レクサス:3UZ-FE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒 4292cc]

ここではレクサスのUZZ40型・SC [SC430|2009/08モデル] に搭載されている3UZ-FE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

3UZ-FE型の自然吸気エンジン諸元


UZZ40型 SC
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-UZZ40型
車名&グレードSC
SC430
エンジン型式3UZ-FE
種類V型8気筒
排気量4292cc
内径×行程91.0mm×82.5mm
ボアストローク比0.91
単気筒容積536.6cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力280PS/5600rpm
最大トルク43.8kgm/3400rpm

まず基本的な成り立ちとして、3UZ型エンジンはボア(内径)91.0mm、ストローク(行程)82.5mm、ボアストローク比0.91のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、3UZ-FE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2005/08から発売された3代目GS [UZS190型|2006/07]、最も新しい車種は2005/08から発売された初代SC [UZZ40型|2009/08]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
3UZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷207.9PS → 280PS
トルクの変遷43.8kgm → 35.8kgm
リッター馬力65.2PS/L
リッタートルク10.2kgm/L

今回の参考車両であるSCのV型8気筒4292cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力280馬力を、5600回転のとき最大トルク43.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3400回転での馬力は207.9PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは35.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は65.2PS/L、トルクは10.2kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積536.6cc)あたりの馬力は35.0PS、トルクは5.5kgmです。

3UZ型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 8 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
91.082.54292cc10.50.91
ボアアップによる排気量拡大
91.582.54340cc10.60.90
92.04387cc10.70.90
92.54435cc10.80.89
93.04483cc10.90.89
93.54532cc11.00.88
94.04580cc11.10.88
ストロークアップによる排気量拡大
91.083.54344cc10.60.92
84.54396cc10.70.93
85.54449cc10.80.94
86.54501cc11.00.95
87.54553cc11.10.96

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の91.0mmから0.5mm刻みで94.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の82.5mmから1mm刻みで87.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.91からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。3UZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.91から0.88に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

3UZ型エンジンのピストン径91.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが29件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
スバル
EJ20型
92.0mm
[+1.0mm]
4387cc
[+95cc]
トヨタ
2L型
92.0mm
[+1.0mm]
4387cc
[+95cc]
スバル
EA71型
92.0mm
[+1.0mm]
4387cc
[+95cc]
スズキ
J24B型
92.0mm
[+1.0mm]
4387cc
[+95cc]
マツダ
G5型
92.0mm
[+1.0mm]
4387cc
[+95cc]
トヨタ
3MZ型
92.0mm
[+1.0mm]
4387cc
[+95cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、スバル:BCM型アスカに搭載されるEJ20型1994ccの92.0mm、トヨタ:LH100G型ハイエースワゴンに搭載される2L型2446ccの92.0mm、スバル:AA2型レオーネに搭載されるEA71型1595ccの92.0mm、スズキ:RF91S型キザシに搭載されるJ24B型2393ccの92.0mm、マツダ:UV56R型プロシード マービーに搭載されるG5型2494ccの92.0mm、トヨタ:MHU38W型ハリアー ハイブリッドに搭載される3MZ型3310ccの92.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 4500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 4500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 4500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 4500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [4500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [4500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3400rpm
最高出力
5600rpm
82.5mm9.3m/s15.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s20km/h
4000rpm11.0m/s40km/h
6000rpm16.5m/s59km/h
8000rpm22.0m/s79km/h
10000rpm27.5m/s99km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが82.5mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは15.4m/sとなり、これは1秒間に15.4メートル(時速にすると55.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3400回転では9.3m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.8m/sとなっています。

参考までにストロークが82.5mmの3UZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.50m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7270回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


3UZ-FE型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより3UZ型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
レクサス
UZZ40
2009/08
SC
SC430
[DBA-UZZ40]
280PS
43.8kgm
8.7km/L
6.21kg/PS
自然吸気
FR/6AT
オープンカー
4人乗り

SC
[SC430]
2009/08モデル
車両型式DBA-UZZ40
最高出力280PS
最大トルク43.8kgm
10-15モード燃費8.7km/L
パワーウェイト6.21kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員オープンカー/4人乗り
レクサス
UZS190
2006/07
GS
GS430
[DBA-UZS190]
280PS
43.8kgm
9.1km/L
6.07kg/PS
自然吸気
FR/6AT
セダン
5人乗り

GS
[GS430]
2006/07モデル
車両型式DBA-UZS190
最高出力280PS
最大トルク43.8kgm
10-15モード燃費9.1km/L
パワーウェイト6.07kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
3UZ型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全11車種

その他の3UZ型エンジン型式と代表的な車種

3UZ-FE型
全8車種
トヨタ:ソアラ [430SCV]
最高出力280PS/最大トルク43.8kgm
2004/05モデル
トヨタ
3UZ-FE型
全8車種
ソアラ
[430SCV]
280PS/43.8kgm
3UZ-FE改型
全1車種
トヨタ:セルシオ [V430-R]
最高出力354PS/最大トルク57.0kgm
2004/07モデル
トヨタ
3UZ-FE改型
全1車種
セルシオ
[V430-R]
354PS/57.0kgm

レクサス製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】