JEEP:6.1L型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒 6059cc]

ここではJEEPのWH型・グランドチェロキー [SRT8|2010/07モデル] に搭載されている6.1L型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

6.1L型の自然吸気エンジン諸元


WH型 グランドチェロキー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式WH型
車名&グレードグランドチェロキー
SRT8
エンジン型式6.1L
種類V型8気筒
排気量6059cc
内径×行程103.0mm×90.9mm
ボアストローク比0.88
単気筒容積757.4cc
圧縮比10.3
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力426PS/6000rpm
最大トルク58.0kgm/4600rpm

まず基本的な成り立ちとして、6.1L型エンジンはボア(内径)103.0mm、ストローク(行程)90.9mm、ボアストローク比0.88のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
6.1Lのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷372.5PS → 426PS
トルクの変遷58.0kgm → 50.9kgm
リッター馬力70.3PS/L
リッタートルク9.6kgm/L

今回の参考車両であるグランドチェロキーのV型8気筒6059cc、圧縮比10.3でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力426馬力を、6000回転のとき最大トルク58.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4600回転での馬力は372.5PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは50.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.3PS/L、トルクは9.6kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積757.4cc)あたりの馬力は53.2PS、トルクは7.2kgmです。

6.1L型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
103.090.96059cc10.30.88
ボアアップによる排気量拡大
103.590.96118cc10.40.88
104.06177cc10.50.87
104.56237cc10.60.87
105.06297cc10.70.87
105.56357cc10.80.86
106.06417cc10.90.86
ストロークアップによる排気量拡大
103.091.96126cc10.40.89
92.96192cc10.50.90
93.96259cc10.60.91
94.96326cc10.70.92
95.96392cc10.80.93

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の103.0mmから0.5mm刻みで106.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の90.9mmから1mm刻みで95.9mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.88からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。6.1L型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.88から0.86に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4600rpm
最高出力
6000rpm
90.9mm13.9m/s18.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.1m/s22km/h
4000rpm12.1m/s44km/h
6000rpm18.2m/s66km/h
8000rpm24.2m/s87km/h
10000rpm30.3m/s109km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが90.9mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは18.2m/sとなり、これは1秒間に18.2メートル(時速にすると65.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4600回転では13.9m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.7m/sとなっています。

参考までにストロークが90.9mmの6.1L型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.05m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6600回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


6.1L型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
JEEP
WH
2010/07
グランドチェロキー
SRT8
[WH]
426PS
58.0kgm
-
5.05kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
SUV
5人乗り

グランドチェロキー
[SRT8]
2010/07モデル
車両型式WH
最高出力426PS
最大トルク58.0kgm
パワーウェイト5.05kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り

JEEP製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】