三菱:4G91型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1496cc]

ここでは三菱のCA3A型・ミラージュ アスティ [Asti-Z|1994/10モデル] に搭載されている4G91型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4G91型の自然吸気エンジン諸元


CA3A型 ミラージュ アスティ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-CA3A型
車名&グレードミラージュ アスティ
Asti-Z
エンジン型式4G91
種類直列4気筒
排気量1496cc
内径×行程78.4mm×77.5mm
ボアストローク比0.99
単気筒容積374.1cc
圧縮比9.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力115PS/6000rpm
最大トルク13.8kgm/5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、4G91型エンジンはボア(内径)78.4mm、ストローク(行程)77.5mm、ボアストローク比0.99のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて4G91型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1993/05から発売された4代目ミラージュ アスティ [CA3A型|1994/10]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4G91のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷96.3PS → 115PS
トルクの変遷13.8kgm → 13.7kgm
リッター馬力76.9PS/L
リッタートルク9.2kgm/L

今回の参考車両であるミラージュ アスティの直列4気筒1496cc、圧縮比9.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力115馬力を、6000回転のとき最大トルク13.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5000回転での馬力は96.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは13.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は76.9PS/L、トルクは9.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.1cc)あたりの馬力は28.8PS、トルクは3.5kgmです。

4G91型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
78.477.51496cc9.50.99
ボアアップによる排気量拡大
78.977.51516cc9.60.98
79.41535cc9.70.98
79.91554cc9.80.97
80.41574cc9.90.96
80.91593cc10.00.96
81.41613cc10.20.95
ストロークアップによる排気量拡大
78.478.51516cc9.61.00
79.51535cc9.71.01
80.51554cc9.81.03
81.51574cc9.91.04
82.51593cc10.01.05

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の78.4mmから0.5mm刻みで81.4mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.5mmから1mm刻みで82.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.99からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。4G91型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.99から0.95に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4G91型エンジンのピストン径78.4mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが31件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1ZZ型
79.0mm
[+0.6mm]
1519cc
[+23cc]
日産
MRA8型
79.7mm
[+1.3mm]
1547cc
[+51cc]
日産
QG18型
80.0mm
[+1.6mm]
1558cc
[+62cc]
いすゞ
4XE1型
80.0mm
[+1.6mm]
1558cc
[+62cc]
いすゞ
4XF1型
80.0mm
[+1.6mm]
1558cc
[+62cc]
レクサス
2ZR型
80.5mm
[+2.1mm]
1578cc
[+82cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:ZZT230型セリカに搭載される1ZZ型1794ccの79.0mm、日産:TB17型シルフィに搭載されるMRA8型1798ccの79.7mm、日産:QP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQG18型1769ccの80.0mm、いすゞ:JT191S型ジェミニに搭載される4XE1型1588ccの80.0mm、いすゞ:JT221F型ピアッツァに搭載される4XF1型1809ccの80.0mm、レクサス:ZSP110型ヴォクシーに搭載される2ZR型1797ccの80.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5000rpm
最高出力
6000rpm
77.5mm12.9m/s15.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.5m/s56km/h
8000rpm20.7m/s75km/h
10000rpm25.8m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.5mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.5m/sとなり、これは1秒間に15.5メートル(時速にすると55.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5000回転では12.9m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.8m/sとなっています。

参考までにストロークが77.5mmの4G91型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7740回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4G91型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
CA3A
1994/10
ミラージュ アスティ
Asti-Z
[E-CA3A]
115PS
13.8kgm
14.0km/L
8.520kg/PS
自然吸気
FF/4AT
クーペ
5人乗り

ミラージュ アスティ
[Asti-Z]
1994/10モデル
車両型式E-CA3A
最高出力115PS
最大トルク13.8kgm
10-15モード燃費14.0km/L
パワーウェイト8.520kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員クーペ/5人乗り
三菱
CA3A
1994/10
ミラージュ アスティ
Asti-Z
[E-CA3A]
115PS
13.8kgm
15.4km/L
8.350kg/PS
自然吸気
FF/5MT
クーペ
5人乗り

ミラージュ アスティ
[Asti-Z]
1994/10モデル
車両型式E-CA3A
最高出力115PS
最大トルク13.8kgm
10-15モード燃費15.4km/L
パワーウェイト8.350kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員クーペ/5人乗り

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】