三菱:6A13型ターボエンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2498cc]

ここでは三菱のEC5W型・レグナム [VR-4 type-S|2000/05モデル] に搭載されている6A13型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

6A13型のターボエンジン諸元


EC5W型 レグナム
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-EC5W型
車名&グレードレグナム
VR-4 type-S
エンジン型式6A13
種類V型6気筒
排気量2498cc
内径×行程81.0mm×80.8mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積416.3cc
圧縮比8.5
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力280PS/5500rpm
最大トルク37.0kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、6A13型エンジンはボア(内径)81.0mm、ストローク(行程)80.8mm、ボアストローク比1.00のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、6A13型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、1996/08から発売された8代目ギャラン [EC5A型|1998/01]、最も新しい車種は1996/08から発売された初代レグナム [EC5W型|2000/05]となっており、5車種のターボ/SC車が登録されています。

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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
6A13のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷206.6PS → 280PS
トルクの変遷37.0kgm → 36.5kgm
リッター馬力112.1PS/L
リッタートルク14.8kgm/L

今回の参考車両であるレグナムのV型6気筒2498cc、圧縮比8.5でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5500回転のとき最高出力280馬力を、5500回転のとき最大トルク37.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は206.6PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは36.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は112.1PS/L、トルクは14.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積416.3cc)あたりの馬力は46.7PS、トルクは6.2kgmです。

6A13型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 6 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、6A13型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはEC5W型レグナムの280PS/37.0kgm、最も小さかったのはEC5A型ギャランの260PS/35.0kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
81.080.82498cc8.51.00
ボアアップによる排気量拡大
81.580.82529cc8.60.99
82.02560cc8.70.99
82.52591cc8.80.98
83.02623cc8.90.97
83.52655cc9.00.97
84.02687cc9.10.96
ストロークアップによる排気量拡大
81.081.82529cc8.61.01
82.82560cc8.71.02
83.82591cc8.81.03
84.82622cc8.91.05
85.82653cc9.01.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の81.0mmから0.5mm刻みで84.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の80.8mmから1mm刻みで85.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。6A13型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.96に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

6A13型エンジンのピストン径81.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
C20A型
82.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+62cc]
トヨタ
B48型
82.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+62cc]
トヨタ
B58型
82.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+62cc]
三菱
4G61型
82.3mm
[+1.3mm]
2579cc
[+81cc]
三菱
4D68型
82.7mm
[+1.7mm]
2604cc
[+106cc]
日産
m274型
83.0mm
[+2.0mm]
2623cc
[+125cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:KA5型レジェンドに搭載されるC20A型1996ccの82.0mm、トヨタ:DB22型スープラに搭載されるB48型1998ccの82.0mm、トヨタ:DB42型スープラに搭載されるB58型2997ccの82.0mm、三菱:C53A型ミラージュに搭載される4G61型1595ccの82.3mm、三菱:N28WG型RVRに搭載される4D68型1998ccの82.7mm、日産:YV37型スカイラインに搭載されるm274型1991ccの83.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
5500rpm
80.8mm10.8m/s14.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19km/h
4000rpm10.8m/s39km/h
6000rpm16.2m/s58km/h
8000rpm21.5m/s77km/h
10000rpm26.9m/s97km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが80.8mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは14.8m/sとなり、これは1秒間に14.8メートル(時速にすると53.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では10.8m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.2m/sとなっています。

参考までにストロークが80.8mmの6A13型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.38m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7430回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


6A13型ターボエンジンを搭載する車種の例

全5車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
EC5W
2000/05
レグナム
VR-4 type-S
[GF-EC5W]
280PS
37.0kgm
9.0km/L
5.54kg/PS
ターボ
4WD/5MT
ワゴン
5人乗り

レグナム
[VR-4 type-S]
2000/05モデル
車両型式GF-EC5W
最高出力280PS
最大トルク37.0kgm
10-15モード燃費9.0km/L
パワーウェイト5.54kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
三菱
EC5A
2000/05
ギャラン
VR-4 type-V
[GF-EC5A]
280PS
37.0kgm
9.5km/L
5.29kg/PS
ターボ
4WD/5MT
セダン
5人乗り

ギャラン
[VR-4 type-V]
2000/05モデル
車両型式GF-EC5A
最高出力280PS
最大トルク37.0kgm
10-15モード燃費9.5km/L
パワーウェイト5.29kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
EC5A
2000/05
ギャラン
VR-4 type-V
[GF-EC5A]
280PS
37.0kgm
8.5km/L
5.43kg/PS
ターボ
4WD/5AT
セダン
5人乗り

ギャラン
[VR-4 type-V]
2000/05モデル
車両型式GF-EC5A
最高出力280PS
最大トルク37.0kgm
10-15モード燃費8.5km/L
パワーウェイト5.43kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
EC5W
2000/05
レグナム
VR-4 type-S
[GF-EC5W]
280PS
37.0kgm
8.5km/L
5.68kg/PS
ターボ
4WD/5AT
ワゴン
5人乗り

レグナム
[VR-4 type-S]
2000/05モデル
車両型式GF-EC5W
最高出力280PS
最大トルク37.0kgm
10-15モード燃費8.5km/L
パワーウェイト5.68kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
三菱
EC5A
1998/01
ギャラン
Super VR-4
[E-EC5A]
260PS
35.0kgm
8.5km/L
5.85kg/PS
ターボ
4WD/5AT
セダン
5人乗り

ギャラン
[Super VR-4]
1998/01モデル
車両型式E-EC5A
最高出力260PS
最大トルク35.0kgm
10-15モード燃費8.5km/L
パワーウェイト5.85kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】