート
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-YK12型
車名&グレードビュート
15LX
エンジン型式HR15DE
種類直列4気筒
排気量1498cc
内径×行程78.0mm×78.4mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積374.6cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力109PS/6000rpm
最大トルク15.1kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、HR15型エンジンはボア(内径)78.0mm、ストローク(行程)78.4mm、ボアストローク比1.00のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
HR15のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷92.8PS → 109PS
トルクの変遷15.1kgm → 13.0kgm
リッター馬力72.8PS/L
リッタートルク10.1kgm/L

今回の参考車両であるビュートの直列4気筒1498cc、圧縮比10.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力109馬力を、6000回転のとき最大トルク15.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は92.8PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは13.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は72.8PS/L、トルクは10.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.6cc)あたりの馬力は27.2PS、トルクは3.8kgmです。

HR15型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 7 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
78.078.41498cc10.51.00
ボアアップによる排気量拡大
78.578.41518cc10.61.00
79.01537cc10.70.99
79.51557cc10.90.99
80.01576cc11.00.98
80.51596cc11.10.97
81.01616cc11.30.97
ストロークアップによる排気量拡大
78.079.41518cc10.61.02
80.41537cc10.71.03
81.41556cc10.91.04
82.41575cc11.01.06
83.41594cc11.11.07

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の78.0mmから0.5mm刻みで81.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の78.4mmから1mm刻みで83.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。HR15型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

HR15型エンジンのピストン径78.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが32件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
5A型
78.7mm
[+0.7mm]
1525cc
[+27cc]
スバル
FB16型
78.8mm
[+0.8mm]
1529cc
[+31cc]
トヨタ
1ZZ型
79.0mm
[+1.0mm]
1537cc
[+39cc]
日産
MRA8型
79.7mm
[+1.7mm]
1564cc
[+66cc]
日産
QG18型
80.0mm
[+2.0mm]
1576cc
[+78cc]
いすゞ
4XE1型
80.0mm
[+2.0mm]
1576cc
[+78cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:AE100G型カローラツーリングワゴンに搭載される5A型1498ccの78.7mm、スバル:VM4型レヴォーグに搭載されるFB16型1599ccの78.8mm、トヨタ:ZZW30型MR-Sに搭載される1ZZ型1794ccの79.0mm、日産:TB17型シルフィに搭載されるMRA8型1798ccの79.7mm、日産:PV10型プリメーラ ワゴンに搭載されるQG18型1769ccの80.0mm、いすゞ:JT191F型ジェミニに搭載される4XE1型1588ccの80.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
6000rpm
78.4mm11.5m/s15.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.5m/s38km/h
6000rpm15.7m/s57km/h
8000rpm20.9m/s75km/h
10000rpm26.1m/s94km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが78.4mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.7m/sとなり、これは1秒間に15.7メートル(時速にすると56.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では11.5m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.0m/sとなっています。

参考までにストロークが78.4mmのHR15型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.23m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7650回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


HR15DE型エンジンを搭載する車種の例

全1車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりHR15型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
光岡
YK12
2011/04
ビュート
15LX
[DBA-YK12]
109PS
15.1kgm
-
9.91kg/PS
自然吸気
FF/CVT
セダン
5人乗り

ビュート
[15LX]
2011/04モデル
車両型式DBA-YK12
最高出力109PS
最大トルク15.1kgm
パワーウェイト9.91kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
HR15型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全25車種

その他のHR15型エンジン型式と代表的な車種

HR15DE型
全24車種
日産:マーチ [Nismo-S]
最高出力116PS/最大トルク15.9kgm
2013/06モデル
日産
HR15DE型
全24車種
マーチ
[Nismo-S]
116PS/15.9kgm

光岡製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】