三菱:6G73型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2497cc]

ここでは三菱のF41A型・ディアマンテ [25V-SE|2000/08モデル] に搭載されている6G73型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

6G73型の自然吸気エンジン諸元


F41A型 ディアマンテ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-F41A型
車名&グレードディアマンテ
25V-SE
エンジン型式6G73
種類V型6気筒
排気量2497cc
内径×行程83.5mm×76.0mm
ボアストローク比0.91
単気筒容積416.2cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力200PS/6000rpm
最大トルク25.5kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、6G73型エンジンはボア(内径)83.5mm、ストローク(行程)76.0mm、ボアストローク比0.91のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、6G73型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1990/11から発売された初代シグマ [F13A型|1991/10]、最も新しい車種は1995/01から発売された2代目ディアマンテ [F41A型|2000/08]となっており、NA車は11車種、ターボ/SC車は0車種の全11車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
6G73のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷124.6PS → 200PS
トルクの変遷25.5kgm → 23.9kgm
リッター馬力80.1PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両であるディアマンテのV型6気筒2497cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力200馬力を、6000回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は124.6PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは23.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は80.1PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積416.2cc)あたりの馬力は33.3PS、トルクは4.2kgmです。

6G73型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 8 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、6G73型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはF41A型ディアマンテの200PS/25.5kgm、最も小さかったのはF13A型ディアマンテの175PS/22.6kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.576.02497cc10.50.91
ボアアップによる排気量拡大
84.076.02527cc10.60.90
84.52557cc10.70.90
85.02587cc10.80.89
85.52618cc11.00.89
86.02649cc11.10.88
86.52680cc11.20.88
ストロークアップによる排気量拡大
83.577.02530cc10.60.92
78.02563cc10.70.93
79.02596cc10.90.95
80.02628cc11.00.96
81.02661cc11.10.97

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.5mmから0.5mm刻みで86.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の76.0mmから1mm刻みで81.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.91からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。6G73型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.91から0.88に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

6G73型エンジンのピストン径83.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが46件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
KL型
84.5mm
[+1.0mm]
2557cc
[+60cc]
日産
CD20型
84.5mm
[+1.0mm]
2557cc
[+60cc]
マツダ
YF型
84.8mm
[+1.3mm]
2575cc
[+78cc]
三菱
4G63型
85.0mm
[+1.5mm]
2587cc
[+90cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+1.5mm]
2587cc
[+90cc]
スバル
EJ15型
85.0mm
[+1.5mm]
2587cc
[+90cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:GW5R型カペラ ワゴンに搭載されるKL型2496ccの84.5mm、日産:SNN15型ファミリアワゴンに搭載されるCD20型1973ccの84.5mm、マツダ:EPEW型トリビュートに搭載されるYF型1988ccの84.8mm、三菱:CT9A型ランサーエボリューションに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:M35型プラウディアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、スバル:GG2型インプレッサ スポーツワゴンに搭載されるEJ15型1493ccの85.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6000rpm
76.0mm8.9m/s15.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.1m/s18km/h
4000rpm10.1m/s36km/h
6000rpm15.2m/s55km/h
8000rpm20.3m/s73km/h
10000rpm25.3m/s91km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが76.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.2m/sとなり、これは1秒間に15.2メートル(時速にすると54.7km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では8.9m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.5m/sとなっています。

参考までにストロークが76.0mmの6G73型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.05m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7890回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


6G73型エンジンを搭載する車種の例

全11車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより6G73型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
F41A
2000/08
ディアマンテ
25V-SE
[GF-F41A]
200PS
25.5kgm
11.2km/L
8.05kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
セダン
5人乗り

ディアマンテ
[25V-SE]
2000/08モデル
車両型式GF-F41A
最高出力200PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費11.2km/L
パワーウェイト8.05kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
F31A
1996/09
ディアマンテ
Espada
[E-F31A]
200PS
24.5kgm
9.8km/L
7.35kg/PS
自然吸気
FF/5AT
セダン
5人乗り

ディアマンテ
[Espada]
1996/09モデル
車両型式E-F31A
最高出力200PS
最大トルク24.5kgm
10-15モード燃費9.8km/L
パワーウェイト7.35kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
F31A
2000/08
ディアマンテ
25V
[GF-F31A]
200PS
25.5kgm
13.0km/L
7.50kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

ディアマンテ
[25V]
2000/08モデル
車両型式GF-F31A
最高出力200PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費13.0km/L
パワーウェイト7.50kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
6G73型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全11車種

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】