マツダ:P5-VPS型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1496cc]

ここではマツダのDJLFS型・デミオ [15MB|2015/10モデル] に搭載されているP5-VPS型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

P5-VPS型の自然吸気エンジン諸元


DJLFS型 デミオ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式CBA-DJLFS型
車名&グレードデミオ
15MB
エンジン型式P5-VPS
種類直列4気筒
排気量1496cc
内径×行程74.5mm×85.8mm
ボアストローク比1.15
単気筒容積374.0cc
圧縮比14.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力116PS/6000rpm
最大トルク15.1kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、P5型エンジンはボア(内径)74.5mm、ストローク(行程)85.8mm、ボアストローク比1.15のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、P5-VPS型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2013/11から発売された3代目アクセラ スポーツ [BM5FS型|2013/11]、最も新しい車種は2019/09から発売された4代目MAZDA2 [DJLFS型|2019/09]となっており、NA車は17車種、ターボ/SC車は0車種の全17車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
P5のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷84.3PS → 116PS
トルクの変遷15.1kgm → 13.8kgm
リッター馬力77.5PS/L
リッタートルク10.1kgm/L

今回の参考車両であるデミオの直列4気筒1496cc、圧縮比14.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力116馬力を、6000回転のとき最大トルク15.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は84.3PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは13.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は77.5PS/L、トルクは10.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.0cc)あたりの馬力は29.0PS、トルクは3.8kgmです。

P5型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 7 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、P5-VPS型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはDJLFS型デミオの116PS/15.1kgm、最も小さかったのはDJLFS型デミオの110PS/14.4kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.585.81496cc14.01.15
ボアアップによる排気量拡大
75.085.81516cc14.21.14
75.51536cc14.31.14
76.01557cc14.51.13
76.51577cc14.71.12
77.01598cc14.91.11
77.51619cc15.11.11
ストロークアップによる排気量拡大
74.586.81513cc14.11.17
87.81531cc14.31.18
88.81548cc14.41.19
89.81566cc14.61.21
90.81583cc14.81.22

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.5mmから0.5mm刻みで77.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の85.8mmから1mm刻みで90.8mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。P5型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.15から1.11に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

P5型エンジンのピストン径74.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
Z5型
75.3mm
[+0.8mm]
1528cc
[+32cc]
三菱
4G15型
75.5mm
[+1.0mm]
1536cc
[+40cc]
三菱
4G19型
75.5mm
[+1.0mm]
1536cc
[+40cc]
ダイハツ
HD型
76.0mm
[+1.5mm]
1557cc
[+61cc]
ダイハツ
HE型
76.0mm
[+1.5mm]
1557cc
[+61cc]
トヨタ
HC型
76.0mm
[+1.5mm]
1557cc
[+61cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:BHALS型ファミリア ネオに搭載されるZ5型1489ccの75.3mm、三菱:Z27AG型コルトに搭載される4G15型1468ccの75.5mm、三菱:Z25A型コルトに搭載される4G19型1343ccの75.5mm、ダイハツ:G311G型パイザーに搭載されるHD型1589ccの76.0mm、ダイハツ:G213S型シャレード ソシアルに搭載されるHE型1498ccの76.0mm、トヨタ:J100G型テリオスに搭載されるHC型1295ccの76.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
85.8mm11.4m/s17.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.4m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.6m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが85.8mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.2m/sとなり、これは1秒間に17.2メートル(時速にすると61.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では11.4m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.6m/sとなっています。

参考までにストロークが85.8mmのP5型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.73m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6990回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


P5-VPS型エンジンを搭載する車種の例

全17車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりP5型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
DJLFS
2015/10
デミオ
15MB
[CBA-DJLFS]
116PS
15.1kgm
19.2km/L
8.62kg/PS
自然吸気
FF/6MT
ハッチバック
5人乗り

デミオ
[15MB]
2015/10モデル
車両型式CBA-DJLFS
最高出力116PS
最大トルク15.1kgm
JC08モード燃費19.2km/L
パワーウェイト8.62kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
マツダ
DJLFS
MAZDA2
15MB
116PS
15.2kgm
20.2km/L
8.88kg/PS
自然吸気
FF/6MT
ハッチバック
5人乗り

MAZDA2
[15MB]
2019/09モデル
車両型式3BA-DJLFS
最高出力116PS
最大トルク15.2kgm
WLTCモード燃費20.2km/L
JC08モード燃費19.2km/L
パワーウェイト8.88kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
マツダ
BM5FS
2013/11
アクセラ スポーツ
15S
[DBA-BM5FS]
111PS
14.7kgm
19.2km/L
11.17kg/PS
自然吸気
FF/6MT
ハッチバック
5人乗り

アクセラ スポーツ
[15S]
2013/11モデル
車両型式DBA-BM5FS
最高出力111PS
最大トルク14.7kgm
WLTCモード燃費20.2km/L
JC08モード燃費19.2km/L
パワーウェイト11.17kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
P5型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全28車種

その他のP5型エンジン型式と代表的な車種

P5-VPR型
全4車種
マツダ:ロードスター [S Special-pack]
最高出力132PS/最大トルク15.5kgm
2018/07モデル
マツダ
P5-VPR型
全4車種
ロードスター
[S Special-pack]
132PS/15.5kgm
P5-VP型
全3車種
マツダ:ロードスター [S|990kg]
最高出力132PS/最大トルク15.5kgm
2018/07モデル
マツダ
P5-VP型
全3車種
ロードスター
[S|990kg]
132PS/15.5kgm
P5-VP型
全1車種
光岡:ヒミコ [S]
最高出力131PS/最大トルク15.3kgm
2018/02モデル
光岡
P5-VP型
全1車種
ヒミコ
[S]
131PS/15.3kgm
P5-VPR型
全1車種
光岡:ヒミコ [S Special-pack]
最高出力131PS/最大トルク15.3kgm
2018/02モデル
光岡
P5-VPR型
全1車種
ヒミコ
[S Special-pack]
131PS/15.3kgm
P5-VP[RS]型
全1車種
光岡:ロックスター [S]
最高出力132PS/最大トルク15.5kgm
2018/12モデル
光岡
P5-VP[RS]型
全1車種
ロックスター
[S]
132PS/15.5kgm
P5-VPR[RS]型
全1車種
光岡:ロックスター [S Special-package]
最高出力132PS/最大トルク15.5kgm
2018/12モデル
光岡
P5-VPR[RS]型
全1車種
ロックスター
[S Special-package]
132PS/15.5kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】