マツダ:CD20型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1973cc]

ここではマツダのBWEY10型・ファミリアワゴン [XE|1996/06モデル] に搭載されているCD20型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

CD20型の自然吸気エンジン諸元


BWEY10型 ファミリアワゴン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式KD-BWEY10型
車名&グレードファミリアワゴン
XE
エンジン型式CD20
種類直列4気筒
排気量1973cc
内径×行程84.5mm×88.0mm
ボアストローク比1.04
単気筒容積493.5cc
圧縮比22.2
吸気方式自然吸気
使用燃料ディーゼル
最高出力76PS/4800rpm
最大トルク13.5kgm/2800rpm

まず基本的な成り立ちとして、CD20型エンジンはボア(内径)84.5mm、ストローク(行程)88.0mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてCD20型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1995/07から発売された初代ファミリアワゴン [BWEY10型|1996/06]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
CD20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷52.8PS → 76PS
トルクの変遷13.5kgm → 11.3kgm
リッター馬力38.5PS/L
リッタートルク6.8kgm/L

今回の参考車両であるファミリアワゴンの直列4気筒1973cc、圧縮比22.2でディーゼル仕様の自然吸気エンジンは、4800回転のとき最高出力76馬力を、4800回転のとき最大トルク13.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2800回転での馬力は52.8PS、最高出力が発生する4800回転でのトルクは11.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は38.5PS/L、トルクは6.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積493.5cc)あたりの馬力は19.0PS、トルクは3.4kgmです。

CD20型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 1 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.5mm88.0mm1973cc22.21.04
ボアアップによる排気量拡大
85.0mm88.0mm1997cc22.41.04
85.5mm2021cc22.71.03
86.0mm2045cc22.91.02
86.5mm2068cc23.21.02
87.0mm2092cc23.41.01
87.5mm2117cc23.71.01
ストロークアップによる排気量拡大
84.5mm89.0mm1996cc22.41.05
90.0mm2019cc22.71.07
91.0mm2041cc22.91.08
92.0mm2064cc23.11.09
93.0mm2086cc23.41.10

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.5mmから0.5mm刻みで87.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の88.0mmから1mm刻みで93.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。CD20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.01に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

CD20型エンジンのピストン径84.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが75件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
SR16VE型
86.0mm
[+1.5mm]
2045cc
[+72cc]
トヨタ
1JZ-FSE型
86.0mm
[+1.5mm]
2045cc
[+72cc]
トヨタ
1JZ-GE型
86.0mm
[+1.5mm]
2045cc
[+72cc]
ホンダ
J25A型
86.0mm
[+1.5mm]
2045cc
[+72cc]
日産
RB25DE型
86.0mm
[+1.5mm]
2045cc
[+72cc]
日産
RB26DE型
86.0mm
[+1.5mm]
2045cc
[+72cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2800rpm
最高出力
4800rpm
88.0mm8.2m/s14.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.7m/s42km/h
6000rpm17.6m/s63km/h
8000rpm23.5m/s85km/h
10000rpm29.3m/s105km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.0mmのエンジンが最高出力を発生する4800回転での平均ピストンスピードは14.1m/sとなり、これは1秒間に14.1メートル(時速にすると50.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2800回転では8.2m/s、最高出力が発生する4800回転より500回転高い5300回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.5m/sとなっています。

参考までにストロークが88.0mmのCD20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6820回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


CD20型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりCD20型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
BWEY10
1996/06
ファミリアワゴン
XE
[KD-BWEY10]
76PS
13.5kgm
-
14.08kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ワゴン
5人乗り

ファミリアワゴン
[XE]
1996/06モデル
車両型式KD-BWEY10
最高出力76PS
最大トルク13.5kgm
パワーウェイト14.08kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
マツダ
BWEY10
1996/06
ファミリアワゴン
XE
[KD-BWEY10]
76PS
13.5kgm
-
14.34kg/PS
自然吸気
FF/4AT
ワゴン
5人乗り

ファミリアワゴン
[XE]
1996/06モデル
車両型式KD-BWEY10
最高出力76PS
最大トルク13.5kgm
パワーウェイト14.34kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員ワゴン/5人乗り
CD20型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全14車種

その他のCD20型エンジン型式と代表的な車種

CD20型
全8車種
日産:パルサー [CJ-I]
最高出力76PS/最大トルク13.5kgm|1997/09モデル
CD20型
全8車種
日産:パルサー
[CJ-I]
76PS/13.5kgm|1997/09
CD20ETi型
全2車種
日産:ラルゴ [SX-G]
最高出力105PS/最大トルク22.5kgm|1997/11モデル
CD20ETi型
全2車種
日産:ラルゴ
[SX-G]
105PS/22.5kgm|1997/11
CD20ET型
全1車種
日産:アベニール [Salut-J]
最高出力91PS/最大トルク19.5kgm|1998/08モデル
CD20ET型
全1車種
日産:アベニール
[Salut-J]
91PS/19.5kgm|1998/08
CD20T型
全1車種
日産:アベニールサリュー [Salut-B]
最高出力91PS/最大トルク18.8kgm|1997/01モデル
CD20T型
全1車種
日産:アベニールサリュー
[Salut-B]
91PS/18.8kgm|1997/01