いすゞ:4JG2型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 3059cc]

ここではいすゞのUBS69G型・ビッグホーン [Irmscher 7人乗|1996/07モデル] に搭載されている4JG2型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4JG2型のターボエンジン諸元


UBS69G型 ビッグホーン
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式KD-UBS69GW型
車名&グレードビッグホーン
Irmscher 7人乗
エンジン型式4JG2
種類直列4気筒
排気量3059cc
内径×行程95.4mm×107.0mm
ボアストローク比1.12
単気筒容積764.8cc
圧縮比20.0
吸気方式ターボ
使用燃料ディーゼル
最高出力135PS/3600rpm
最大トルク30.0kgm/2000rpm

まず基本的な成り立ちとして、4JG2型エンジンはボア(内径)95.4mm、ストローク(行程)107.0mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4JG2型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、1991/12から発売された2代目ビッグホーン [UBS69GW型|1996/07]、最も新しい車種は1995/12から発売された初代ミュー ウィザード [UCS69GW型|1997/05]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は5車種の全5車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4JG2のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷83.8PS → 135PS
トルクの変遷30.0kgm → 26.9kgm
リッター馬力44.1PS/L
リッタートルク9.8kgm/L

今回の参考車両であるビッグホーンの直列4気筒3059cc、圧縮比20.0でディーゼル仕様のターボエンジンは、3600回転のとき最高出力135馬力を、3600回転のとき最大トルク30.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2000回転での馬力は83.8PS、最高出力が発生する3600回転でのトルクは26.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は44.1PS/L、トルクは9.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積764.8cc)あたりの馬力は33.8PS、トルクは7.5kgmです。

4JG2型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 2 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、4JG2型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはUBS69GW型ビッグホーンの135PS/30.0kgm、最も小さかったのはUCS69GW型ミュー ウィザードの125PS/29.0kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
95.4107.03059cc20.01.12
ボアアップによる排気量拡大
95.9107.03091cc20.21.12
96.43124cc20.41.11
96.93156cc20.61.10
97.43189cc20.81.10
97.93222cc21.01.09
98.43255cc21.21.09
ストロークアップによる排気量拡大
95.4108.03088cc20.21.13
109.03116cc20.31.14
110.03145cc20.51.15
111.03174cc20.71.16
112.03202cc20.91.17

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の95.4mmから0.5mm刻みで98.4mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の107.0mmから1mm刻みで112.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。4JG2型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

4JG2型エンジンのピストン径95.4mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが6件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1KZ型
96.0mm
[+0.6mm]
3098cc
[+39cc]
日産
ZD30型
96.0mm
[+0.6mm]
3098cc
[+39cc]
トヨタ
1KD型
96.0mm
[+0.6mm]
3098cc
[+39cc]
日産
TD27型
96.0mm
[+0.6mm]
3098cc
[+39cc]
日産
TD42型
96.0mm
[+0.6mm]
3098cc
[+39cc]
スバル
EJ22型
96.9mm
[+1.5mm]
3156cc
[+97cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:KZN185W型ハイラックスサーフに搭載される1KZ型2982ccの96.0mm、日産:WTY61型サファリに搭載されるZD30型2953ccの96.0mm、トヨタ:KDJ120W型ランドクルーザー プラドに搭載される1KD型2982ccの96.0mm、日産:R20型ミストラルに搭載されるTD27型2663ccの96.0mm、日産:WRGY61型サファリに搭載されるTD42型4169ccの96.0mm、スバル:GC8改型インプレッサに搭載されるEJ22型2212ccの96.9mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 3500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 3500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 3500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 3500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [3500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [3500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2000rpm
最高出力
3600rpm
107.0mm7.1m/s12.8m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm7.1m/s26km/h
4000rpm14.3m/s51km/h
6000rpm21.4m/s77km/h
8000rpm28.5m/s103km/h
10000rpm35.7m/s129km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが107.0mmのエンジンが最高出力を発生する3600回転での平均ピストンスピードは12.8m/sとなり、これは1秒間に12.8メートル(時速にすると46.1km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2000回転では7.1m/s、最高出力が発生する3600回転より500回転高い4100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.6m/sとなっています。

参考までにストロークが107.0mmの4JG2型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね7.15m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)5610回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4JG2型エンジンを搭載する車種の例

全5車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクより4JG2型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
いすゞ
UBS69G
1996/07
ビッグホーン
Irmscher 7人乗
[KD-UBS69GW]
135PS
30.0kgm
-
15.33kg/PS
ターボ
4WD/4AT
SUV
7人乗り

ビッグホーン
[Irmscher 7人乗]
1996/07モデル
車両型式KD-UBS69GW
最高出力135PS
最大トルク30.0kgm
パワーウェイト15.33kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/7人乗り
いすゞ
UBS69G
1996/07
ビッグホーン
Irmscher 7人乗
[KD-UBS69GW]
135PS
30.0kgm
-
15.11kg/PS
ターボ
4WD/5MT
SUV
7人乗り

ビッグホーン
[Irmscher 7人乗]
1996/07モデル
車両型式KD-UBS69GW
最高出力135PS
最大トルク30.0kgm
パワーウェイト15.11kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員SUV/7人乗り
いすゞ
UCS69G
1997/05
ミュー ウィザード
type-E
[KD-UCS69GW]
125PS
29.0kgm
-
15.36kg/PS
ターボ
4WD/4AT
SUV
5人乗り

ミュー ウィザード
[type-E]
1997/05モデル
車両型式KD-UCS69GW
最高出力125PS
最大トルク29.0kgm
パワーウェイト15.36kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
4JG2型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全11車種

その他の4JG2型エンジン型式と代表的な車種

4JG2型
全6車種
ホンダ:ホライゾン [XS 5人乗り]
最高出力135PS/最大トルク30.0kgm
1996/09モデル
ホンダ
4JG2型
全6車種
ホライゾン
[XS 5人乗り]
135PS/30.0kgm

いすゞ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】