ロータス:2ZZ-GE型の過給エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1795cc]

ここではロータスの1117型・エキシージ [Cup-260|2010/09モデル] に搭載されている2ZZ-GE型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

2ZZ-GE型のスーパーチャージャーエンジン諸元


1117型 エキシージ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-1117型
車名&グレードエキシージ
Cup-260
エンジン型式2ZZ-GE
種類直列4気筒
排気量1795cc
内径×行程82.0mm×85.0mm
ボアストローク比1.04
単気筒容積448.9cc
圧縮比11.5
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力260PS/8000rpm
最大トルク24.1kgm/6000rpm

まず基本的な成り立ちとして、2ZZ型エンジンはボア(内径)82.0mm、ストローク(行程)85.0mm、ボアストローク比1.04のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、2ZZ-GE型のスーパーチャージャーエンジンを搭載する最も古い車種は、1999/09から発売された初代エリーゼ [1117型|2010/06]、最も新しい車種は2001/01から発売された初代エキシージ [1117型|2010/09]となっており、4車種のターボ/SC車が登録されています。

関連ページ
ロータス:2ZZ-GE型 自然吸気エンジン 諸元と性能まとめ

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
2ZZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷201.9PS → 260PS
トルクの変遷24.1kgm → 23.3kgm
リッター馬力144.8PS/L
リッタートルク13.4kgm/L

今回の参考車両であるエキシージの直列4気筒1795cc、圧縮比11.5でハイオクガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、8000回転のとき最高出力260馬力を、8000回転のとき最大トルク24.1kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する6000回転での馬力は201.9PS、最高出力が発生する8000回転でのトルクは23.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は144.8PS/L、トルクは13.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積448.9cc)あたりの馬力は65.0PS、トルクは6.0kgmです。

2ZZ型スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 5 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、2ZZ-GE型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのは1117型エキシージの260PS/24.1kgm、最も小さかったのは1117型エリーゼの220PS/21.4kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.085.01795cc11.51.04
ボアアップによる排気量拡大
82.585.01817cc11.61.03
83.01840cc11.71.02
83.51862cc11.91.02
84.01884cc12.01.01
84.51907cc12.11.01
85.01929cc12.31.00
ストロークアップによる排気量拡大
82.086.01817cc11.61.05
87.01838cc11.71.06
88.01859cc11.91.07
89.01880cc12.01.09
90.01901cc12.11.10

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.0mmから0.5mm刻みで85.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の85.0mmから1mm刻みで90.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。2ZZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.04から1.00に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

2ZZ型エンジンのピストン径82.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが13件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
三菱
4D68型
82.7mm
[+0.7mm]
1826cc
[+31cc]
日産
m274型
83.0mm
[+1.0mm]
1840cc
[+45cc]
マツダ
BP型
83.0mm
[+1.0mm]
1840cc
[+45cc]
トヨタ
7M型
83.0mm
[+1.0mm]
1840cc
[+45cc]
日産
CA18型
83.0mm
[+1.0mm]
1840cc
[+45cc]
日産
274930型
83.0mm
[+1.0mm]
1840cc
[+45cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、三菱:N28WG型RVRに搭載される4D68型1998ccの82.7mm、日産:YV37型スカイラインに搭載されるm274型1991ccの83.0mm、マツダ:NB8C型ロードスターに搭載されるBP型1839ccの83.0mm、トヨタ:MZ20型ソアラに搭載される7M型2954ccの83.0mm、日産:S13型シルビアに搭載されるCA18型1809ccの83.0mm、日産:ZV37型スカイラインに搭載される274930型1991ccの83.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1800ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1800ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1800ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1800ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1800ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1800ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
6000rpm
最高出力
8000rpm
85.0mm17.0m/s22.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.3m/s41km/h
6000rpm17.0m/s61km/h
8000rpm22.7m/s82km/h
10000rpm28.3m/s102km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが85.0mmのエンジンが最高出力を発生する8000回転での平均ピストンスピードは22.7m/sとなり、これは1秒間に22.7メートル(時速にすると81.7km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する6000回転では17.0m/s、最高出力が発生する8000回転より500回転高い8500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は24.1m/sとなっています。

参考までにストロークが85.0mmの2ZZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、7060回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


2ZZ-GE型の過給エンジンを搭載する車種の例

全4車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより2ZZ型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ロータス
1117
2010/09
エキシージ
Cup-260
[ABA-1117]
260PS
24.1kgm
-
3.50kg/PS
SC
MR/6MT
クーペ
2人乗り

エキシージ
[Cup-260]
2010/09モデル
車両型式ABA-1117
最高出力260PS
最大トルク24.1kgm
パワーウェイト3.50kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機MR/6MT
車体形状&乗車定員クーペ/2人乗り
ロータス
1117
2010/06
エリーゼ
Elise-SC 2ZZ
[ABA-1117]
220PS
21.4kgm
-
4.18kg/PS
SC
MR/6MT
オープンカー
2人乗り

エリーゼ
[Elise-SC 2ZZ]
2010/06モデル
車両型式ABA-1117
最高出力220PS
最大トルク21.4kgm
パワーウェイト4.18kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機MR/6MT
車体形状&乗車定員オープンカー/2人乗り
2ZZ型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全19車種

その他の2ZZ型エンジン型式と代表的な車種

2ZZ-GE型
全13車種
トヨタ:セリカ [SS-II]
最高出力190PS/最大トルク18.4kgm
2005/12モデル
トヨタ
2ZZ-GE型
全13車種
セリカ
[SS-II]
190PS/18.4kgm