マツダ:F6A型ターボエンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 657cc]

ここではマツダのCZ21S型・AZワゴン [ZV-Turbo|1997/05モデル] に搭載されているF6A型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

F6A型のターボエンジン諸元


CZ21S型 AZワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-CZ21S型
車名&グレードAZワゴン
ZV-Turbo
エンジン型式F6A
種類直列3気筒
排気量657cc
内径×行程65.0mm×66.0mm
ボアストローク比1.01
単気筒容積219.0cc
圧縮比8.1
吸気方式ターボ
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力64PS/6000rpm
最大トルク10.0kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、F6A型エンジンはボア(内径)65.0mm、ストローク(行程)66.0mm、ボアストローク比1.01のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにて登録されている車種のうち、F6A型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、1992/10から発売された初代オートザムAZ-1 [PG6SA型|1992/10]、最も新しい車種は1999/03から発売された初代ラピュタ [HP12S型|2001/04]となっており、11車種のターボ/SC車が登録されています。

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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
F6Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷55.8PS → 64PS
トルクの変遷10.0kgm → 7.6kgm
リッター馬力97.4PS/L
リッタートルク15.2kgm/L

今回の参考車両であるAZワゴンの直列3気筒657cc、圧縮比8.1でレギュラーガソリン仕様のターボエンジンは、6000回転のとき最高出力64馬力を、6000回転のとき最大トルク10.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は55.8PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは7.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は97.4PS/L、トルクは15.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積219.0cc)あたりの馬力は21.3PS、トルクは3.3kgmです。

F6A型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、F6A型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはPG6SA型オートザムAZ-1の64PS/8.7kgm、最も小さかったのはHP12S型ラピュタの60PS/8.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
65.066.0657cc8.11.01
ボアアップによる排気量拡大
65.566.0667cc8.21.01
66.0677cc8.31.00
66.5688cc8.40.99
67.0698cc8.60.99
67.5709cc8.70.98
68.0719cc8.80.97
ストロークアップによる排気量拡大
65.067.0667cc8.21.03
68.0677cc8.31.05
69.0687cc8.41.06
70.0697cc8.51.08
71.0707cc8.71.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の65.0mmから0.5mm刻みで68.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の66.0mmから1mm刻みで71.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。F6A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.01から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

F6A型エンジンのピストン径65.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが6件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
E07Z型
66.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+20cc]
日産
MA09型
66.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+20cc]
日産
K6A型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
ダイハツ
EF型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
スズキ
K10A型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]
日産
MA10型
68.0mm
[+3.0mm]
719cc
[+62cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:PA1型Zに搭載されるE07Z型656ccの66.0mm、日産:EK10型マーチに搭載されるMA09型930ccの66.0mm、日産:HB21S型モコに搭載されるK6A型658ccの68.0mm、ダイハツ:J131G型リーザに搭載されるEF型659ccの68.0mm、スズキ:MA63S型ワゴンRプラスに搭載されるK10A型996ccの68.0mm、日産:FK10型フィガロに搭載されるMA10型987ccの68.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
66.0mm8.8m/s13.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.4m/s16km/h
4000rpm8.8m/s32km/h
6000rpm13.2m/s48km/h
8000rpm17.6m/s63km/h
10000rpm22.0m/s79km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが66.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは13.2m/sとなり、これは1秒間に13.2メートル(時速にすると47.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では8.8m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.3m/sとなっています。

参考までにストロークが66.0mmのF6A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)9090回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


F6A型ターボエンジンを搭載する車種の例

全11車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりF6A型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
PG6SA
1992/10
オートザムAZ-1
AZ-1
[E-PG6SA]
64PS
8.7kgm
18.4km/L
11.25kg/PS
ターボ
MR/5MT
軽クーペ
2人乗り

オートザムAZ-1
[AZ-1]
1992/10モデル
車両型式E-PG6SA
最高出力64PS
最大トルク8.7kgm
10-15モード燃費18.4km/L
パワーウェイト11.25kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機MR/5MT
車体形状&乗車定員軽クーペ/2人乗り
マツダ
CZ21S
1997/05
AZワゴン
ZV-Turbo
[E-CZ21S]
64PS
10.0kgm
15.4km/L
12.66kg/PS
ターボ
4WD/3AT
軽ミニバン
4人乗り

AZワゴン
[ZV-Turbo]
1997/05モデル
車両型式E-CZ21S
最高出力64PS
最大トルク10.0kgm
10-15モード燃費15.4km/L
パワーウェイト12.66kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/3AT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
マツダ
CZ21S
1997/05
AZワゴン
FT-Turbo
[E-CZ21S]
64PS
10.0kgm
18.6km/L
12.66kg/PS
ターボ
4WD/5MT
軽ミニバン
4人乗り

AZワゴン
[FT-Turbo]
1997/05モデル
車両型式E-CZ21S
最高出力64PS
最大トルク10.0kgm
10-15モード燃費18.6km/L
パワーウェイト12.66kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
F6A型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全79車種

その他のF6A型エンジン型式と代表的な車種

F6A型
全59車種
スズキ:エブリイワゴン [Joy-Pop Turbo]
最高出力64PS/最大トルク10.4kgm
2000/05モデル
スズキ
F6A型
全59車種
エブリイワゴン
[Joy-Pop Turbo]
64PS/10.4kgm
F6A型
全3車種
光岡:レイ [BaseGrade]
最高出力46PS/最大トルク5.8kgm
1999/09モデル
光岡
F6A型
全3車種
レイ
[BaseGrade]
46PS/5.8kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】