三菱:4G37型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1755cc]

ここでは三菱のE37A型・エテルナサヴァ [LF-4|1990/10モデル] に搭載されている4G37型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4G37型の自然吸気エンジン諸元


E37A型 エテルナサヴァ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-E37A型
車名&グレードエテルナサヴァ
LF-4
エンジン型式4G37
種類直列4気筒
排気量1755cc
内径×行程80.6mm×86.0mm
ボアストローク比1.07
単気筒容積438.8cc
圧縮比9.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力94PS/5000rpm
最大トルク14.6kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、4G37型エンジンはボア(内径)80.6mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4G37型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1988/10から発売された4代目エテルナ [E32A型|1989/10]、最も新しい車種は1988/10から発売された4代目エテルナサヴァ [E32A型|1991/01]となっており、NA車は9車種、ターボ/SC車は0車種の全9車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4G37のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷71.3PS → 94PS
トルクの変遷14.6kgm → 13.5kgm
リッター馬力53.6PS/L
リッタートルク8.3kgm/L

今回の参考車両であるエテルナサヴァの直列4気筒1755cc、圧縮比9.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5000回転のとき最高出力94馬力を、5000回転のとき最大トルク14.6kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は71.3PS、最高出力が発生する5000回転でのトルクは13.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は53.6PS/L、トルクは8.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積438.8cc)あたりの馬力は23.5PS、トルクは3.6kgmです。

4G37型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 3 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、4G37型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはE37A型エテルナサヴァの94PS/14.6kgm、最も小さかったのはE32A型エテルナサヴァの85PS/14.1kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
80.686.01755cc9.01.07
ボアアップによる排気量拡大
81.186.01777cc9.11.06
81.61799cc9.21.05
82.11821cc9.31.05
82.61843cc9.41.04
83.11866cc9.51.03
83.61888cc9.61.03
ストロークアップによる排気量拡大
80.687.01776cc9.11.08
88.01796cc9.21.09
89.01816cc9.31.10
90.01837cc9.41.12
91.01857cc9.51.13

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の80.6mmから0.5mm刻みで83.6mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。4G37型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.03に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4G37型エンジンのピストン径80.6mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが20件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4G94型
81.5mm
[+0.9mm]
1795cc
[+40cc]
三菱
4G67型
81.5mm
[+0.9mm]
1795cc
[+40cc]
マツダ
GY型
81.6mm
[+1.0mm]
1799cc
[+44cc]
トヨタ
2ZZ型
82.0mm
[+1.4mm]
1817cc
[+62cc]
ホンダ
G20A型
82.0mm
[+1.4mm]
1817cc
[+62cc]
ホンダ
C20A型
82.0mm
[+1.4mm]
1817cc
[+62cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:EA7A型ギャランに搭載される4G94型1999ccの81.5mm、三菱:E35A型エテルナサヴァに搭載される4G67型1836ccの81.5mm、マツダ:LW5W型MPVに搭載されるGY型2494ccの81.6mm、トヨタ:ZZE123型カローラ ランクスに搭載される2ZZ型1795ccの82.0mm、ホンダ:CC3型ビガーに搭載されるG20A型1996ccの82.0mm、ホンダ:KA5型レジェンドに搭載されるC20A型1996ccの82.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
5000rpm
86.0mm10.0m/s14.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する5000回転での平均ピストンスピードは14.3m/sとなり、これは1秒間に14.3メートル(時速にすると51.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では10.0m/s、最高出力が発生する5000回転より500回転高い5500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.8m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmの4G37型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4G37型エンジンを搭載する車種の例

全9車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより4G37型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
E37A
1990/10
エテルナサヴァ
LF-4
[E-E37A]
94PS
14.6kgm
8.8km/L
13.83kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
セダン
5人乗り

エテルナサヴァ
[LF-4]
1990/10モデル
車両型式E-E37A
最高出力94PS
最大トルク14.6kgm
10-15モード燃費8.8km/L
パワーウェイト13.83kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
E37A
1990/10
エテルナサヴァ
LF-4
[E-E37A]
94PS
14.6kgm
10.2km/L
13.62kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
セダン
5人乗り

エテルナサヴァ
[LF-4]
1990/10モデル
車両型式E-E37A
最高出力94PS
最大トルク14.6kgm
10-15モード燃費10.2km/L
パワーウェイト13.62kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
三菱
E32A
1989/10
エテルナ
ZX
[E-E32A]
94PS
14.6kgm
10.6km/L
12.77kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

エテルナ
[ZX]
1989/10モデル
車両型式E-E32A
最高出力94PS
最大トルク14.6kgm
10-15モード燃費10.6km/L
パワーウェイト12.77kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
4G37型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全9車種

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】