マツダ:J5-D型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2494cc]

ここではマツダのSG5W型・ボンゴ フレンディ [RF-S AFT|2001/09モデル] に搭載されているJ5-D型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

J5-D型の自然吸気エンジン諸元


SG5W型 ボンゴ フレンディ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-SG5W型
車名&グレードボンゴ フレンディ
RF-S AFT
エンジン型式J5-D
種類V型6気筒
排気量2494cc
内径×行程82.7mm×77.4mm
ボアストローク比0.94
単気筒容積415.7cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力160PS/6000rpm
最大トルク21.5kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、J5型エンジンはボア(内径)82.7mm、ストローク(行程)77.4mm、ボアストローク比0.94のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
J5のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷105.0PS → 160PS
トルクの変遷21.5kgm → 19.1kgm
リッター馬力64.2PS/L
リッタートルク8.6kgm/L

今回の参考車両であるボンゴ フレンディのV型6気筒2494ccでレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力160馬力を、6000回転のとき最大トルク21.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は105.0PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは19.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は64.2PS/L、トルクは8.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積415.7cc)あたりの馬力は26.7PS、トルクは3.6kgmです。

J5型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 3 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.777.42494cc-0.94
ボアアップによる排気量拡大
83.277.42525cc-0.93
83.72555cc-0.92
84.22586cc-0.92
84.72617cc-0.91
85.22648cc-0.91
85.72679cc-0.90
ストロークアップによる排気量拡大
82.778.42527cc-0.95
79.42559cc-0.96
80.42591cc-0.97
81.42623cc-0.98
82.42656cc-1.00

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.7mmから0.5mm刻みで85.7mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.4mmから1mm刻みで82.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.94からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。J5型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.94から0.90に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

J5型エンジンのピストン径82.7mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが25件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
PE型
83.5mm
[+0.8mm]
2543cc
[+49cc]
三菱
6G73型
83.5mm
[+0.8mm]
2543cc
[+49cc]
日産
MR20型
84.0mm
[+1.3mm]
2574cc
[+80cc]
スバル
FB20型
84.0mm
[+1.3mm]
2574cc
[+80cc]
マツダ
J20A型
84.0mm
[+1.3mm]
2574cc
[+80cc]
ホンダ
B20B型
84.0mm
[+1.3mm]
2574cc
[+80cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:BYEFP型ロードスターRFに搭載されるPE型1997ccの83.5mm、三菱:F41A型ディアマンテに搭載される6G73型2497ccの83.5mm、日産:CC25型ランディに搭載されるMR20型1997ccの84.0mm、スバル:GT7型XVに搭載されるFB20型1995ccの84.0mm、マツダ:TF52W型プロシード レバンテに搭載されるJ20A型1995ccの84.0mm、ホンダ:RD1型CR-Vに搭載されるB20B型1972ccの84.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6000rpm
77.4mm9.0m/s15.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.5m/s56km/h
8000rpm20.6m/s74km/h
10000rpm25.8m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.4mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.5m/sとなり、これは1秒間に15.5メートル(時速にすると55.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では9.0m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.8m/sとなっています。

参考までにストロークが77.4mmのJ5型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7750回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


J5-D型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
SG5W
2001/09
ボンゴ フレンディ
RF-S AFT
[GF-SG5W]
160PS
21.5kgm
7.9km/L
11.25kg/PS
自然吸気
FR/4AT
ミニバン
8人乗り

ボンゴ フレンディ
[RF-S AFT]
2001/09モデル
車両型式GF-SG5W
最高出力160PS
最大トルク21.5kgm
10-15モード燃費7.9km/L
パワーウェイト11.25kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/4AT
車体形状&乗車定員ミニバン/8人乗り

その他のJ5型エンジン型式と代表的な車種

J5-DE型
全3車種
マツダ:アンフィニMS-9 [25 type-SE]
最高出力160PS/最大トルク21.5kgm
1993/06モデル
マツダ
J5-DE型
全3車種
アンフィニMS-9
[25 type-SE]
160PS/21.5kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】