光岡:F6A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 657cc]

ここでは光岡・レイ [Basic-Kcar|1996/12モデル] に搭載されているF6A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

F6A型の自然吸気エンジン諸元


レイ
主要諸元と走行性能まとめ
車名&グレードレイ
Basic-Kcar
エンジン型式F6A
種類直列3気筒
排気量657cc
内径×行程65.0mm×66.0mm
ボアストローク比1.01
単気筒容積219.0cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力52PS/7000rpm
最大トルク5.7kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、F6A型エンジンはボア(内径)65.0mm、ストローク(行程)66.0mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、F6A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1996/12から発売された初代レイ [1996/12]、最も新しい車種は1999/09から発売された2代目レイ [1999/09]となっており、NA車は3車種、ターボ/SC車は0車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
F6Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷35.8PS → 52PS
トルクの変遷5.7kgm → 5.3kgm
リッター馬力79.1PS/L
リッタートルク8.7kgm/L

今回の参考車両であるレイの直列3気筒657cc、圧縮比10.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7000回転のとき最高出力52馬力を、7000回転のとき最大トルク5.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は35.8PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは5.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は79.1PS/L、トルクは8.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積219.0cc)あたりの馬力は17.3PS、トルクは1.9kgmです。

F6A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 4 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、F6A型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはレイの52PS/5.7kgm、最も小さかったのはレイの46PS/5.8kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
65.066.0657cc10.51.01
ボアアップによる排気量拡大
65.566.0667cc10.61.01
66.0677cc10.81.00
66.5688cc10.90.99
67.0698cc11.10.99
67.5709cc11.20.98
68.0719cc11.40.97
ストロークアップによる排気量拡大
65.067.0667cc10.61.03
68.0677cc10.81.05
69.0687cc10.91.06
70.0697cc11.01.08
71.0707cc11.21.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の65.0mmから0.5mm刻みで68.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の66.0mmから1mm刻みで71.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。F6A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

F6A型エンジンのピストン径65.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが7件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
E07Z型
66.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+20cc]
ホンダ
E07A型
66.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+20cc]
三菱
4A31型
66.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+20cc]
日産
K6A型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
ダイハツ
EF型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
スズキ
K10A型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:PA1型Zに搭載されるE07Z型656ccの66.0mm、ホンダ:PP1型ビートに搭載されるE07A型656ccの66.0mm、三菱:H57A型パジェロ ジュニアに搭載される4A31型1094ccの66.0mm、日産:HB21S型モコに搭載されるK6A型658ccの68.0mm、ダイハツ:L700S型ムーヴに搭載されるEF型659ccの68.0mm、スズキ:MA63S型ワゴンRプラスに搭載されるK10A型996ccの68.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
7000rpm
66.0mm9.9m/s15.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.4m/s16km/h
4000rpm8.8m/s32km/h
6000rpm13.2m/s48km/h
8000rpm17.6m/s63km/h
10000rpm22.0m/s79km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが66.0mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは15.4m/sとなり、これは1秒間に15.4メートル(時速にすると55.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では9.9m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.5m/sとなっています。

参考までにストロークが66.0mmのF6A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)9090回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


F6A型エンジンを搭載する車種の例

全3車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりF6A型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
光岡
-
1996/12
レイ
Basic-Kcar
[型式不明]
52PS
5.7kgm
-
12.21kg/PS
自然吸気
FF/5MT
軽ハッチバック
4人乗り

レイ
[Basic-Kcar]
1996/12モデル
車両型式
最高出力52PS
最大トルク5.7kgm
パワーウェイト12.21kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員軽ハッチバック/4人乗り
光岡
-
1996/12
レイ
Deluxe-Kcar
[型式不明]
52PS
5.7kgm
-
12.40kg/PS
自然吸気
FF/3AT
軽ハッチバック
4人乗り

レイ
[Deluxe-Kcar]
1996/12モデル
車両型式
最高出力52PS
最大トルク5.7kgm
パワーウェイト12.40kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/3AT
車体形状&乗車定員軽ハッチバック/4人乗り
光岡
-
1999/09
レイ
BaseGrade
[型式不明]
46PS
5.8kgm
-
0.00kg/PS
自然吸気
FF/3AT
ハッチバック
4人乗り

レイ
[BaseGrade]
1999/09モデル
車両型式
最高出力46PS
最大トルク5.8kgm
パワーウェイト0.00kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/3AT
車体形状&乗車定員ハッチバック/4人乗り
F6A型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全79車種

その他のF6A型エンジン型式と代表的な車種

F6A型
全59車種
スズキ:エブリイワゴン [Joy-Pop Turbo]
最高出力64PS/最大トルク10.4kgm
2000/05モデル
スズキ
F6A型
全59車種
エブリイワゴン
[Joy-Pop Turbo]
64PS/10.4kgm
F6A型
全17車種
マツダ:AZワゴン [ZV-Turbo]
最高出力64PS/最大トルク10.0kgm
1997/05モデル
マツダ
F6A型
全17車種
AZワゴン
[ZV-Turbo]
64PS/10.0kgm

光岡製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】