MINI:N16B16A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1598cc]

ここではMINIのSU16型・ミニ [Cooper R56|2011/08モデル] に搭載されているN16B16A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

N16B16A型の自然吸気エンジン諸元


SU16型 ミニ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-SU16型
車名&グレードミニ
Cooper R56
エンジン型式N16B16A
種類直列4気筒
排気量1598cc
内径×行程77.0mm×85.8mm
ボアストローク比1.11
単気筒容積399.5cc
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力122PS/6000rpm
最大トルク16.3kgm/4250rpm

まず基本的な成り立ちとして、N16B16型エンジンはボア(内径)77.0mm、ストローク(行程)85.8mm、ボアストローク比1.11のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、N16B16A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2007/02から発売された2代目ミニ クラブマン [ZF16型|2011/04]、最も新しい車種は2007/02から発売された2代目ミニ ロードスター [R59型|2012/01]となっており、NA車は16車種、ターボ/SC車は0車種の全16車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
N16B16のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷96.7PS → 122PS
トルクの変遷16.3kgm → 14.6kgm
リッター馬力76.3PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両であるミニの直列4気筒1598cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力122馬力を、6000回転のとき最大トルク16.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4250回転での馬力は96.7PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは14.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は76.3PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積399.5cc)あたりの馬力は30.5PS、トルクは4.1kgmです。

N16B16型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 8 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、N16B16A型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはSU16型ミニの122PS/16.3kgm、最も小さかったのはSR16型ミニの98PS/15.6kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
77.085.81598cc11.01.11
ボアアップによる排気量拡大
77.585.81619cc11.11.11
78.01640cc11.21.10
78.51661cc11.41.09
79.01682cc11.51.09
79.51704cc11.71.08
80.01725cc11.81.07
ストロークアップによる排気量拡大
77.086.81617cc11.11.13
87.81635cc11.21.14
88.81654cc11.31.15
89.81673cc11.41.17
90.81691cc11.61.18

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の77.0mmから0.5mm刻みで80.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の85.8mmから1mm刻みで90.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。N16B16型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.11から1.07に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

N16B16型エンジンのピストン径77.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが28件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スバル
EL15型
77.7mm
[+0.7mm]
1627cc
[+29cc]
日産
RB20型
78.0mm
[+1.0mm]
1640cc
[+42cc]
日産
HR15型
78.0mm
[+1.0mm]
1640cc
[+42cc]
スズキ
M13A型
78.0mm
[+1.0mm]
1640cc
[+42cc]
マツダ
ZY型
78.0mm
[+1.0mm]
1640cc
[+42cc]
マツダ
KF型
78.0mm
[+1.0mm]
1640cc
[+42cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、スバル:GH3型インプレッサに搭載されるEL15型1498ccの77.7mm、日産:HR34型スカイライン セダンに搭載されるRB20型1998ccの78.0mm、日産:K13改型マーチに搭載されるHR15型1498ccの78.0mm、スズキ:ZC11S型スイフトに搭載されるM13A型1328ccの78.0mm、マツダ:BK5P型アクセラ スポーツに搭載されるZY型1498ccの78.0mm、マツダ:CBAEP型ランティスに搭載されるKF型1995ccの78.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4250rpm
最高出力
6000rpm
85.8mm12.2m/s17.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.4m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.6m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが85.8mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.2m/sとなり、これは1秒間に17.2メートル(時速にすると61.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4250回転では12.2m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.6m/sとなっています。

参考までにストロークが85.8mmのN16B16型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.73m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6990回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


N16B16A型エンジンを搭載する車種の例

全16車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりN16B16型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
MINI
SU16
2011/08
ミニ
Cooper R56
[DBA-SU16]
122PS
16.3kgm
18.8km/L
9.26kg/PS
自然吸気
FF/6MT
ハッチバック
4人乗り

ミニ
[Cooper R56]
2011/08モデル
車両型式DBA-SU16
最高出力122PS
最大トルク16.3kgm
JC08モード燃費18.8km/L
10-15モード燃費20.0km/L
パワーウェイト9.26kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/4人乗り
MINI
ZF16
2011/04
ミニ クラブマン
Cooper R55
[DBA-ZF16]
122PS
16.3kgm
18.0km/L
9.92kg/PS
自然吸気
FF/6MT
ワゴン
4人乗り

ミニ クラブマン
[Cooper R55]
2011/04モデル
車両型式DBA-ZF16
最高出力122PS
最大トルク16.3kgm
JC08モード燃費18.0km/L
10-15モード燃費20.5km/L
パワーウェイト9.92kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ワゴン/4人乗り
MINI
ZF16
2011/04
ミニ クラブマン
Cooper R55
[DBA-ZF16]
122PS
16.3kgm
14.2km/L
10.41kg/PS
自然吸気
FF/6AT
ワゴン
4人乗り

ミニ クラブマン
[Cooper R55]
2011/04モデル
車両型式DBA-ZF16
最高出力122PS
最大トルク16.3kgm
JC08モード燃費14.2km/L
10-15モード燃費15.0km/L
パワーウェイト10.41kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員ワゴン/4人乗り
N16B16型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全16車種