三菱:3G83型ターボエンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 657cc]

ここでは三菱のH22A型・ミニカトッポ [Qt|1992/01モデル] に搭載されている3G83型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

3G83型のターボエンジン諸元


H22A型 ミニカトッポ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-H22A型
車名&グレードミニカトッポ
Qt
エンジン型式3G83
種類直列3気筒
排気量657cc
内径×行程65.0mm×66.0mm
ボアストローク比1.01
単気筒容積219.0cc
圧縮比8.5
吸気方式ターボ
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力64PS/7000rpm
最大トルク9.8kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、3G83型エンジンはボア(内径)65.0mm、ストローク(行程)66.0mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、3G83型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、1990/03から発売された初代ミニカトッポ [H22A型|1992/01]、最も新しい車種は1999/04から発売された初代タウンボックス [U61W型|2011/05]となっており、19車種のターボ/SC車が登録されています。

関連ページ
三菱:3G83型 自然吸気エンジン 諸元と性能まとめ

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
3G83のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷47.9PS → 64PS
トルクの変遷9.8kgm → 6.5kgm
リッター馬力97.4PS/L
リッタートルク14.9kgm/L

今回の参考車両であるミニカトッポの直列3気筒657cc、圧縮比8.5でレギュラーガソリン仕様のターボエンジンは、7000回転のとき最高出力64馬力を、7000回転のとき最大トルク9.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は47.9PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは6.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は97.4PS/L、トルクは14.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積219.0cc)あたりの馬力は21.3PS、トルクは3.3kgmです。

3G83型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
65.066.0657cc8.51.01
ボアアップによる排気量拡大
65.566.0667cc8.61.01
66.0677cc8.71.00
66.5688cc8.80.99
67.0698cc9.00.99
67.5709cc9.10.98
68.0719cc9.20.97
ストロークアップによる排気量拡大
65.067.0667cc8.61.03
68.0677cc8.71.05
69.0687cc8.81.06
70.0697cc8.91.08
71.0707cc9.11.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の65.0mmから0.5mm刻みで68.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の66.0mmから1mm刻みで71.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。3G83型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

3G83型エンジンのピストン径65.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが6件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
E07Z型
66.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+20cc]
日産
MA09型
66.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+20cc]
日産
K6A型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
ダイハツ
EF型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
スズキ
K10A型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
日産
MA10型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:PA1型Zに搭載されるE07Z型656ccの66.0mm、日産:EK10型マーチに搭載されるMA09型930ccの66.0mm、日産:MC21S型ワゴンRに搭載されるK6A型658ccの68.0mm、ダイハツ:J131G型リーザに搭載されるEF型659ccの68.0mm、スズキ:MA64S型ワゴンRソリオに搭載されるK10A型996ccの68.0mm、日産:FK10型フィガロに搭載されるMA10型987ccの68.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
7000rpm
66.0mm7.7m/s15.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.4m/s16km/h
4000rpm8.8m/s32km/h
6000rpm13.2m/s48km/h
8000rpm17.6m/s63km/h
10000rpm22.0m/s79km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが66.0mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは15.4m/sとなり、これは1秒間に15.4メートル(時速にすると55.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では7.7m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.5m/sとなっています。

参考までにストロークが66.0mmの3G83型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)9090回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


3G83型ターボエンジンを搭載する車種の例

全19車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより3G83型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
三菱
H81W
2005/12
eKスポーツ
R
[CBA-H81W]
64PS
9.5kgm
16.0km/L
13.28kg/PS
ターボ
FF/4AT
軽ミニバン
4人乗り

eKスポーツ
[R]
2005/12モデル
車両型式CBA-H81W
最高出力64PS
最大トルク9.5kgm
10-15モード燃費16.0km/L
パワーウェイト13.28kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
三菱
U62W
2010/08
タウンボックス
RX
[ABA-U62W]
64PS
8.8kgm
12.2km/L
16.25kg/PS
ターボ
4WD/4AT
軽1BOX
4人乗り

タウンボックス
[RX]
2010/08モデル
車両型式ABA-U62W
最高出力64PS
最大トルク8.8kgm
JC08モード燃費12.2km/L
10-15モード燃費12.8km/L
パワーウェイト16.25kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員軽1BOX/4人乗り
三菱
H81W
2005/12
eKスポーツ
Recaro-Edition R
[CBA-H81W]
64PS
9.5kgm
15.2km/L
14.06kg/PS
ターボ
4WD/4AT
軽ミニバン
4人乗り

eKスポーツ
[Recaro-Edition R]
2005/12モデル
車両型式CBA-H81W
最高出力64PS
最大トルク9.5kgm
JC08モード燃費12.2km/L
10-15モード燃費15.2km/L
パワーウェイト14.06kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
3G83型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全87車種

その他の3G83型エンジン型式と代表的な車種

3G83型
全24車種
日産:オッティ [RX]
最高出力64PS/最大トルク9.5kgm
2009/08モデル
日産
3G83型
全24車種
オッティ
[RX]
64PS/9.5kgm

三菱製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】