レクサス:4GR-FSE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2499cc]

ここではレクサスのGSE20型・IS [IS250|2010/08モデル] に搭載されている4GR-FSE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4GR-FSE型の自然吸気エンジン諸元


GSE20型 IS
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-GSE20型
車名&グレードIS
IS250
エンジン型式4GR-FSE
種類V型6気筒
排気量2499cc
内径×行程83.0mm×77.0mm
ボアストローク比0.93
単気筒容積416.6cc
圧縮比12.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力215PS/6400rpm
最大トルク26.5kgm/3800rpm

まず基本的な成り立ちとして、4GR型エンジンはボア(内径)83.0mm、ストローク(行程)77.0mm、ボアストローク比0.93のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4GR-FSE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2005/09から発売された2代目IS [GSE20型|2010/08]、最も新しい車種は2013/05から発売された3代目IS [GSE30型|2013/05]となっており、NA車は6車種、ターボ/SC車は0車種の全6車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4GRのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷140.6PS → 215PS
トルクの変遷26.5kgm → 24.1kgm
リッター馬力86.0PS/L
リッタートルク10.6kgm/L

今回の参考車両であるISのV型6気筒2499cc、圧縮比12.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6400回転のとき最高出力215馬力を、6400回転のとき最大トルク26.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3800回転での馬力は140.6PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは24.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は86.0PS/L、トルクは10.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積416.6cc)あたりの馬力は35.8PS、トルクは4.4kgmです。

4GR型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 9 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、4GR-FSE型エンジン搭載車種の最高出力の平均値は209.8PS、最大トルクの平均値は25.8kgmとなっています。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.0mm77.0mm2499cc12.00.93
ボアアップによる排気量拡大
83.5mm77.0mm2530cc12.10.92
84.0mm2560cc12.30.92
84.5mm2591cc12.40.91
85.0mm2622cc12.50.91
85.5mm2652cc12.70.90
86.0mm2684cc12.80.90
ストロークアップによる排気量拡大
83.0mm78.0mm2532cc12.10.94
79.0mm2565cc12.30.95
80.0mm2597cc12.40.96
81.0mm2629cc12.60.98
82.0mm2662cc12.70.99

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.0mmから0.5mm刻みで86.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.0mmから1mm刻みで82.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.93からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。4GR型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.93から0.90に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4GR型エンジンのピストン径83.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが76件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スズキ
H25A型
84.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+61cc]
マツダ
H25A型
84.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+61cc]
日産
MR18DE型
84.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+61cc]
スズキ
J18A型
84.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+61cc]
ホンダ
B20B型
84.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+61cc]
スバル
FB20型
84.0mm
[+1.0mm]
2560cc
[+61cc]

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3800rpm
最高出力
6400rpm
77.0mm9.8m/s16.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.1m/s18km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.4m/s55km/h
8000rpm20.5m/s74km/h
10000rpm25.7m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.0mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは16.4m/sとなり、これは1秒間に16.4メートル(時速にすると59.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3800回転では9.8m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.7m/sとなっています。

参考までにストロークが77.0mmの4GR型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7790回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4GR-FSE型エンジンを搭載する車種の例

全6車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより4GR型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
レクサス
GSE20
2010/08
IS
IS250C Version-L
[DBA-GSE20]
215PS
26.5kgm
11.2km/L
8.05kg/PS
自然吸気
FR/6AT
オープンカー
4人乗り

IS
[IS250C Version-L]
2010/08モデル
車両型式DBA-GSE20
最高出力215PS
最大トルク26.5kgm
10-15モード燃費11.2km/L
パワーウェイト8.05kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員オープンカー/4人乗り
レクサス
GRL11
2012/01
GS
GS250
[DBA-GRL11]
215PS
26.5kgm
10.8km/L
7.63kg/PS
自然吸気
FR/6AT
セダン
5人乗り

GS
[GS250]
2012/01モデル
車両型式DBA-GRL11
最高出力215PS
最大トルク26.5kgm
JC08モード燃費10.8km/L
10-15モード燃費11.6km/L
パワーウェイト7.63kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
レクサス
GSE25
2010/08
IS
IS250 ArtWorks
[DBA-GSE25]
215PS
26.5kgm
10.8km/L
7.63kg/PS
自然吸気
4WD/6AT
セダン
5人乗り

IS
[IS250 ArtWorks]
2010/08モデル
車両型式DBA-GSE25
最高出力215PS
最大トルク26.5kgm
JC08モード燃費10.8km/L
10-15モード燃費10.8km/L
パワーウェイト7.63kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
4GR型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全23車種

その他の4GR型エンジン型式と代表的な車種

4GR-FSE型
全17車種
トヨタ:マークX [250G 1510kg]
最高出力215PS/最大トルク26.5kgm|2006/10モデル
4GR-FSE型
全17車種
トヨタ:マークX
[250G 1510kg]
215PS/26.5kgm|2006/10