マツダ:PE-VPH型エンジンの諸元と性能まとめ [直4+モーター 1997cc]

ここではマツダのDREJ3P型・MX-30 [BaseGrade|2020/10モデル] に搭載されているPE-VPH型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

PE-VPH型の自然吸気エンジン諸元


DREJ3P型 MX-30
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式5AA-DREJ3P型
車名&グレードMX-30
BaseGrade
エンジン型式PE-VPH
種類直4+モーター
排気量1997cc
内径×行程83.5mm×91.2mm
ボアストローク比1.09
単気筒容積499.4cc
圧縮比13.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力156PS/6000rpm
最大トルク20.3kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、PE型エンジンはボア(内径)83.5mm、ストローク(行程)91.2mm、ボアストローク比1.09のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、PE-VPH型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2013/10から発売された3代目アクセラ ハイブリッド [BYEFP型|2013/11]、最も新しい車種は2020/10から発売された初代MX-30 [DREJ3P型|2020/10]となっており、NA車は3車種、ターボ/SC車は0車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
PEのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷113.4PS → 156PS
トルクの変遷20.3kgm → 18.6kgm
リッター馬力78.10PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両であるMX-30の直4+モーター1997cc、圧縮比13.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力156馬力を、6000回転のとき最大トルク20.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は113.4PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは18.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は78.10PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.4cc)あたりの馬力は39.0PS、トルクは5.1kgmです。

PE型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 7 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、PE-VPH型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはDREJ3P型MX-30の156PS/20.3kgm、最も小さかったのはBYEFP型アクセラ ハイブリッドの99PS/14.5kgmとなっています。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.591.21997cc13.01.09
ボアアップによる排気量拡大
84.091.22022cc13.11.09
84.52046cc13.31.08
85.02070cc13.41.07
85.52094cc13.61.07
86.02119cc13.71.06
86.52144cc13.91.05
ストロークアップによる排気量拡大
83.592.22019cc13.11.10
93.22041cc13.31.12
94.22063cc13.41.13
95.22085cc13.51.14
96.22107cc13.71.15

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.5mmから0.5mm刻みで86.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の91.2mmから1mm刻みで96.2mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。PE型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.09から1.05に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

PE型エンジンのピストン径83.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが46件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
KL型
84.5mm
[+1.0mm]
2046cc
[+49cc]
日産
CD20型
84.5mm
[+1.0mm]
2046cc
[+49cc]
マツダ
YF型
84.8mm
[+1.3mm]
2060cc
[+63cc]
三菱
4G63型
85.0mm
[+1.5mm]
2070cc
[+73cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+1.5mm]
2070cc
[+73cc]
スバル
EJ15型
85.0mm
[+1.5mm]
2070cc
[+73cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:GE5B型MX-6に搭載されるKL型2496ccの84.5mm、日産:SNN15型ファミリアワゴンに搭載されるCD20型1973ccの84.5mm、マツダ:EPEW型トリビュートに搭載されるYF型1988ccの84.8mm、三菱:E33A型ギャランに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:M35型プラウディアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、スバル:GG2型インプレッサ スポーツワゴンに搭載されるEJ15型1493ccの85.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
91.2mm12.2m/s18.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.1m/s22km/h
4000rpm12.2m/s44km/h
6000rpm18.2m/s66km/h
8000rpm24.3m/s87km/h
10000rpm30.4m/s109km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが91.2mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは18.2m/sとなり、これは1秒間に18.2メートル(時速にすると65.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では12.2m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.8m/sとなっています。

参考までにストロークが91.2mmのPE型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.07m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6580回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


PE-VPH型エンジンを搭載する車種の例

全3車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりPE型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
DREJ3P
2020/10
MX-30
BaseGrade
[5AA-DREJ3P]
156PS
20.3kgm
15.6km/L
9.359kg/PS
自然吸気
FF/6AT
SUV
5人乗り
車両型式:5AA-DREJ3P

MX-30
[BaseGrade]
2020/10モデル
最高出力156PS
最大トルク20.3kgm
WLTCモード燃費15.6km/L
JC08モード燃費16.9km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りSUV
FF/6AT
マツダ
DREJ3P
2020/10
MX-30
BaseGrade
[5AA-DREJ3P]
156PS
20.3kgm
15.1km/L
9.744kg/PS
自然吸気
4WD/6AT
SUV
5人乗り
車両型式:5AA-DREJ3P

MX-30
[BaseGrade]
2020/10モデル
最高出力156PS
最大トルク20.3kgm
WLTCモード燃費15.1km/L
JC08モード燃費16.1km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りSUV
4WD/6AT
マツダ
BYEFP
2013/11
アクセラ ハイブリッド
Hybrid-S
[DAA-BYEFP]
99PS
14.5kgm
30.8km/L
14.040kg/PS
自然吸気
FF/CVT
セダン
5人乗り
車両型式:DAA-BYEFP

アクセラ ハイブリッド
[Hybrid-S]
2013/11モデル
最高出力99PS
最大トルク14.5kgm
WLTCモード燃費15.1km/L
JC08モード燃費30.8km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りセダン
FF/CVT
PE型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全33車種

その他のPE型エンジン型式と代表的な車種

PE-VPS型
全18車種
マツダ:CX-30 [20S]
最高出力156PS/最大トルク20.3kgm
2019/10モデル
マツダ
PE-VPS型
全18車種
CX-30
[20S]
156PS/20.3kgm
PE-VPR型
全8車種
マツダ:MAZDA6 セダン [20S]
最高出力156PS/最大トルク20.3kgm
2019/07モデル
マツダ
PE-VPR型
全8車種
MAZDA6 セダン
[20S]
156PS/20.3kgm
PE-VPR[RS]型
全4車種
マツダ:ロードスターRF [S]
最高出力184PS/最大トルク20.9kgm
2018/07モデル
マツダ
PE-VPR[RS]型
全4車種
ロードスターRF
[S]
184PS/20.9kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】