いすゞ:F20B型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1997cc]

ここではいすゞのCJ3型・アスカ [LJ|2000/06モデル] に搭載されているF20B型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

F20B型の自然吸気エンジン諸元


CJ3型 アスカ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式LA-CJ3型
車名&グレードアスカ
LJ
エンジン型式F20B
種類直列4気筒
排気量1997cc
内径×行程85.0mm×88.0mm
ボアストローク比1.03
単気筒容積499.3cc
圧縮比9.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力150PS/6000rpm
最大トルク19.0kgm/5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、F20B型エンジンはボア(内径)85.0mm、ストローク(行程)88.0mm、ボアストローク比1.03のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、F20B型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1994/03から発売された3代目アスカ [CJ1型|1996/07]、最も新しい車種は1997/11から発売された4代目アスカ [CJ3型|2000/06]となっており、NA車は4車種、ターボ/SC車は0車種の全4車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
F20Bのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷132.6PS → 150PS
トルクの変遷19.0kgm → 17.9kgm
リッター馬力75.1PS/L
リッタートルク9.5kgm/L

今回の参考車両であるアスカの直列4気筒1997cc、圧縮比9.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力150馬力を、6000回転のとき最大トルク19.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5000回転での馬力は132.6PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは17.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は75.1PS/L、トルクは9.5kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.3cc)あたりの馬力は37.5PS、トルクは4.8kgmです。

F20B型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
85.0mm88.0mm1997cc9.01.03
ボアアップによる排気量拡大
85.5mm88.0mm2021cc9.11.03
86.0mm2045cc9.21.02
86.5mm2068cc9.31.02
87.0mm2092cc9.41.01
87.5mm2117cc9.51.01
88.0mm2141cc9.61.00
ストロークアップによる排気量拡大
85.0mm89.0mm2020cc9.11.05
90.0mm2043cc9.21.06
91.0mm2065cc9.31.07
92.0mm2088cc9.41.08
93.0mm2111cc9.51.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の85.0mmから0.5mm刻みで88.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の88.0mmから1mm刻みで93.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。F20B型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.03から1.00に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

F20B型エンジンのピストン径85.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが83件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
SR16VE型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
トヨタ
1JZ-FSE型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
トヨタ
1JZ-GE型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
ホンダ
J25A型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
日産
RB25DE型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]
日産
RB26DE型
86.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+48cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5000rpm
最高出力
6000rpm
88.0mm14.7m/s17.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.7m/s42km/h
6000rpm17.6m/s63km/h
8000rpm23.5m/s85km/h
10000rpm29.3m/s105km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが88.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは17.6m/sとなり、これは1秒間に17.6メートル(時速にすると63.4km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5000回転では14.7m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.1m/sとなっています。

参考までにストロークが88.0mmのF20B型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.85m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6820回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


F20B型エンジンを搭載する車種の例

全4車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりF20B型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
いすゞ
CJ3
2000/06
アスカ
LJ
[LA-CJ3]
150PS
19.0kgm
13.8km/L
8.47kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

アスカ
[LJ]
2000/06モデル
車両型式LA-CJ3
最高出力150PS
最大トルク19.0kgm
10-15モード燃費13.8km/L
パワーウェイト8.47kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
いすゞ
CJ3
2000/06
アスカ
LJ
[LA-CJ3]
150PS
19.0kgm
12.4km/L
8.67kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

アスカ
[LJ]
2000/06モデル
車両型式LA-CJ3
最高出力150PS
最大トルク19.0kgm
10-15モード燃費12.4km/L
パワーウェイト8.67kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
いすゞ
CJ1
1996/07
アスカ
LJ
[E-CJ1]
135PS
18.5kgm
11.6km/L
9.48kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

アスカ
[LJ]
1996/07モデル
車両型式E-CJ1
最高出力135PS
最大トルク18.5kgm
10-15モード燃費11.6km/L
パワーウェイト9.48kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
F20B型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全14車種

その他のF20B型エンジン型式と代表的な車種

F20B型
全10車種
ホンダ:アコード [SiR]
最高出力180PS/最大トルク19.6kgm|2001/05モデル
F20B型
全10車種
ホンダ:アコード
[SiR]
180PS/19.6kgm|2001/05