ランドローバー:L型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 2490cc]

ここではランドローバーのLJL型・ディスカバリー [Tdi-S 5人乗り|1999/03モデル] に搭載されているL型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

L型のターボエンジン諸元


LJL型 ディスカバリー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式KD-LJL型
車名&グレードディスカバリー
Tdi-S 5人乗り
エンジン型式L
種類直列4気筒
排気量2490cc
内径×行程90.4mm×97.0mm
ボアストローク比1.07
単気筒容積622.6cc
圧縮比19.3
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力120PS/4000rpm
最大トルク27.0kgm/1800rpm

まず基本的な成り立ちとして、L型エンジンはボア(内径)90.4mm、ストローク(行程)97.0mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
Lのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷67.8PS → 120PS
トルクの変遷27.0kgm → 21.5kgm
リッター馬力48.2PS/L
リッタートルク10.8kgm/L

今回の参考車両であるディスカバリーの直列4気筒2490cc、圧縮比19.3でディーゼル仕様のターボエンジンは、4000回転のとき最高出力120馬力を、4000回転のとき最大トルク27.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1800回転での馬力は67.8PS、最高出力が発生する4000回転でのトルクは21.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は48.2PS/L、トルクは10.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積622.6cc)あたりの馬力は30.0PS、トルクは6.8kgmです。

L型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 3 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
90.497.02490cc19.31.07
ボアアップによる排気量拡大
90.997.02518cc19.51.07
91.42546cc19.71.06
91.92574cc19.91.06
92.42602cc20.11.05
92.92630cc20.31.04
93.42658cc20.61.04
ストロークアップによる排気量拡大
90.498.02516cc19.51.08
99.02542cc19.71.10
100.02567cc19.91.11
101.02593cc20.11.12
102.02619cc20.31.13

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の90.4mmから0.5mm刻みで93.4mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の97.0mmから1mm刻みで102.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。L型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.04に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

L型エンジンのピストン径90.4mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
3UZ型
91.0mm
[+0.6mm]
2523cc
[+33cc]
ホンダ
JNC型
91.0mm
[+0.6mm]
2523cc
[+33cc]
三菱
6G72型
91.1mm
[+0.7mm]
2529cc
[+39cc]
三菱
4D56型
91.1mm
[+0.7mm]
2529cc
[+39cc]
三菱
G54B型
91.1mm
[+0.7mm]
2529cc
[+39cc]
スバル
EJ20型
92.0mm
[+1.6mm]
2579cc
[+89cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:UCF30型セルシオに搭載される3UZ型4292ccの91.0mm、ホンダ:NC1型NSXに搭載されるJNC型3492ccの91.0mm、三菱:F36A型ディアマンテに搭載される6G72型2972ccの91.1mm、三菱:PC5W型デリカ スペースギアに搭載される4D56型2476ccの91.1mm、三菱:A187A型スタリオンに搭載されるG54B型2555ccの91.1mm、スバル:VAB型WRX STIに搭載されるEJ20型1994ccの92.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1800rpm
最高出力
4000rpm
97.0mm5.8m/s12.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.5m/s23km/h
4000rpm12.9m/s46km/h
6000rpm19.4m/s70km/h
8000rpm25.9m/s93km/h
10000rpm32.3m/s116km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが97.0mmのエンジンが最高出力を発生する4000回転での平均ピストンスピードは12.9m/sとなり、これは1秒間に12.9メートル(時速にすると46.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1800回転では5.8m/s、最高出力が発生する4000回転より500回転高い4500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.6m/sとなっています。

参考までにストロークが97.0mmのL型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.45m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6190回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


L型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ランドローバー
LJL
1999/03
ディスカバリー
Tdi-S 5人乗り
[KD-LJL]
120PS
27.0kgm
-
16.92kg/PS
ターボ
4WD/4AT
SUV
5人乗り

ディスカバリー
[Tdi-S 5人乗り]
1999/03モデル
車両型式KD-LJL
最高出力120PS
最大トルク27.0kgm
パワーウェイト16.92kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り

ランドローバー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】