マツダ:BP型ターボエンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1839cc]

ここではマツダのBG8Z型・ファミリア [GT-R|1993/06モデル] に搭載されているBP型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

BP型のターボエンジン諸元


BG8Z型 ファミリア
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-BG8Z型
車名&グレードファミリア
GT-R
エンジン型式BP
種類直列4気筒
排気量1839cc
内径×行程83.0mm×85.0mm
ボアストローク比1.02
単気筒容積459.9cc
圧縮比8.2
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力210PS/6000rpm
最大トルク25.5kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、BP型エンジンはボア(内径)83.0mm、ストローク(行程)85.0mm、ボアストローク比1.02のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、厳密に言えばボアとストロークが全くの同一でなければスクエア型を名乗ることは許されませんが、ここまでボアストローク比が1に近いのであれば「もうスクエア型にしてあげても良いじゃない!」という気もします。

これらのエンジンはショートストローク型、或いはロングストローク型の風味を残しつつ、その実はスクエア型に限りなく近い特性を持ちます。「やっぱこう、どうせなら低回転で粘って高回転でキレ
(省略されました・・全てを読むには ここ を押してください)

このサイトにてBP型のターボエンジンを搭載している車種は、1989/02から発売された7代目ファミリア [BG8Z型|1993/06]となっており、3車種のターボ/SC車が登録されています。

関連ページ
マツダ:BP型 自然吸気エンジン 諸元と性能まとめ

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
BPのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷160.2PS → 210PS
トルクの変遷25.5kgm → 25.1kgm
リッター馬力114.19PS/L
リッタートルク13.9kgm/L

今回の参考車両であるファミリアの直列4気筒1839cc、圧縮比8.2でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、6000回転のとき最高出力210馬力を、6000回転のとき最大トルク25.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は160.2PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは25.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は114.19PS/L、トルクは13.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積459.9cc)あたりの馬力は52.5PS、トルクは6.4kgmです。

BP型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 5 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、BP型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはBG8Z型ファミリアの210PS/25.5kgm、最も小さかったのはBG8R型ファミリアの180PS/24.2kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.085.01839cc8.21.02
ボアアップによる排気量拡大
83.585.01862cc8.31.02
84.01884cc8.41.01
84.51907cc8.51.01
85.01929cc8.51.00
85.51952cc8.60.99
86.01975cc8.70.99
ストロークアップによる排気量拡大
83.086.01861cc8.31.04
87.01883cc8.41.05
88.01904cc8.41.06
89.01926cc8.51.07
90.01948cc8.61.08

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.0mmから0.5mm刻みで86.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の85.0mmから1mm刻みで90.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。BP型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.02から0.99に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

BP型エンジンのピストン径83.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが25件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
M9R型
84.0mm
[+1.0mm]
1884cc
[+45cc]
日産
CD20型
84.5mm
[+1.5mm]
1907cc
[+68cc]
三菱
4G63型
85.0mm
[+2.0mm]
1929cc
[+90cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+2.0mm]
1929cc
[+90cc]
日産
RD28型
85.0mm
[+2.0mm]
1929cc
[+90cc]
三菱
G63B型
85.0mm
[+2.0mm]
1929cc
[+90cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:DNT31型エクストレイルに搭載されるM9R型1995ccの84.0mm、日産:SW11型ラルゴに搭載されるCD20型1973ccの84.5mm、三菱:E33A型ギャランに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:NM35型ステージアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、日産:WYY61型サファリに搭載されるRD28型2825ccの85.0mm、三菱:P03W型デリカ スターワゴンに搭載されるG63B型1997ccの85.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
6000rpm
85.0mm12.8m/s17.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.3m/s41km/h
6000rpm17.0m/s61km/h
8000rpm22.7m/s82km/h
10000rpm28.3m/s102km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが85.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.0m/sとなり、これは1秒間に17.0メートル(時速にすると61.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では12.8m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.4m/sとなっています。

参考までにストロークが85.0mmのBP型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7060回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


BP型ターボエンジンを搭載する車種の例

全3車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりBP型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
マツダ
BG8Z
1993/06
ファミリア
GT-R
[E-BG8Z]
210PS
25.5kgm
10.0km/L
5.762kg/PS
ターボ
4WD/5MT
ハッチバック
5人乗り
車両型式:E-BG8Z

ファミリア
[GT-R]
1993/06モデル
最高出力210PS
最大トルク25.5kgm
10-15モード燃費10.0km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りハッチバック
4WD/5MT
マツダ
BG8R
1993/06
ファミリア
GT-X
[E-BG8R]
180PS
24.2kgm
10.2km/L
6.667kg/PS
ターボ
4WD/5MT
セダン
5人乗り
車両型式:E-BG8R

ファミリア
[GT-X]
1993/06モデル
最高出力180PS
最大トルク24.2kgm
10-15モード燃費10.2km/L
吸気方式ターボ
車体構成5人乗りセダン
4WD/5MT
BP型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全21車種

その他のBP型エンジン型式と代表的な車種

BP-ZE型
全10車種
マツダ:ファミリア ネオ [InterPlay-X]
最高出力135PS/最大トルク16.0kgm
1994/06モデル
マツダ
BP-ZE型
全10車種
ファミリア ネオ
[InterPlay-X]
135PS/16.0kgm
BP-VE型
全4車種
マツダ:ロードスター [RS-II]
最高出力160PS/最大トルク17.3kgm
2004/04モデル
マツダ
BP-VE型
全4車種
ロードスター
[RS-II]
160PS/17.3kgm
BP-ZET型
全1車種
マツダ:ロードスター [Turbo]
最高出力172PS/最大トルク21.3kgm
2004/04モデル
マツダ
BP-ZET型
全1車種
ロードスター
[Turbo]
172PS/21.3kgm
BP-ZE型
全1車種
光岡:ZERO1,ゼロワン [Classic type-F]
最高出力130PS/最大トルク16.0kgm
1997/05モデル
光岡
BP-ZE型
全1車種
ZERO1,ゼロワン
[Classic type-F]
130PS/16.0kgm

マツダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】