三菱:6A10型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 1597cc]

ここでは三菱のCB6A型・ミラージュ [V6 VIE-Extra|1994/01モデル] に搭載されている6A10型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

6A10型の自然吸気エンジン諸元


CB6A型 ミラージュ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-CB6A型
車名&グレードミラージュ
V6 VIE-Extra
エンジン型式6A10
種類V型6気筒
排気量1597cc
内径×行程73.0mm×63.6mm
ボアストローク比0.87
単気筒容積266.2cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力140PS/7000rpm
最大トルク15.0kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、6A10型エンジンはボア(内径)73.0mm、ストローク(行程)63.6mm、ボアストローク比0.87のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、6A10型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1991/10から発売された4代目ミラージュ [CB6A型|1994/01]、最も新しい車種は1991/10から発売された4代目ランサー [CB6A型|1994/10]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
6A10のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷94.2PS → 140PS
トルクの変遷15.0kgm → 14.3kgm
リッター馬力87.7PS/L
リッタートルク9.4kgm/L

今回の参考車両であるミラージュのV型6気筒1597cc、圧縮比10.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7000回転のとき最高出力140馬力を、7000回転のとき最大トルク15.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は94.2PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは14.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は87.7PS/L、トルクは9.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積266.2cc)あたりの馬力は23.3PS、トルクは2.5kgmです。

6A10型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 5 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
73.063.61597cc10.00.87
ボアアップによる排気量拡大
73.563.61619cc10.10.87
74.01641cc10.30.86
74.51663cc10.40.85
75.01686cc10.50.85
75.51708cc10.60.84
76.01731cc10.80.84
ストロークアップによる排気量拡大
73.064.61622cc10.10.88
65.61647cc10.30.90
66.61672cc10.40.91
67.61698cc10.60.93
68.61723cc10.70.94

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の73.0mmから0.5mm刻みで76.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の63.6mmから1mm刻みで68.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.87からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。6A10型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.87から0.84に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

6A10型エンジンのピストン径73.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが38件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
GA15型
73.6mm
[+0.6mm]
1623cc
[+26cc]
日産
QG15型
73.6mm
[+0.6mm]
1623cc
[+26cc]
ホンダ
D13C型
73.7mm
[+0.7mm]
1628cc
[+31cc]
トヨタ
4E型
74.0mm
[+1.0mm]
1641cc
[+44cc]
トヨタ
5E型
74.0mm
[+1.0mm]
1641cc
[+44cc]
スズキ
G13B型
74.0mm
[+1.0mm]
1641cc
[+44cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:WFGY10型ラシーンに搭載されるGA15型1497ccの73.6mm、日産:FB15型ファミリアビジネスワゴンに搭載されるQG15型1497ccの73.6mm、ホンダ:GA2型シティに搭載されるD13C型1296ccの73.7mm、トヨタ:EL41型カローラIIに搭載される4E型1331ccの74.0mm、トヨタ:EL44型サイノスに搭載される5E型1496ccの74.0mm、スズキ:AA34S型カルタスに搭載されるG13B型1298ccの74.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
7000rpm
63.6mm9.5m/s14.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.2m/s15km/h
4000rpm8.5m/s31km/h
6000rpm12.7m/s46km/h
8000rpm17.0m/s61km/h
10000rpm21.2m/s76km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが63.6mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは14.8m/sとなり、これは1秒間に14.8メートル(時速にすると53.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では9.5m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.9m/sとなっています。

参考までにストロークが63.6mmの6A10型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.25m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)9430回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


6A10型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
CB6A
1994/01
ミラージュ
V6 VIE-Extra
[E-CB6A]
140PS
15.0kgm
11.2km/L
7.860kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

ミラージュ
[V6 VIE-Extra]
1994/01モデル
車両型式E-CB6A
最高出力140PS
最大トルク15.0kgm
10-15モード燃費11.2km/L
パワーウェイト7.860kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
CB6A
1994/01
ミラージュ
V6 VIE-Extra
[E-CB6A]
140PS
15.0kgm
12.0km/L
7.710kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

ミラージュ
[V6 VIE-Extra]
1994/01モデル
車両型式E-CB6A
最高出力140PS
最大トルク15.0kgm
10-15モード燃費12.0km/L
パワーウェイト7.710kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
CB6A
1994/10
ランサー
MX-Saloon V6
[E-CB6A]
140PS
15.0kgm
12.0km/L
7.710kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

ランサー
[MX-Saloon V6]
1994/10モデル
車両型式E-CB6A
最高出力140PS
最大トルク15.0kgm
10-15モード燃費12.0km/L
パワーウェイト7.710kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
CB6A
1994/10
ランサー
Royal-V6
[E-CB6A]
140PS
15.0kgm
11.2km/L
7.930kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

ランサー
[Royal-V6]
1994/10モデル
車両型式E-CB6A
最高出力140PS
最大トルク15.0kgm
10-15モード燃費11.2km/L
パワーウェイト7.930kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】