三菱:VQ37VHR型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 3696cc]

ここでは三菱のBKNY51型・プラウディア [370|2012/07モデル] に搭載されているVQ37VHR型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

VQ37VHR型の自然吸気エンジン諸元


BKNY51型 プラウディア
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-BKNY51型
車名&グレードプラウディア
370
エンジン型式VQ37VHR
種類V型6気筒
排気量3696cc
内径×行程95.5mm×86.0mm
ボアストローク比0.90
単気筒容積616.0cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力333PS/7000rpm
最大トルク37.0kgm/5200rpm

まず基本的な成り立ちとして、VQ37型エンジンはボア(内径)95.5mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比0.90のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにてVQ37VHR型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、2012/07から発売された2代目プラウディア [BKNY51型|2012/07]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
VQ37のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷268.6PS → 333PS
トルクの変遷37.0kgm → 34.1kgm
リッター馬力90.1PS/L
リッタートルク10.0kgm/L

今回の参考車両であるプラウディアのV型6気筒3696cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7000回転のとき最高出力333馬力を、7000回転のとき最大トルク37.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5200回転での馬力は268.6PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは34.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は90.1PS/L、トルクは10.0kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積616.0cc)あたりの馬力は55.5PS、トルクは6.2kgmです。

VQ37型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 7 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
95.5mm86.0mm3696cc11.00.90
ボアアップによる排気量拡大
96.0mm86.0mm3735cc11.10.90
96.5mm3774cc11.20.89
97.0mm3813cc11.30.89
97.5mm3852cc11.40.88
98.0mm3892cc11.50.88
98.5mm3932cc11.60.87
ストロークアップによる排気量拡大
95.5mm87.0mm3739cc11.10.91
88.0mm3782cc11.20.92
89.0mm3825cc11.30.93
90.0mm3868cc11.50.94
91.0mm3911cc11.60.95

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の95.5mmから0.5mm刻みで98.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.90からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。VQ37型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.90から0.87に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

VQ37型エンジンのピストン径95.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが2件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スバル
EJ22型
96.9mm
[+1.4mm]
3805cc
[+109cc]
スバル
EG33型
96.9mm
[+1.4mm]
3805cc
[+109cc]

ピストン径が小さい 4000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 4000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 4000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 4000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [4000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [4000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5200rpm
最高出力
7000rpm
86.0mm14.9m/s20.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは20.1m/sとなり、これは1秒間に20.1メートル(時速にすると72.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5200回転では14.9m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.5m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのVQ37型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、6980回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


VQ37VHR型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりVQ37型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
BKNY51
2012/07
プラウディア
370
[DBA-BKNY51]
333PS
37.0kgm
8.9km/L
5.47kg/PS
自然吸気
4WD/7AT
セダン
5人乗り

プラウディア
[370]
2012/07モデル
車両型式DBA-BKNY51
最高出力333PS
最大トルク37.0kgm
JC08モード燃費8.9km/L
パワーウェイト5.47kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/7AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
BKY51
2012/07
プラウディア
370VIP
[DBA-BKY51]
333PS
37.0kgm
9.4km/L
5.29kg/PS
自然吸気
FR/7AT
セダン
5人乗り

プラウディア
[370VIP]
2012/07モデル
車両型式DBA-BKY51
最高出力333PS
最大トルク37.0kgm
JC08モード燃費9.4km/L
パワーウェイト5.29kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
VQ37型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全16車種

その他のVQ37型エンジン型式と代表的な車種

VQ37VHR型
全14車種
日産:フェアレディZ [BaseGrade]
最高出力336PS/最大トルク37.2kgm|2010/11モデル
VQ37VHR型
全14車種
日産:フェアレディZ
[BaseGrade]
336PS/37.2kgm|2010/11