三菱:6A12型NAエンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 1998cc]

ここでは三菱のDE3A型・FTO [GPX|1999/08モデル] に搭載されている6A12型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

6A12型の自然吸気エンジン諸元


DE3A型 FTO
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-DE3A型
車名&グレードFTO
GPX
エンジン型式6A12
種類V型6気筒
排気量1998cc
内径×行程78.4mm×69.0mm
ボアストローク比0.88
単気筒容積333.1cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力200PS/7500rpm
最大トルク20.4kgm/6000rpm

まず基本的な成り立ちとして、6A12型エンジンはボア(内径)78.4mm、ストローク(行程)69.0mm、ボアストローク比0.88のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、6A12型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1990/05から発売された初代ディアマンテ [F12A型|1992/10]、最も新しい車種は1994/10から発売された初代FTO [DE3A型|1999/08]となっており、29車種のNA車が登録されています。

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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
6A12のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷170.9PS → 200PS
トルクの変遷20.4kgm → 19.1kgm
リッター馬力100.1PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両であるFTOのV型6気筒1998cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7500回転のとき最高出力200馬力を、7500回転のとき最大トルク20.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する6000回転での馬力は170.9PS、最高出力が発生する7500回転でのトルクは19.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は100.1PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積333.1cc)あたりの馬力は33.3PS、トルクは3.4kgmです。

6A12型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 8 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、6A12型の自然吸気エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはDE3A型FTOの200PS/20.4kgm、最も小さかったのはF12A型シグマの145PS/18.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
78.469.01998cc10.00.88
ボアアップによる排気量拡大
78.969.02024cc10.10.87
79.42050cc10.20.87
79.92076cc10.40.86
80.42102cc10.50.86
80.92128cc10.60.85
81.42154cc10.70.85
ストロークアップによる排気量拡大
78.470.02027cc10.10.89
71.02056cc10.30.91
72.02085cc10.40.92
73.02114cc10.50.93
74.02143cc10.60.94

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の78.4mmから0.5mm刻みで81.4mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の69.0mmから1mm刻みで74.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.88からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。6A12型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.88から0.85に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

6A12型エンジンのピストン径78.4mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが31件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1ZZ型
79.0mm
[+0.6mm]
2029cc
[+31cc]
日産
MRA8型
79.7mm
[+1.3mm]
2065cc
[+67cc]
日産
QG18型
80.0mm
[+1.6mm]
2081cc
[+83cc]
いすゞ
4XE1型
80.0mm
[+1.6mm]
2081cc
[+83cc]
いすゞ
4XF1型
80.0mm
[+1.6mm]
2081cc
[+83cc]
レクサス
2ZR型
80.5mm
[+2.1mm]
2107cc
[+109cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:ZZT230型セリカに搭載される1ZZ型1794ccの79.0mm、日産:TB17型シルフィに搭載されるMRA8型1798ccの79.7mm、日産:QP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQG18型1769ccの80.0mm、いすゞ:JT191F型ジェミニに搭載される4XE1型1588ccの80.0mm、いすゞ:JT221F型ピアッツァに搭載される4XF1型1809ccの80.0mm、レクサス:ZSP110型ヴォクシーに搭載される2ZR型1797ccの80.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
6000rpm
最高出力
7500rpm
69.0mm13.8m/s17.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.6m/s17km/h
4000rpm9.2m/s33km/h
6000rpm13.8m/s50km/h
8000rpm18.4m/s66km/h
10000rpm23.0m/s83km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが69.0mmのエンジンが最高出力を発生する7500回転での平均ピストンスピードは17.2m/sとなり、これは1秒間に17.2メートル(時速にすると61.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する6000回転では13.8m/s、最高出力が発生する7500回転より500回転高い8000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.4m/sとなっています。

参考までにストロークが69.0mmの6A12型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.60m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8700回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


6A12型NAエンジンを搭載する車種の例

全29車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより6A12型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
DE3A
1999/08
FTO
GPX
[GF-DE3A]
200PS
20.4kgm
12.0km/L
5.850kg/PS
自然吸気
FF/5MT
クーペ
4人乗り

FTO
[GPX]
1999/08モデル
車両型式GF-DE3A
最高出力200PS
最大トルク20.4kgm
10-15モード燃費12.0km/L
パワーウェイト5.850kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
三菱
DE3A
1999/08
FTO
GP Version-R
[GF-DE3A]
200PS
20.4kgm
10.4km/L
5.950kg/PS
自然吸気
FF/5AT
クーペ
4人乗り

FTO
[GP Version-R]
1999/08モデル
車両型式GF-DE3A
最高出力200PS
最大トルク20.4kgm
10-15モード燃費10.4km/L
パワーウェイト5.950kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5AT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
三菱
E54A
1994/10
ギャラン
VX-R
[E-E54A]
200PS
20.4kgm
12.4km/L
6.350kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

ギャラン
[VX-R]
1994/10モデル
車両型式E-E54A
最高出力200PS
最大トルク20.4kgm
10-15モード燃費12.4km/L
パワーウェイト6.350kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
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【排気量順】