マツダ:PY-VPTS型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2488cc]

ここではマツダのKF5P型・CX-5 [25T L-package|2018/11モデル] に搭載されているPY-VPTS型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

PY-VPTS型のターボエンジン諸元


KF5P型 CX-5
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式5BA-KF5P型
車名&グレードCX-5
25T L-package
エンジン型式PY-VPTS
種類直列4気筒
排気量2488cc
内径×行程89.0mm×100.0mm
ボアストローク比1.12
単気筒容積622.1cc
圧縮比10.5
吸気方式ターボ
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力230PS/4250rpm
最大トルク42.8kgm/2000rpm

まず基本的な成り立ちとして、PY型エンジンはボア(内径)89.0mm、ストローク(行程)100.0mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、PY-VPTS型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2017/02から発売された2代目CX-5 [KF5P型|2018/11]、最も新しい車種は2012/11から発売された3代目MAZDA6 セダン [GJ5FP型|2019/07]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は5車種の全5車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
PYのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷119.5PS → 230PS
トルクの変遷42.8kgm → 38.8kgm
リッター馬力92.4PS/L
リッタートルク17.2kgm/L

今回の参考車両であるCX-5の直列4気筒2488cc、圧縮比10.5でレギュラーガソリン仕様のターボエンジンは、4250回転のとき最高出力230馬力を、4250回転のとき最大トルク42.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は119.5PS、最高出力が発生する4250回転でのトルクは38.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は92.4PS/L、トルクは17.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積622.1cc)あたりの馬力は57.5PS、トルクは10.7kgmです。

PY型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 7 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.0100.02488cc10.51.12
ボアアップによる排気量拡大
89.5100.02516cc10.61.12
90.02545cc10.71.11
90.52573cc10.81.10
91.02601cc10.91.10
91.52630cc11.01.09
92.02659cc11.21.09
ストロークアップによる排気量拡大
89.0101.02513cc10.61.13
102.02538cc10.71.15
103.02563cc10.81.16
104.02588cc10.91.17
105.02613cc11.01.18

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.0mmから0.5mm刻みで92.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の100.0mmから1mm刻みで105.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。PY型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

PY型エンジンのピストン径89.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが10件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
3UZ型
91.0mm
[+2.0mm]
2601cc
[+113cc]
ホンダ
JNC型
91.0mm
[+2.0mm]
2601cc
[+113cc]
三菱
6G72型
91.1mm
[+2.1mm]
2607cc
[+119cc]
三菱
4D56型
91.1mm
[+2.1mm]
2607cc
[+119cc]
三菱
G54B型
91.1mm
[+2.1mm]
2607cc
[+119cc]
スバル
EJ20型
92.0mm
[+3.0mm]
2659cc
[+171cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:UCF30型セルシオに搭載される3UZ型4292ccの91.0mm、ホンダ:NC1型NSXに搭載されるJNC型3492ccの91.0mm、三菱:D53A型エクリプス スパイダーに搭載される6G72型2972ccの91.1mm、三菱:P15W型デリカ スターワゴンに搭載される4D56型2476ccの91.1mm、三菱:A187A型スタリオンに搭載されるG54B型2555ccの91.1mm、スバル:VAB型WRX STIに搭載されるEJ20型1994ccの92.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2000rpm
最高出力
4250rpm
100.0mm6.7m/s14.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.7m/s24km/h
4000rpm13.3m/s48km/h
6000rpm20.0m/s72km/h
8000rpm26.7m/s96km/h
10000rpm33.3m/s120km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが100.0mmのエンジンが最高出力を発生する4250回転での平均ピストンスピードは14.2m/sとなり、これは1秒間に14.2メートル(時速にすると51.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では6.7m/s、最高出力が発生する4250回転より500回転高い4750回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.8m/sとなっています。

参考までにストロークが100.0mmのPY型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6000回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


PY-VPTS型エンジンを搭載する車種の例

全5車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりPY型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
KF5P
2018/11
CX-5
25T L-package
[5BA-KF5P]
230PS
42.8kgm
12.6km/L
7.04kg/PS
ターボ
FF/6AT
SUV
5人乗り

CX-5
[25T L-package]
2018/11モデル
車両型式5BA-KF5P
最高出力230PS
最大トルク42.8kgm
WLTCモード燃費12.6km/L
パワーウェイト7.04kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
マツダ
KF5P
2018/11
CX-5
25T L-package
[5BA-KF5P]
230PS
42.8kgm
12.2km/L
7.30kg/PS
ターボ
4WD/6AT
SUV
5人乗り

CX-5
[25T L-package]
2018/11モデル
車両型式5BA-KF5P
最高出力230PS
最大トルク42.8kgm
WLTCモード燃費12.2km/L
パワーウェイト7.30kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
マツダ
GJ5FP
2019/07
MAZDA6 セダン
25T S-pack
[5BA-GJ5FP]
230PS
42.8kgm
12.4km/L
6.83kg/PS
ターボ
FF/6AT
セダン
5人乗り

MAZDA6 セダン
[25T S-pack]
2019/07モデル
車両型式5BA-GJ5FP
最高出力230PS
最大トルク42.8kgm
WLTCモード燃費12.4km/L
パワーウェイト6.83kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
PY型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全16車種

その他のPY型エンジン型式と代表的な車種

PY-RPR型
全4車種
マツダ:アテンザ ワゴン [25S L-pack]
最高出力190PS/最大トルク25.7kgm
2018/06モデル
マツダ
PY-RPR型
全4車種
アテンザ ワゴン
[25S L-pack]
190PS/25.7kgm
PY-VPS型
全3車種
マツダ:CX-5 [25S L-package]
最高出力190PS/最大トルク25.6kgm
2017/02モデル
マツダ
PY-VPS型
全3車種
CX-5
[25S L-package]
190PS/25.6kgm
PY-VPR型
全2車種
マツダ:アテンザ セダン [25S L-pack Sky-G]
最高出力188PS/最大トルク25.5kgm
2012/11モデル
マツダ
PY-VPR型
全2車種
アテンザ セダン
[25S L-pack Sky-G]
188PS/25.5kgm
PY-RPS型
全2車種
マツダ:CX-5 [25S]
最高出力188PS/最大トルク25.5kgm
2018/03モデル
マツダ
PY-RPS型
全2車種
CX-5
[25S]
188PS/25.5kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】