ベンツ:272M25型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2496cc]

ここではベンツの203252型・Cクラス ステーションワゴン [C230-SW Avantgarde S203|2007/01モデル] に搭載されている272M25型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

272M25型の自然吸気エンジン諸元


203252型 Cクラス ステーションワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-203252型
車名&グレードCクラス ステーションワゴン
C230-SW Avantgarde S203
エンジン型式272M25
種類V型6気筒
排気量2496cc
内径×行程88.0mm×68.4mm
ボアストローク比0.78
単気筒容積416.0cc
圧縮比11.4
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力204PS/6100rpm
最大トルク25.5kgm/3500-4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、272M25型エンジンはボア(内径)88.0mm、ストローク(行程)68.4mm、ボアストローク比0.78のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、272M25型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2001/06から発売された2代目Cクラス ステーションワゴン [203252型|2007/01]、最も新しい車種は2007/06から発売された3代目Cクラス セダン [204052型|2008/10]となっており、NA車は6車種、ターボ/SC車は0車種の全6車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
272M25のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷124.6PS → 204PS
トルクの変遷25.5kgm → 24.0kgm
リッター馬力81.7PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両であるCクラス ステーションワゴンのV型6気筒2496cc、圧縮比11.4でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6100回転のとき最高出力204馬力を、6100回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は124.6PS、最高出力が発生する6100回転でのトルクは24.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は81.7PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積416.0cc)あたりの馬力は34.0PS、トルクは4.2kgmです。

272M25型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 8 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
88.068.42496cc11.40.78
ボアアップによる排気量拡大
88.568.42524cc11.50.77
89.02553cc11.70.77
89.52582cc11.80.76
90.02611cc11.90.76
90.52640cc12.00.76
91.02669cc12.10.75
ストロークアップによる排気量拡大
88.069.42533cc11.60.79
70.42569cc11.70.80
71.42606cc11.80.81
72.42642cc12.00.82
73.42678cc12.20.83

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の88.0mmから0.5mm刻みで91.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の68.4mmから1mm刻みで73.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.78からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。272M25型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.78から0.75に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

272M25型エンジンのピストン径88.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが20件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
QR25型
89.0mm
[+1.0mm]
2553cc
[+57cc]
マツダ
PY型
89.0mm
[+1.0mm]
2553cc
[+57cc]
日産
QR20型
89.0mm
[+1.0mm]
2553cc
[+57cc]
日産
KA24型
89.0mm
[+1.0mm]
2553cc
[+57cc]
マツダ
L5型
89.0mm
[+1.0mm]
2553cc
[+57cc]
ホンダ
J35A型
89.0mm
[+1.0mm]
2553cc
[+57cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:WRP12型プリメーラ ワゴンに搭載されるQR25型2488ccの89.0mm、マツダ:GJ5FP型アテンザ ワゴンに搭載されるPY型2488ccの89.0mm、日産:TG10型ブルーバード シルフィに搭載されるQR20型1998ccの89.0mm、日産:JQGE25型ルネッサに搭載されるKA24型2388ccの89.0mm、マツダ:GH5FW型アテンザ スポーツワゴンに搭載されるL5型2488ccの89.0mm、ホンダ:RR5型エリシオンプレステージに搭載されるJ35A型3471ccの89.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6100rpm
68.4mm8.0m/s13.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.6m/s17km/h
4000rpm9.1m/s33km/h
6000rpm13.7m/s49km/h
8000rpm18.2m/s66km/h
10000rpm22.8m/s82km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが68.4mmのエンジンが最高出力を発生する6100回転での平均ピストンスピードは13.9m/sとなり、これは1秒間に13.9メートル(時速にすると50.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では8.0m/s、最高出力が発生する6100回転より500回転高い6600回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.0m/sとなっています。

参考までにストロークが68.4mmの272M25型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8770回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


272M25型エンジンを搭載する車種の例

全6車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ベンツ
204052
2008/10
Cクラス セダン
C250 Elegance W204
[DBA-204052]
204PS
25.0kgm
9.3km/L
7.60kg/PS
自然吸気
FR/7AT
セダン
5人乗り

Cクラス セダン
[C250 Elegance W204]
2008/10モデル
車両型式DBA-204052
最高出力204PS
最大トルク25.0kgm
10-15モード燃費9.3km/L
パワーウェイト7.60kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
ベンツ
204252
2008/10
Cクラス ステーションワゴン
C250 Elegance S204
[DBA-204252]
204PS
25.0kgm
9.4km/L
7.89kg/PS
自然吸気
FR/7AT
ワゴン
5人乗り

Cクラス ステーションワゴン
[C250 Elegance S204]
2008/10モデル
車両型式DBA-204252
最高出力204PS
最大トルク25.0kgm
10-15モード燃費9.4km/L
パワーウェイト7.89kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
ベンツ
211052
2008/08
Eクラス
E250 Avantgarde W211
[DBA-211052C]
204PS
25.0kgm
9.0km/L
8.14kg/PS
自然吸気
FR/7AT
セダン
5人乗り

Eクラス
[E250 Avantgarde W211]
2008/08モデル
車両型式DBA-211052C
最高出力204PS
最大トルク25.0kgm
10-15モード燃費9.0km/L
パワーウェイト8.14kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
ベンツ
203252
2007/01
Cクラス ステーションワゴン
C230-SW Avantgarde S203
[DBA-203252]
204PS
25.5kgm
10.0km/L
7.79kg/PS
自然吸気
FR/7AT
ワゴン
5人乗り

Cクラス ステーションワゴン
[C230-SW Avantgarde S203]
2007/01モデル
車両型式DBA-203252
最高出力204PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費10.0km/L
パワーウェイト7.79kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
ベンツ
203052
2007/01
Cクラス
C230 Avantgarde W203
[DBA-203052]
204PS
25.5kgm
10.0km/L
7.55kg/PS
自然吸気
FR/7AT
セダン
5人乗り

Cクラス
[C230 Avantgarde W203]
2007/01モデル
車両型式DBA-203052
最高出力204PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費10.0km/L
パワーウェイト7.55kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
ベンツ
211252
2008/08
Eクラス ステーションワゴン
E250 Avantgarde S211
[DBA-211252C]
204PS
25.0kgm
9.0km/L
8.82kg/PS
自然吸気
FR/7AT
ワゴン
5人乗り

Eクラス ステーションワゴン
[E250 Avantgarde S211]
2008/08モデル
車両型式DBA-211252C
最高出力204PS
最大トルク25.0kgm
10-15モード燃費9.0km/L
パワーウェイト8.82kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/7AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り

ベンツ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】