レクサス:2UR-GSE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒 4968cc]

ここではレクサスのUSC10型・RC-F [Performance|2019/05モデル] に搭載されている2UR-GSE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

2UR-GSE型の自然吸気エンジン諸元


USC10型 RC-F
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式5BA-USC10型
車名&グレードRC-F
Performance
エンジン型式2UR-GSE
種類V型8気筒
排気量4968cc
内径×行程94.0mm×89.5mm
ボアストローク比0.95
単気筒容積621.1cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力481PS/7100rpm
最大トルク54.6kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、2UR型エンジンはボア(内径)94.0mm、ストローク(行程)89.5mm、ボアストローク比0.95のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、2UR-GSE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2007/12から発売された2代目IS-F [USE20型|2010/08]、最も新しい車種は2014/10から発売された初代RC-F [USC10型|2019/05]となっており、NA車は8車種、ターボ/SC車は0車種の全8車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
2URのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷365.9PS → 481PS
トルクの変遷54.6kgm → 48.5kgm
リッター馬力96.8PS/L
リッタートルク11.0kgm/L

今回の参考車両であるRC-FのV型8気筒4968ccでハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7100回転のとき最高出力481馬力を、7100回転のとき最大トルク54.6kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は365.9PS、最高出力が発生する7100回転でのトルクは48.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は96.8PS/L、トルクは11.0kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積621.1cc)あたりの馬力は60.1PS、トルクは6.8kgmです。

2UR型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 10 ]、換算トルクが[ 10 ]の「稀に見る高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、2UR-GSE型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはUSC10型RC-Fの481PS/54.6kgm、最も小さかったのはUSE20型IS-Fの423PS/51.5kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
94.089.54968cc-0.95
ボアアップによる排気量拡大
94.589.55022cc-0.95
95.05075cc-0.94
95.55129cc-0.94
96.05182cc-0.93
96.55237cc-0.93
97.05291cc-0.92
ストロークアップによる排気量拡大
94.090.55024cc-0.96
91.55080cc-0.97
92.55135cc-0.98
93.55191cc-0.99
94.55246cc-1.01

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の94.0mmから0.5mm刻みで97.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の89.5mmから1mm刻みで94.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.95からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。2UR型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.95から0.92に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

2UR型エンジンのピストン径94.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
2TR型
95.0mm
[+1.0mm]
5075cc
[+107cc]
トヨタ
2TZ型
95.0mm
[+1.0mm]
5075cc
[+107cc]
トヨタ
3RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
5075cc
[+107cc]
三菱
6G75型
95.0mm
[+1.0mm]
5075cc
[+107cc]
トヨタ
2RZ型
95.0mm
[+1.0mm]
5075cc
[+107cc]
日産
VQ35型
95.5mm
[+1.5mm]
5129cc
[+161cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:TRJ150W型ランドクルーザー プラドに搭載される2TR型2693ccの95.0mm、トヨタ:TCR20G型エスティマ エミーナ&ルシーダに搭載される2TZ型2438ccの95.0mm、トヨタ:RZN185W型ハイラックスサーフに搭載される3RZ型2693ccの95.0mm、三菱:V97W型パジェロに搭載される6G75型3827ccの95.0mm、トヨタ:RZH101G型ハイエースワゴンに搭載される2RZ型2438ccの95.0mm、日産:M35型ディグニティに搭載されるVQ35型3498ccの95.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 5000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 5000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 5000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 5000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [5000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [5000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
7100rpm
89.5mm14.3m/s21.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s22km/h
4000rpm11.9m/s43km/h
6000rpm17.9m/s64km/h
8000rpm23.9m/s86km/h
10000rpm29.8m/s107km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.5mmのエンジンが最高出力を発生する7100回転での平均ピストンスピードは21.2m/sとなり、これは1秒間に21.2メートル(時速にすると76.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では14.3m/s、最高出力が発生する7100回転より500回転高い7600回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は22.7m/sとなっています。

参考までにストロークが89.5mmの2UR型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、6700回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


2UR-GSE型エンジンを搭載する車種の例

全8車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより2UR型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
レクサス
USC10
2019/05
RC-F
Performance
[5BA-USC10]
481PS
54.6kgm
8.5km/L
3.58kg/PS
自然吸気
FR/8AT
クーペ
4人乗り

RC-F
[Performance]
2019/05モデル
車両型式5BA-USC10
最高出力481PS
最大トルク54.6kgm
WLTCモード燃費8.5km/L
パワーウェイト3.58kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/8AT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
レクサス
USC10
2015/01
RC-F
Carbon-Exterior
[DBA-USC10]
477PS
54.0kgm
8.2km/L
3.73kg/PS
自然吸気
FR/8AT
クーペ
4人乗り

RC-F
[Carbon-Exterior]
2015/01モデル
車両型式DBA-USC10
最高出力477PS
最大トルク54.0kgm
WLTCモード燃費8.5km/L
JC08モード燃費8.2km/L
パワーウェイト3.73kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/8AT
車体形状&乗車定員クーペ/4人乗り
レクサス
URL10
2015/11
GS-F
BaseGrade
[DBA-URL10]
477PS
54.0kgm
8.2km/L
3.84kg/PS
自然吸気
FR/8AT
セダン
5人乗り

GS-F
[BaseGrade]
2015/11モデル
車両型式DBA-URL10
最高出力477PS
最大トルク54.0kgm
WLTCモード燃費8.5km/L
JC08モード燃費8.2km/L
パワーウェイト3.84kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FR/8AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
2UR型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全11車種

その他の2UR型エンジン型式と代表的な車種

2UR-FSE型
全2車種
レクサス:LS [LS600h]
最高出力394PS/最大トルク53.0kgm
2009/11モデル
レクサス
2UR-FSE型
全2車種
LS
[LS600h]
394PS/53.0kgm
2UR-FSE型
全1車種
トヨタ:センチュリー [BaseGrade]
最高出力381PS/最大トルク52.0kgm
2018/06モデル
トヨタ
2UR-FSE型
全1車種
センチュリー
[BaseGrade]
381PS/52.0kgm

レクサス製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】