レクサス:8GR-FXS型エンジンの諸元と性能まとめ [V6+モーター 3456cc]

ここではレクサスのGVF50型・LS [LS500h|2017/10モデル] に搭載されている8GR-FXS型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

8GR-FXS型の自然吸気エンジン諸元


GVF50型 LS
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DAA-GVF50型
車名&グレードLS
LS500h
エンジン型式8GR-FXS
種類V6+モーター
排気量3456cc
内径×行程94.0mm×83.0mm
ボアストローク比0.88
単気筒容積576.0cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力299PS/6600rpm
最大トルク36.3kgm/5100rpm

まず基本的な成り立ちとして、8GR型エンジンはボア(内径)94.0mm、ストローク(行程)83.0mm、ボアストローク比0.88のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、8GR-FXS型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2017/03から発売された初代LC [GWZ100型|2017/03]、最も新しい車種は2017/10から発売された2代目LS [GVF50型|2017/10]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
8GRのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷258.4PS → 299PS
トルクの変遷36.3kgm → 32.5kgm
リッター馬力86.5PS/L
リッタートルク10.5kgm/L

今回の参考車両であるLSのV6+モーター3456ccでハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6600回転のとき最高出力299馬力を、6600回転のとき最大トルク36.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5100回転での馬力は258.4PS、最高出力が発生する6600回転でのトルクは32.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は86.5PS/L、トルクは10.5kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積576.0cc)あたりの馬力は49.8PS、トルクは6.0kgmです。

8GR型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 8 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
94.083.03456cc-0.88
ボアアップによる排気量拡大
94.583.03493cc-0.88
95.03530cc-0.87
95.53567cc-0.87
96.03605cc-0.86
96.53642cc-0.86
97.03680cc-0.86
ストロークアップによる排気量拡大
94.084.03498cc-0.89
85.03539cc-0.90
86.03581cc-0.91
87.03622cc-0.93
88.03664cc-0.94

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の94.0mmから0.5mm刻みで97.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の83.0mmから1mm刻みで88.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.88からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。8GR型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.88から0.86に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

8GR型エンジンのピストン径94.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
2TR型
95.0mm
[+1.0mm]
3530cc
[+74cc]
トヨタ
2TZ型
95.0mm
[+1.0mm]
3530cc
[+74cc]
トヨタ
3RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
3530cc
[+74cc]
三菱
6G75型
95.0mm
[+1.0mm]
3530cc
[+74cc]
トヨタ
2RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
3530cc
[+74cc]
日産
VQ35型
95.5mm
[+1.5mm]
3567cc
[+111cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:TRJ150W型ランドクルーザー プラドに搭載される2TR型2693ccの95.0mm、トヨタ:TCR20G型エスティマ エミーナ&ルシーダに搭載される2TZ型2438ccの95.0mm、トヨタ:RZN185W型ハイラックスサーフに搭載される3RZ型2693ccの95.0mm、三菱:V97W型パジェロに搭載される6G75型3827ccの95.0mm、トヨタ:RZH101G型ハイエースワゴンに搭載される2RZ型2438ccの95.0mm、日産:M35型ディグニティに搭載されるVQ35型3498ccの95.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5100rpm
最高出力
6600rpm
83.0mm14.1m/s18.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm11.1m/s40km/h
6000rpm16.6m/s60km/h
8000rpm22.1m/s80km/h
10000rpm27.7m/s100km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが83.0mmのエンジンが最高出力を発生する6600回転での平均ピストンスピードは18.3m/sとなり、これは1秒間に18.3メートル(時速にすると65.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5100回転では14.1m/s、最高出力が発生する6600回転より500回転高い7100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.6m/sとなっています。

参考までにストロークが83.0mmの8GR型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7230回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


8GR-FXS型エンジンを搭載する車種の例

全4車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
レクサス
GVF50
2017/10
LS
LS500h
[DAA-GVF50]
299PS
36.3kgm
16.4km/L
7.39kg/PS
自然吸気
FR/CVT
セダン
5人乗り

LS
[LS500h]
2017/10モデル
車両型式DAA-GVF50
最高出力299PS
最大トルク36.3kgm
JC08モード燃費16.4km/L
パワーウェイト7.39kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/CVT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
レクサス
GVF55
2017/10
LS
LS500h
[DAA-GVF55]
299PS
36.3kgm
14.4km/L
7.63kg/PS
自然吸気
4WD/CVT
セダン
5人乗り

LS
[LS500h]
2017/10モデル
車両型式DAA-GVF55
最高出力299PS
最大トルク36.3kgm
JC08モード燃費14.4km/L
パワーウェイト7.63kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
レクサス
GWZ100
2017/03
LC
LC500h
[DAA-GWZ100]
299PS
36.3kgm
15.8km/L
6.69kg/PS
自然吸気
FR/CVT
クーペ
4人乗り

LC
[LC500h]
2017/03モデル
車両型式DAA-GWZ100
最高出力299PS
最大トルク36.3kgm
JC08モード燃費15.8km/L
パワーウェイト6.69kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/CVT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り

その他の8GR型エンジン型式と代表的な車種

8GR-FXS型
全1車種
トヨタ:クラウン [Hybrid-S]
最高出力299PS/最大トルク36.3kgm
2018/06モデル
トヨタ
8GR-FXS型
全1車種
クラウン
[Hybrid-S]
299PS/36.3kgm

レクサス製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】