ランドローバー:306PS型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 2994cc]

ここではランドローバーのLW3SA型・レンジローバースポーツ [HST L494|2015/10モデル] に搭載されている306PS型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

306PS型のスーパーチャージャーエンジン諸元


LW3SA型 レンジローバースポーツ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-LW3SA型
車名&グレードレンジローバースポーツ
HST L494
エンジン型式306PS
種類V型6気筒
排気量2994cc
内径×行程84.5mm×89.0mm
ボアストローク比1.05
単気筒容積499.1cc
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力381PS/6500rpm
最大トルク45.9kgm/3500rpm

まず基本的な成り立ちとして、306PS型エンジンはボア(内径)84.5mm、ストローク(行程)89.0mm、ボアストローク比1.05のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、306PS型のスーパーチャージャーエンジンを搭載する最も古い車種は、2013/11から発売された2代目レンジローバースポーツ [LW3SA型|2015/10]、最も新しい車種は2017/07から発売された初代レンジローバー ヴェラール [LY3VA型|2017/07]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は3車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
306PSのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷224.3PS → 381PS
トルクの変遷45.9kgm → 42.0kgm
リッター馬力127.3PS/L
リッタートルク15.3kgm/L

今回の参考車両であるレンジローバースポーツのV型6気筒2994ccでハイオクガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、6500回転のとき最高出力381馬力を、6500回転のとき最大トルク45.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3500回転での馬力は224.3PS、最高出力が発生する6500回転でのトルクは42.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は127.3PS/L、トルクは15.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.1cc)あたりの馬力は63.5PS、トルクは7.6kgmです。

306PS型スーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 6 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、306PS型エンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはLW3SA型レンジローバースポーツの381PS/45.9kgm、最も小さかったのはLW3SA型レンジローバースポーツの340PS/45.9kgmとなっています。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.589.02994cc-1.05
ボアアップによる排気量拡大
85.089.03030cc-1.05
85.53066cc-1.04
86.03102cc-1.03
86.53138cc-1.03
87.03174cc-1.02
87.53211cc-1.02
ストロークアップによる排気量拡大
84.590.03028cc-1.07
91.03062cc-1.08
92.03095cc-1.09
93.03129cc-1.10
94.03163cc-1.11

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.5mmから0.5mm刻みで87.5mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の89.0mmから1mm刻みで94.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。306PS型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.05から1.02に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

306PS型エンジンのピストン径84.5mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが20件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
V35A型
85.5mm
[+1.0mm]
3066cc
[+72cc]
日産
SR20型
86.0mm
[+1.5mm]
3102cc
[+108cc]
トヨタ
3S型
86.0mm
[+1.5mm]
3102cc
[+108cc]
トヨタ
1JZ型
86.0mm
[+1.5mm]
3102cc
[+108cc]
日産
RB25型
86.0mm
[+1.5mm]
3102cc
[+108cc]
マツダ
SH型
86.0mm
[+1.5mm]
3102cc
[+108cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:VXFA50型LSに搭載されるV35A型3444ccの85.5mm、日産:PNT30型シルビアに搭載されるSR20型1998ccの86.0mm、トヨタ:ST246W型カルディナに搭載される3S型1998ccの86.0mm、トヨタ:JZS171型クラウンに搭載される1JZ型2491ccの86.0mm、日産:ER34型スカイライン セダンに搭載されるRB25型2498ccの86.0mm、マツダ:KG2P型アテンザ ワゴンに搭載されるSH型2188ccの86.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3500rpm
最高出力
6500rpm
89.0mm10.4m/s19.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.9m/s43km/h
6000rpm17.8m/s64km/h
8000rpm23.7m/s85km/h
10000rpm29.7m/s107km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.0mmのエンジンが最高出力を発生する6500回転での平均ピストンスピードは19.3m/sとなり、これは1秒間に19.3メートル(時速にすると69.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3500回転では10.4m/s、最高出力が発生する6500回転より500回転高い7000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.8m/sとなっています。

参考までにストロークが89.0mmの306PS型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6740回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


306PS型エンジンを搭載する車種の例

全3車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより306PS型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ランドローバー
LY3VA
2017/07
レンジローバー ヴェラール
P380
[CBA-LY3VA]
381PS
45.9kgm
10.0km/L
5.41kg/PS
SC
4WD/8AT
SUV
5人乗り

レンジローバー ヴェラール
[P380]
2017/07モデル
車両型式CBA-LY3VA
最高出力381PS
最大トルク45.9kgm
JC08モード燃費10.0km/L
パワーウェイト5.41kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
ランドローバー
LW3SA
2015/10
レンジローバースポーツ
SE L494
[ABA-LW3SA]
340PS
45.9kgm
8.4km/L
6.62kg/PS
SC
4WD/8AT
SUV
5人乗り

レンジローバースポーツ
[SE L494]
2015/10モデル
車両型式ABA-LW3SA
最高出力340PS
最大トルク45.9kgm
JC08モード燃費8.4km/L
パワーウェイト6.62kg/PS
吸気方式SC
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
306PS型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全14車種

その他の306PS型エンジン型式と代表的な車種

306PS型
全11車種
ジャガー:Fタイプ [BaseGrade]
最高出力340PS/最大トルク45.9kgm
2013/05モデル
ジャガー
306PS型
全11車種
Fタイプ
[BaseGrade]
340PS/45.9kgm

ランドローバー製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】