いすゞ:F18B型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1849cc]

ここではいすゞのCJ2型・アスカ [LF|2000/06モデル] に搭載されているF18B型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

F18B型の自然吸気エンジン諸元


CJ2型 アスカ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GH-CJ2型
車名&グレードアスカ
LF
エンジン型式F18B
種類直列4気筒
排気量1849cc
内径×行程85.0mm×81.5mm
ボアストローク比0.96
単気筒容積462.5cc
圧縮比9.3
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力140PS/6100rpm
最大トルク17.2kgm/5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、F18B型エンジンはボア(内径)85.0mm、ストローク(行程)81.5mm、ボアストローク比0.96のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにてF18B型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1997/11から発売された4代目アスカ [CJ2型|2000/06]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
F18Bのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷120.1PS → 140PS
トルクの変遷17.2kgm → 16.4kgm
リッター馬力75.7PS/L
リッタートルク9.3kgm/L

今回の参考車両であるアスカの直列4気筒1849cc、圧縮比9.3でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6100回転のとき最高出力140馬力を、6100回転のとき最大トルク17.2kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5000回転での馬力は120.1PS、最高出力が発生する6100回転でのトルクは16.4kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は75.7PS/L、トルクは9.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積462.5cc)あたりの馬力は35.0PS、トルクは4.3kgmです。

F18B型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
85.081.51849cc9.30.96
ボアアップによる排気量拡大
85.581.51872cc9.40.95
86.01894cc9.50.95
86.51916cc9.60.94
87.01938cc9.70.94
87.51960cc9.80.93
88.01983cc9.90.93
ストロークアップによる排気量拡大
85.082.51873cc9.40.97
83.51895cc9.50.98
84.51918cc9.60.99
85.51941cc9.71.01
86.51963cc9.81.02

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の85.0mmから0.5mm刻みで88.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の81.5mmから1mm刻みで86.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.96からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。F18B型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.96から0.93に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

F18B型エンジンのピストン径85.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが58件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
SR20型
86.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+45cc]
トヨタ
3S型
86.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+45cc]
トヨタ
1JZ型
86.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+45cc]
日産
RB25型
86.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+45cc]
トヨタ
1AZ型
86.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+45cc]
トヨタ
2JZ型
86.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+45cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:HP12型プリメーラに搭載されるSR20型1998ccの86.0mm、トヨタ:SXE10型ビスタ アルデオに搭載される3S型1998ccの86.0mm、トヨタ:JZS171型クラウンに搭載される1JZ型2491ccの86.0mm、日産:ER34型スカイライン セダンに搭載されるRB25型2498ccの86.0mm、トヨタ:AZR60G型ヴォクシーに搭載される1AZ型1998ccの86.0mm、トヨタ:JZS177型クラウン マジェスタに搭載される2JZ型2997ccの86.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5000rpm
最高出力
6100rpm
81.5mm13.6m/s16.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.4m/s19km/h
4000rpm10.9m/s39km/h
6000rpm16.3m/s59km/h
8000rpm21.7m/s78km/h
10000rpm27.2m/s98km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが81.5mmのエンジンが最高出力を発生する6100回転での平均ピストンスピードは16.6m/sとなり、これは1秒間に16.6メートル(時速にすると59.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5000回転では13.6m/s、最高出力が発生する6100回転より500回転高い6600回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.9m/sとなっています。

参考までにストロークが81.5mmのF18B型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.45m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7360回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


F18B型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
いすゞ
CJ2
2000/06
アスカ
LF
[GH-CJ2]
140PS
17.2kgm
14.6km/L
9.07kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

アスカ
[LF]
2000/06モデル
車両型式GH-CJ2
最高出力140PS
最大トルク17.2kgm
10-15モード燃費14.6km/L
パワーウェイト9.07kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
いすゞ
CJ2
2000/06
アスカ
LF
[GH-CJ2]
140PS
17.2kgm
16.2km/L
8.86kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

アスカ
[LF]
2000/06モデル
車両型式GH-CJ2
最高出力140PS
最大トルク17.2kgm
10-15モード燃費16.2km/L
パワーウェイト8.86kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

その他のF18B型エンジン型式と代表的な車種

F18B型
全6車種
ホンダ:アコード [1.8VTE]
最高出力140PS/最大トルク17.2kgm
2001/05モデル
ホンダ
F18B型
全6車種
アコード
[1.8VTE]
140PS/17.2kgm

いすゞ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】