ランドローバー:204DT型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1999cc]

ここではランドローバーのLY2NA型・レンジローバー ヴェラール [D180|2017/07モデル] に搭載されている204DT型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

204DT型のターボエンジン諸元


LY2NA型 レンジローバー ヴェラール
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式LDA-LY2NA型
車名&グレードレンジローバー ヴェラール
D180
エンジン型式204DT
種類直列4気筒
排気量1999cc
内径×行程83.0mm×92.4mm
ボアストローク比1.11
単気筒容積499.9cc
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力179PS/4000rpm
最大トルク43.8kgm/1750rpm

まず基本的な成り立ちとして、204DT型エンジンはボア(内径)83.0mm、ストローク(行程)92.4mm、ボアストローク比1.11のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
204DTのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷107.0PS → 179PS
トルクの変遷43.8kgm → 32.1kgm
リッター馬力89.5PS/L
リッタートルク21.9kgm/L

今回の参考車両であるレンジローバー ヴェラールの直列4気筒1999ccでディーゼル仕様のターボエンジンは、4000回転のとき最高出力179馬力を、4000回転のとき最大トルク43.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1750回転での馬力は107.0PS、最高出力が発生する4000回転でのトルクは32.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は89.5PS/L、トルクは21.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.9cc)あたりの馬力は44.8PS、トルクは10.9kgmです。

204DT型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 10 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
83.0mm92.4mm1999cc-1.11
ボアアップによる排気量拡大
83.5mm92.4mm2024cc-1.11
84.0mm2048cc-1.10
84.5mm2073cc-1.09
85.0mm2097cc-1.09
85.5mm2122cc-1.08
86.0mm2147cc-1.07
ストロークアップによる排気量拡大
83.0mm93.4mm2021cc-1.13
94.4mm2043cc-1.14
95.4mm2065cc-1.15
96.4mm2086cc-1.16
97.4mm2108cc-1.17

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の83.0mmから0.5mm刻みで86.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の92.4mmから1mm刻みで97.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。204DT型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.11から1.07に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

204DT型エンジンのピストン径83.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが30件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
M9R型
84.0mm
[+1.0mm]
2048cc
[+49cc]
日産
CD20ET型
84.5mm
[+1.5mm]
2073cc
[+74cc]
日産
CD20ETi型
84.5mm
[+1.5mm]
2073cc
[+74cc]
日産
CD20T型
84.5mm
[+1.5mm]
2073cc
[+74cc]
日産
VQ25DET型
85.0mm
[+2.0mm]
2097cc
[+98cc]
日産
RD28ETi型
85.0mm
[+2.0mm]
2097cc
[+98cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1750rpm
最高出力
4000rpm
92.4mm5.4m/s12.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.2m/s22km/h
4000rpm12.3m/s44km/h
6000rpm18.5m/s67km/h
8000rpm24.6m/s89km/h
10000rpm30.8m/s111km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが92.4mmのエンジンが最高出力を発生する4000回転での平均ピストンスピードは12.3m/sとなり、これは1秒間に12.3メートル(時速にすると44.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1750回転では5.4m/s、最高出力が発生する4000回転より500回転高い4500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は13.9m/sとなっています。

参考までにストロークが92.4mmの204DT型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6490回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


204DT型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ランドローバー
LY2NA
2017/07
レンジローバー ヴェラール
D180
[LDA-LY2NA]
179PS
43.8kgm
14.4km/L
11.28kg/PS
ターボ
4WD/8AT
SUV
5人乗り

レンジローバー ヴェラール
[D180]
2017/07モデル
車両型式LDA-LY2NA
最高出力179PS
最大トルク43.8kgm
JC08モード燃費14.4km/L
パワーウェイト11.28kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/8AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り

その他の204DT型エンジン型式と代表的な車種

204DT型
全3車種
ジャガー:Fペース [20d Pure]
最高出力179PS/最大トルク43.8kgm|2016/01モデル
204DT型
全3車種
ジャガー:Fペース
[20d Pure]
179PS/43.8kgm|2016/01