マツダ:PY-RPS型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2488cc]

ここではマツダのKF5P型・CX-5 [25S L-Pack|2018/03モデル] に搭載されているPY-RPS型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

PY-RPS型の自然吸気エンジン諸元


KF5P型 CX-5
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式6BA-KF5P型
車名&グレードCX-5
25S L-Pack
エンジン型式PY-RPS
種類直列4気筒
排気量2488cc
内径×行程89.0mm×100.0mm
ボアストローク比1.12
単気筒容積622.1cc
圧縮比13.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力190PS/6000rpm
最大トルク25.7kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、PY型エンジンはボア(内径)89.0mm、ストローク(行程)100.0mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてPY-RPS型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、2017/02から発売された2代目CX-5 [KF5P型|2018/03]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
PYのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷143.5PS → 190PS
トルクの変遷25.7kgm → 22.7kgm
リッター馬力76.4PS/L
リッタートルク10.3kgm/L

今回の参考車両であるCX-5の直列4気筒2488cc、圧縮比13.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力190馬力を、6000回転のとき最大トルク25.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は143.5PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは22.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は76.4PS/L、トルクは10.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積622.1cc)あたりの馬力は47.5PS、トルクは6.4kgmです。

PY型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 8 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、PY-RPS型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはKF5P型CX-5の190PS/25.7kgm、最も小さかったのはKF5P型CX-5の188PS/25.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.0100.02488cc13.01.12
ボアアップによる排気量拡大
89.5100.02516cc13.11.12
90.02545cc13.31.11
90.52573cc13.41.10
91.02601cc13.51.10
91.52630cc13.71.09
92.02659cc13.81.09
ストロークアップによる排気量拡大
89.0101.02513cc13.11.13
102.02538cc13.31.15
103.02563cc13.41.16
104.02588cc13.51.17
105.02613cc13.61.18

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.0mmから0.5mm刻みで92.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の100.0mmから1mm刻みで105.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。PY型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

PY型エンジンのピストン径89.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが21件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
2AR型
90.0mm
[+1.0mm]
2545cc
[+57cc]
マツダ
JE型
90.0mm
[+1.0mm]
2545cc
[+57cc]
ホンダ
C30A型
90.0mm
[+1.0mm]
2545cc
[+57cc]
ホンダ
C32A型
90.0mm
[+1.0mm]
2545cc
[+57cc]
ホンダ
J37A型
90.0mm
[+1.0mm]
2545cc
[+57cc]
トヨタ
T2型
90.0mm
[+1.0mm]
2545cc
[+57cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:AGH30W型クラウン ハイブリッドに搭載される2AR型2493ccの90.0mm、マツダ:HEEA型ルーチェに搭載されるJE型2954ccの90.0mm、ホンダ:NA1型NSXに搭載されるC30A型2977ccの90.0mm、ホンダ:KA8型レジェンド クーペに搭載されるC32A型3206ccの90.0mm、ホンダ:KB2型レジェンドに搭載されるJ37A型3664ccの90.0mm、トヨタ:TJG00型キャバリエに搭載されるT2型2392ccの90.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
100.0mm13.3m/s20.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.7m/s24km/h
4000rpm13.3m/s48km/h
6000rpm20.0m/s72km/h
8000rpm26.7m/s96km/h
10000rpm33.3m/s120km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが100.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは20.0m/sとなり、これは1秒間に20.0メートル(時速にすると72.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では13.3m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.7m/sとなっています。

参考までにストロークが100.0mmのPY型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6000回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


PY-RPS型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりPY型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
KF5P
2018/03
CX-5
25S L-Pack
[6BA-KF5P]
190PS
25.7kgm
13.8km/L
8.21kg/PS
自然吸気
FF/6AT
SUV
5人乗り

CX-5
[25S L-Pack]
2018/03モデル
車両型式6BA-KF5P
最高出力190PS
最大トルク25.7kgm
WLTCモード燃費13.8km/L
JC08モード燃費14.8km/L
パワーウェイト8.21kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
マツダ
KF5P
2018/03
CX-5
25S
[6BA-KF5P]
188PS
25.5kgm
13.0km/L
8.56kg/PS
自然吸気
4WD/6AT
SUV
5人乗り

CX-5
[25S]
2018/03モデル
車両型式6BA-KF5P
最高出力188PS
最大トルク25.5kgm
WLTCモード燃費13.0km/L
JC08モード燃費14.2km/L
パワーウェイト8.56kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
PY型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全16車種

その他のPY型エンジン型式と代表的な車種

PY-VPTS型
全5車種
マツダ:CX-5 [25T L-package]
最高出力230PS/最大トルク42.8kgm
2018/11モデル
マツダ
PY-VPTS型
全5車種
CX-5
[25T L-package]
230PS/42.8kgm
PY-RPR型
全4車種
マツダ:アテンザ ワゴン [25S L-pack]
最高出力190PS/最大トルク25.7kgm
2018/06モデル
マツダ
PY-RPR型
全4車種
アテンザ ワゴン
[25S L-pack]
190PS/25.7kgm
PY-VPS型
全3車種
マツダ:CX-8 [25S]
最高出力190PS/最大トルク25.7kgm
2018/11モデル
マツダ
PY-VPS型
全3車種
CX-8
[25S]
190PS/25.7kgm
PY-VPR型
全2車種
マツダ:アテンザ セダン [25S L-pack Sky-G]
最高出力188PS/最大トルク25.5kgm
2012/11モデル
マツダ
PY-VPR型
全2車種
アテンザ セダン
[25S L-pack Sky-G]
188PS/25.5kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】