マツダ:L8型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1798cc]

ここではマツダのSLP2V型・ボンゴ バン [DX 標準ルーフ|2019/10モデル] に搭載されているL8型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

L8型の自然吸気エンジン諸元


SLP2V型 ボンゴ バン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBF-SLP2V型
車名&グレードボンゴ バン
DX 標準ルーフ
エンジン型式L8
種類直列4気筒
排気量1798cc
内径×行程83.0mm×83.1mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積449.6cc
圧縮比9.4
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力102PS/5300rpm
最大トルク15.0kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、L8型エンジンはボア(内径)83.0mm、ストローク(行程)83.1mm、ボアストローク比1.00のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにてL8型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1999/06から発売された4代目ボンゴ バン [SLP2V型|2019/10]となっており、NA車は10車種、ターボ/SC車は0車種の全10車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
L8のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷83.8PS → 102PS
トルクの変遷15.0kgm → 13.8kgm
リッター馬力56.73PS/L
リッタートルク8.3kgm/L

今回の参考車両であるボンゴ バンの直列4気筒1798cc、圧縮比9.4でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5300回転のとき最高出力102馬力を、5300回転のとき最大トルク15.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は83.8PS、最高出力が発生する5300回転でのトルクは13.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は56.73PS/L、トルクは8.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積449.6cc)あたりの馬力は25.5PS、トルクは3.8kgmです。

L8型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 3 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.083.11798cc9.41.00
ボアアップによる排気量拡大
83.583.11820cc9.51.00
84.01842cc9.60.99
84.51864cc9.70.98
85.01886cc9.80.98
85.51908cc9.90.97
86.01931cc10.00.97
ストロークアップによる排気量拡大
83.084.11820cc9.51.01
85.11842cc9.61.03
86.11863cc9.71.04
87.11885cc9.81.05
88.11907cc9.91.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.0mmから0.5mm刻みで86.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の83.1mmから1mm刻みで88.1mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。L8型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

L8型エンジンのピストン径83.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが55件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
MR20型
84.0mm
[+1.0mm]
1842cc
[+44cc]
スバル
FB20型
84.0mm
[+1.0mm]
1842cc
[+44cc]
マツダ
J20A型
84.0mm
[+1.0mm]
1842cc
[+44cc]
ホンダ
B20B型
84.0mm
[+1.0mm]
1842cc
[+44cc]
日産
MR18型
84.0mm
[+1.0mm]
1842cc
[+44cc]
スズキ
J18A型
84.0mm
[+1.0mm]
1842cc
[+44cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:CC25型ランディ ハイブリッドに搭載されるMR20型1997ccの84.0mm、スバル:GT7型XVに搭載されるFB20型1995ccの84.0mm、マツダ:TF52W型プロシード レバンテに搭載されるJ20A型1995ccの84.0mm、ホンダ:RD1型CR-Vに搭載されるB20B型1972ccの84.0mm、日産:JC11型ティーダに搭載されるMR18型1797ccの84.0mm、スズキ:GC41W型カルタス クレセントワゴンに搭載されるJ18A型1839ccの84.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
5300rpm
83.1mm11.1m/s14.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm11.1m/s40km/h
6000rpm16.6m/s60km/h
8000rpm22.2m/s80km/h
10000rpm27.7m/s100km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが83.1mmのエンジンが最高出力を発生する5300回転での平均ピストンスピードは14.7m/sとなり、これは1秒間に14.7メートル(時速にすると52.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では11.1m/s、最高出力が発生する5300回転より500回転高い5800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.1m/sとなっています。

参考までにストロークが83.1mmのL8型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7220回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


L8型エンジンを搭載する車種の例

全10車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
SLP2V
2019/10
ボンゴ バン
DX 標準ルーフ
[DBF-SLP2V]
102PS
15.0kgm
11.4km/L
13.529kg/PS
自然吸気
FR/5MT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2V

ボンゴ バン
[DX 標準ルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費11.4km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
FR/5MT
マツダ
SLP2V
2019/10
ボンゴ バン
DX ハイルーフ
[DBF-SLP2V]
102PS
15.0kgm
10.8km/L
13.824kg/PS
自然吸気
FR/5AT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2V

ボンゴ バン
[DX ハイルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費10.8km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
FR/5AT
マツダ
SLP2M
2019/10
ボンゴ バン
DX 標準ルーフ
[DBF-SLP2M]
102PS
15.0kgm
10.2km/L
14.804kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2M

ボンゴ バン
[DX 標準ルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費10.2km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
4WD/5AT
マツダ
SLP2V
2019/10
ボンゴ バン
DX 標準ルーフ
[DBF-SLP2V]
102PS
15.0kgm
10.8km/L
13.725kg/PS
自然吸気
FR/5AT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2V

ボンゴ バン
[DX 標準ルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費10.8km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
FR/5AT
マツダ
SLP2M
2019/10
ボンゴ バン
DX 標準ルーフ
[DBF-SLP2M]
102PS
15.0kgm
10.8km/L
14.608kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2M

ボンゴ バン
[DX 標準ルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費10.8km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
4WD/5MT
マツダ
SLP2M
2019/10
ボンゴ バン
DX ハイルーフ
[DBF-SLP2M]
102PS
15.0kgm
10.2km/L
14.902kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2M

ボンゴ バン
[DX ハイルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費10.2km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
4WD/5AT
マツダ
SLP2V
2019/10
ボンゴ バン
DX ハイルーフ
[DBF-SLP2V]
102PS
15.0kgm
11.4km/L
13.627kg/PS
自然吸気
FR/5MT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2V

ボンゴ バン
[DX ハイルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費11.4km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
FR/5MT
マツダ
SLP2M
2019/10
ボンゴ バン
DX ハイルーフ
[DBF-SLP2M]
102PS
15.0kgm
10.8km/L
14.608kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
キャブバン
5人乗り
車両型式:DBF-SLP2M

ボンゴ バン
[DX ハイルーフ]
2019/10モデル
最高出力102PS
最大トルク15.0kgm
JC08モード燃費10.8km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りキャブバン
4WD/5MT

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】