三菱:4G92型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1597cc]

ここでは三菱のCA4A型・ミラージュ [RS|1994/10モデル] に搭載されている4G92型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4G92型の自然吸気エンジン諸元


CA4A型 ミラージュ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-CA4A型
車名&グレードミラージュ
RS
エンジン型式4G92
種類直列4気筒
排気量1597cc
内径×行程81.0mm×77.5mm
ボアストローク比0.96
単気筒容積399.3cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力175PS/7500rpm
最大トルク17.0kgm/7000rpm

まず基本的な成り立ちとして、4G92型エンジンはボア(内径)81.0mm、ストローク(行程)77.5mm、ボアストローク比0.96のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4G92型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1991/10から発売された4代目ミラージュ [CA4A型|1994/10]、最も新しい車種は1995/10から発売された5代目ミラージュ [CJ4A型|1999/07]となっており、NA車は17車種、ターボ/SC車は0車種の全17車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4G92のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷166.1PS → 175PS
トルクの変遷17.0kgm → 16.7kgm
リッター馬力109.6PS/L
リッタートルク10.6kgm/L

今回の参考車両であるミラージュの直列4気筒1597cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7500回転のとき最高出力175馬力を、7500回転のとき最大トルク17.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する7000回転での馬力は166.1PS、最高出力が発生する7500回転でのトルクは16.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は109.6PS/L、トルクは10.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.3cc)あたりの馬力は43.8PS、トルクは4.2kgmです。

4G92型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 9 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、4G92型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはCA4A型ミラージュの175PS/17.0kgm、最も小さかったのはCB4W型リベロの110PS/14.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
81.077.51597cc11.00.96
ボアアップによる排気量拡大
81.577.51617cc11.10.95
82.01637cc11.30.95
82.51657cc11.40.94
83.01677cc11.50.93
83.51698cc11.60.93
84.01718cc11.80.92
ストロークアップによる排気量拡大
81.078.51618cc11.10.97
79.51639cc11.30.98
80.51659cc11.40.99
81.51680cc11.51.01
82.51700cc11.71.02

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の81.0mmから0.5mm刻みで84.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.5mmから1mm刻みで82.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.96からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。4G92型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.96から0.92に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4G92型エンジンのピストン径81.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが25件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
GY型
81.6mm
[+0.6mm]
1621cc
[+24cc]
トヨタ
2ZZ型
82.0mm
[+1.0mm]
1637cc
[+40cc]
ホンダ
G20A型
82.0mm
[+1.0mm]
1637cc
[+40cc]
ホンダ
C20A型
82.0mm
[+1.0mm]
1637cc
[+40cc]
トヨタ
4S型
82.5mm
[+1.5mm]
1657cc
[+60cc]
日産
SR18型
82.5mm
[+1.5mm]
1657cc
[+60cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:LW5W型MPVに搭載されるGY型2494ccの81.6mm、トヨタ:ZZE123型カローラ ランクスに搭載される2ZZ型1795ccの82.0mm、ホンダ:CC3型ビガーに搭載されるG20A型1996ccの82.0mm、ホンダ:KA5型レジェンドに搭載されるC20A型1996ccの82.0mm、トヨタ:SV30型カムリに搭載される4S型1838ccの82.5mm、日産:HN15型ファミリアワゴンに搭載されるSR18型1838ccの82.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
7000rpm
最高出力
7500rpm
77.5mm18.1m/s19.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.5m/s56km/h
8000rpm20.7m/s75km/h
10000rpm25.8m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.5mmのエンジンが最高出力を発生する7500回転での平均ピストンスピードは19.4m/sとなり、これは1秒間に19.4メートル(時速にすると69.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する7000回転では18.1m/s、最高出力が発生する7500回転より500回転高い8000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.7m/sとなっています。

参考までにストロークが77.5mmの4G92型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7740回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4G92型エンジンを搭載する車種の例

全17車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより4G92型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
CA4A
1994/10
ミラージュ
RS
[E-CA4A]
175PS
17.0kgm
14.6km/L
5.77kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ミラージュ
[RS]
1994/10モデル
車両型式E-CA4A
最高出力175PS
最大トルク17.0kgm
10-15モード燃費14.6km/L
パワーウェイト5.77kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
三菱
CJ4A
1999/07
ミラージュ
Cyborg-ZR
[GF-CJ4A]
175PS
17.0kgm
14.0km/L
6.06kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

ミラージュ
[Cyborg-ZR]
1999/07モデル
車両型式GF-CJ4A
最高出力175PS
最大トルク17.0kgm
10-15モード燃費14.0km/L
パワーウェイト6.06kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
三菱
CJ4A
1996/10
ミラージュ アスティ
Asti-ZR
[E-CJ4A]
175PS
17.0kgm
14.0km/L
6.17kg/PS
自然吸気
FF/5MT
クーペ
5人乗り

ミラージュ アスティ
[Asti-ZR]
1996/10モデル
車両型式E-CJ4A
最高出力175PS
最大トルク17.0kgm
10-15モード燃費14.0km/L
パワーウェイト6.17kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員クーペ/5人乗り
4G92型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全17車種

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】