三菱:4G69型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2378cc]

ここでは三菱のNA4W型・グランディス [S|2007/07モデル] に搭載されている4G69型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4G69型の自然吸気エンジン諸元


NA4W型 グランディス
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-NA4W型
車名&グレードグランディス
S
エンジン型式4G69
種類直列4気筒
排気量2378cc
内径×行程87.0mm×100.0mm
ボアストローク比1.15
単気筒容積594.5cc
圧縮比9.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力165PS/6000rpm
最大トルク22.1kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、4G69型エンジンはボア(内径)87.0mm、ストローク(行程)100.0mm、ボアストローク比1.15のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4G69型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2001/06から発売された初代エアトレック [CU5W型|2004/04]、最も新しい車種は2003/05から発売された4代目グランディス [NA4W型|2007/07]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4G69のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷123.4PS → 165PS
トルクの変遷22.1kgm → 19.7kgm
リッター馬力69.4PS/L
リッタートルク9.3kgm/L

今回の参考車両であるグランディスの直列4気筒2378cc、圧縮比9.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力165馬力を、6000回転のとき最大トルク22.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は123.4PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは19.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は69.4PS/L、トルクは9.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積594.5cc)あたりの馬力は41.2PS、トルクは5.5kgmです。

4G69型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、4G69型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはNA4W型グランディスの165PS/22.1kgm、最も小さかったのはCU5W型エアトレックの160PS/21.9kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
87.0100.02378cc9.51.15
ボアアップによる排気量拡大
87.5100.02405cc9.61.14
88.02433cc9.71.14
88.52461cc9.81.13
89.02488cc9.91.12
89.52516cc10.01.12
90.02545cc10.11.11
ストロークアップによる排気量拡大
87.0101.02402cc9.61.16
102.02425cc9.71.17
103.02449cc9.81.18
104.02473cc9.81.20
105.02497cc9.91.21

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の87.0mmから0.5mm刻みで90.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の100.0mmから1mm刻みで105.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。4G69型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.15から1.11に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4G69型エンジンのピストン径87.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが27件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
6B31型
87.6mm
[+0.6mm]
2411cc
[+33cc]
スバル
EJ18型
87.9mm
[+0.9mm]
2427cc
[+49cc]
スバル
EJ16型
87.9mm
[+0.9mm]
2427cc
[+49cc]
三菱
4B12型
88.0mm
[+1.0mm]
2433cc
[+55cc]
スズキ
H27A型
88.0mm
[+1.0mm]
2433cc
[+55cc]
レクサス
1LR型
88.0mm
[+1.0mm]
2433cc
[+55cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:CW6W型アウトランダーに搭載される6B31型2997ccの87.6mm、スバル:BD2型レガシィに搭載されるEJ18型1820ccの87.9mm、スバル:GF4型インプレッサ スポーツワゴンに搭載されるEJ16型1597ccの87.9mm、三菱:CW5W型アウトランダーに搭載される4B12型2359ccの88.0mm、スズキ:TD94W型エスクードに搭載されるH27A型2736ccの88.0mm、レクサス:LFA10型LFAに搭載される1LR型4805ccの88.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
100.0mm13.3m/s20.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.7m/s24km/h
4000rpm13.3m/s48km/h
6000rpm20.0m/s72km/h
8000rpm26.7m/s96km/h
10000rpm33.3m/s120km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが100.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは20.0m/sとなり、これは1秒間に20.0メートル(時速にすると72.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では13.3m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.7m/sとなっています。

参考までにストロークが100.0mmの4G69型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6000回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4G69型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
NA4W
2007/07
グランディス
S
[DBA-NA4W]
165PS
22.1kgm
11.0km/L
10.424kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ミニバン
7人乗り

グランディス
[S]
2007/07モデル
車両型式DBA-NA4W
最高出力165PS
最大トルク22.1kgm
10-15モード燃費11.0km/L
パワーウェイト10.424kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り
三菱
NA4W
2007/07
グランディス
S
[DBA-NA4W]
165PS
22.1kgm
11.4km/L
9.940kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ミニバン
7人乗り

グランディス
[S]
2007/07モデル
車両型式DBA-NA4W
最高出力165PS
最大トルク22.1kgm
10-15モード燃費11.4km/L
パワーウェイト9.940kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/7人乗り
三菱
CU5W
2004/04
エアトレック
Sport-Gear
[UA-CU5W]
160PS
21.9kgm
11.0km/L
9.438kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
SUV
5人乗り

エアトレック
[Sport-Gear]
2004/04モデル
車両型式UA-CU5W
最高出力160PS
最大トルク21.9kgm
10-15モード燃費11.0km/L
パワーウェイト9.438kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
三菱
CU5W
2004/04
エアトレック
Sport-Gear
[UA-CU5W]
160PS
21.9kgm
11.4km/L
8.812kg/PS
自然吸気
FF/4AT
SUV
5人乗り

エアトレック
[Sport-Gear]
2004/04モデル
車両型式UA-CU5W
最高出力160PS
最大トルク21.9kgm
10-15モード燃費11.4km/L
パワーウェイト8.812kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】