ランドローバー:508PS型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒 4999cc]

ここではランドローバーのLG5SA型・レンジローバー [Autobiography|2013/01モデル] に搭載されている508PS型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

508PS型のスーパーチャージャーエンジン諸元


LG5SA型 レンジローバー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-LG5SA型
車名&グレードレンジローバー
Autobiography
エンジン型式508PS
種類V型8気筒
排気量4999cc
内径×行程92.5mm×93.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積624.9cc
圧縮比9.5
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力510PS/6500rpm
最大トルク63.8kgm/2500rpm

まず基本的な成り立ちとして、508PS型エンジンはボア(内径)92.5mm、ストローク(行程)93.0mm、ボアストローク比1.00のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

このサイトにて登録されている車種のうち、508PS型のスーパーチャージャーエンジンを搭載する最も古い車種は、2008/03から発売された3代目レンジローバー ヴォーグ [LM5S型|2011/12]、最も新しい車種は2013/11から発売された2代目レンジローバースポーツ [LW5SA型|2015/10]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は5車種の全5車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
508PSのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷222.7PS → 510PS
トルクの変遷63.8kgm → 56.2kgm
リッター馬力102.0PS/L
リッタートルク12.8kgm/L

今回の参考車両であるレンジローバーのV型8気筒4999cc、圧縮比9.5でハイオクガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、6500回転のとき最高出力510馬力を、6500回転のとき最大トルク63.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2500回転での馬力は222.7PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは56.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は102.0PS/L、トルクは12.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積624.9cc)あたりの馬力は63.8PS、トルクは8.0kgmです。

508PS型スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、508PS型の過給エンジン搭載車種の最高出力の平均値は531.2PS、最大トルクの平均値は66.6kgmとなっています。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
92.5mm93.0mm4999cc9.51.00
ボアアップによる排気量拡大
93.0mm93.0mm5054cc9.61.00
93.5mm5108cc9.70.99
94.0mm5163cc9.80.99
94.5mm5218cc9.90.98
95.0mm5273cc10.00.98
95.5mm5329cc10.10.97
ストロークアップによる排気量拡大
92.5mm94.0mm5053cc9.61.02
95.0mm5107cc9.71.03
96.0mm5161cc9.81.04
97.0mm5215cc9.91.05
98.0mm5268cc10.01.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の92.5mmから0.5mm刻みで95.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の93.0mmから1mm刻みで98.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。508PS型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

508PS型エンジンのピストン径92.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが7件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
2TZ-FZE型
95.0mm
[+2.5mm]
5273cc
[+274cc]
三菱
4M40型
95.0mm
[+2.5mm]
5273cc
[+274cc]
いすゞ
4JX1型
95.4mm
[+2.9mm]
5318cc
[+319cc]
ホンダ
4JX1型
95.4mm
[+2.9mm]
5318cc
[+319cc]
いすゞ
4JG2型
95.4mm
[+2.9mm]
5318cc
[+319cc]
ホンダ
4JG2型
95.4mm
[+2.9mm]
5318cc
[+319cc]

ピストン径が小さい 5000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 5000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 5000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 5000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [5000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [5000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2500rpm
最高出力
6500rpm
93.0mm7.7m/s20.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.2m/s22km/h
4000rpm12.4m/s45km/h
6000rpm18.6m/s67km/h
8000rpm24.8m/s89km/h
10000rpm31.0m/s112km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが93.0mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは20.1m/sとなり、これは1秒間に20.1メートル(時速にすると72.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2500回転では7.7m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.7m/sとなっています。

参考までにストロークが93.0mmの508PS型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.20m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、6450回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


508PS型エンジンを搭載する車種の例

全5車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより508PS型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ランドローバー
LG5SA
2013/01
レンジローバー
Autobiography
[ABA-LG5SA]
510PS
63.8kgm
5.3km/L
4.94kg/PS
SC
4WD/8AT
SUV
5人乗り

レンジローバー
[Autobiography]
2013/01モデル
車両型式ABA-LG5SA
最高出力510PS
最大トルク63.8kgm
JC08モード燃費5.3km/L
パワーウェイト4.94kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
ランドローバー
LM5S
2011/12
レンジローバー ヴォーグ
5.0-V8 Super-Charged
[ABA-LM5S]
510PS
63.8kgm
5.1km/L
5.16kg/PS
SC
4WD/6AT
SUV
5人乗り

レンジローバー ヴォーグ
[5.0-V8 Super-Charged]
2011/12モデル
車両型式ABA-LM5S
最高出力510PS
最大トルク63.8kgm
JC08モード燃費5.1km/L
10-15モード燃費5.5km/L
パワーウェイト5.16kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機4WD/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
ランドローバー
LS5S
2011/12
レンジローバー スポーツ
5.0-V8 Super-Charged
[ABA-LS5S]
510PS
63.8kgm
5.6km/L
5.06kg/PS
SC
4WD/6AT
SUV
5人乗り

レンジローバー スポーツ
[5.0-V8 Super-Charged]
2011/12モデル
車両型式ABA-LS5S
最高出力510PS
最大トルク63.8kgm
JC08モード燃費5.6km/L
10-15モード燃費5.5km/L
パワーウェイト5.06kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機4WD/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
508PS型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全17車種

その他の508PS型エンジン型式と代表的な車種

508PS型
全12車種
ジャガー:Fタイプ [V8 S]
最高出力495PS/最大トルク63.7kgm|2013/05モデル
508PS型
全12車種
ジャガー:Fタイプ
[V8 S]
495PS/63.7kgm|2013/05