マツダ:SR18型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1838cc]

ここではマツダのBWHNY1型・ファミリアワゴン [XG-Touring|1996/06モデル] に搭載されているSR18型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

SR18型の自然吸気エンジン諸元


BWHNY1型 ファミリアワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-BWHNY10型
車名&グレードファミリアワゴン
XG-Touring
エンジン型式SR18
種類直列4気筒
排気量1838cc
内径×行程82.5mm×86.0mm
ボアストローク比1.04
単気筒容積459.7cc
圧縮比9.5
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力125PS/6000rpm
最大トルク16.0kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、SR18型エンジンはボア(内径)82.5mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてSR18型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1995/07から発売された初代ファミリアワゴン [BWHNY10型|1996/06]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
SR18のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷107.2PS → 125PS
トルクの変遷16.0kgm → 14.9kgm
リッター馬力68.0PS/L
リッタートルク8.7kgm/L

今回の参考車両であるファミリアワゴンの直列4気筒1838cc、圧縮比9.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力125馬力を、6000回転のとき最大トルク16.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は107.2PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは14.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は68.0PS/L、トルクは8.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積459.7cc)あたりの馬力は31.2PS、トルクは4.0kgmです。

SR18型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.586.01838cc9.51.04
ボアアップによる排気量拡大
83.086.01861cc9.61.04
83.51884cc9.71.03
84.01906cc9.81.02
84.51929cc9.91.02
85.01952cc10.01.01
85.51975cc10.11.01
ストロークアップによる排気量拡大
82.587.01860cc9.61.05
88.01882cc9.71.07
89.01903cc9.81.08
90.01924cc9.91.09
91.01946cc10.01.10

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.5mmから0.5mm刻みで85.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。SR18型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.01に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

SR18型エンジンのピストン径82.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが25件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
PE型
83.5mm
[+1.0mm]
1884cc
[+46cc]
三菱
6G73型
83.5mm
[+1.0mm]
1884cc
[+46cc]
日産
MR20型
84.0mm
[+1.5mm]
1906cc
[+68cc]
スバル
FB20型
84.0mm
[+1.5mm]
1906cc
[+68cc]
マツダ
J20A型
84.0mm
[+1.5mm]
1906cc
[+68cc]
ホンダ
B20B型
84.0mm
[+1.5mm]
1906cc
[+68cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:BYEFP型ロードスターRFに搭載されるPE型1997ccの83.5mm、三菱:F41A型ディアマンテに搭載される6G73型2497ccの83.5mm、日産:CC25型ランディに搭載されるMR20型1997ccの84.0mm、スバル:GT7型XVに搭載されるFB20型1995ccの84.0mm、マツダ:TF52W型プロシード レバンテに搭載されるJ20A型1995ccの84.0mm、ホンダ:RD1型CR-Vに搭載されるB20B型1972ccの84.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6000rpm
86.0mm13.8m/s17.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.2m/sとなり、これは1秒間に17.2メートル(時速にすると61.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では13.8m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.6m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのSR18型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


SR18型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりSR18型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
BWHNY1
1996/06
ファミリアワゴン
XG-Touring
[E-BWHNY10]
125PS
16.0kgm
10.6km/L
9.68kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
ワゴン
5人乗り

ファミリアワゴン
[XG-Touring]
1996/06モデル
車両型式E-BWHNY10
最高出力125PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費10.6km/L
パワーウェイト9.68kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
マツダ
BWHY10
1996/06
ファミリアワゴン
XG-Touring
[E-BWHY10]
125PS
16.0kgm
11.6km/L
8.88kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ワゴン
5人乗り

ファミリアワゴン
[XG-Touring]
1996/06モデル
車両型式E-BWHY10
最高出力125PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費11.6km/L
パワーウェイト8.88kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
SR18型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全28車種

その他のSR18型エンジン型式と代表的な車種

SR18DE型
全26車種
日産:パルサー セリエ [GTi]
最高出力140PS/最大トルク17.0kgm
1996/08モデル
日産
SR18DE型
全26車種
パルサー セリエ
[GTi]
140PS/17.0kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】