ホンダ:S07B型ターボエンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 658cc]

ここではホンダのJF3型・N-BOX Custom [G L-Turbo|2017/09モデル] に搭載されているS07B型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

S07B型のターボエンジン諸元


JF3型 N-BOX Custom
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-JF3型
車名&グレードN-BOX Custom
G L-Turbo
エンジン型式S07B
種類直列3気筒
排気量658cc
内径×行程60.0mm×77.6mm
ボアストローク比1.29
単気筒容積219.4cc
圧縮比9.8
吸気方式ターボ
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力64PS/6000rpm
最大トルク10.6kgm/2600rpm

まず基本的な成り立ちとして、S07B型エンジンはボア(内径)60.0mm、ストローク(行程)77.6mm、ボアストローク比1.29のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、S07B型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2017/09から発売された2代目N-BOX Custom [JF3型|2017/09]、最も新しい車種は2019/07から発売された2代目N-WGN [JH4型|2019/07]となっており、8車種のターボ/SC車が登録されています。

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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
S07Bのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷38.5PS → 64PS
トルクの変遷10.6kgm → 7.6kgm
リッター馬力97.3PS/L
リッタートルク16.1kgm/L

今回の参考車両であるN-BOX Customの直列3気筒658cc、圧縮比9.8でレギュラーガソリン仕様のターボエンジンは、6000回転のとき最高出力64馬力を、6000回転のとき最大トルク10.6kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2600回転での馬力は38.5PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは7.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は97.3PS/L、トルクは16.1kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積219.4cc)あたりの馬力は21.3PS、トルクは3.5kgmです。

S07B型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 7 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
60.077.6658cc9.81.29
ボアアップによる排気量拡大
60.577.6669cc10.01.28
61.0680cc10.11.27
61.5692cc10.31.26
62.0703cc10.41.25
62.5714cc10.61.24
63.0726cc10.71.23
ストロークアップによる排気量拡大
60.078.6667cc9.91.31
79.6675cc10.01.33
80.6684cc10.21.34
81.6692cc10.31.36
82.6701cc10.41.38

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の60.0mmから0.5mm刻みで63.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の77.6mmから1mm刻みで82.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。S07B型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.29から1.23に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

S07B型エンジンのピストン径60.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが5件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ダイハツ
JB型
61.0mm
[+1.0mm]
680cc
[+22cc]
ダイハツ
JC型
61.0mm
[+1.0mm]
680cc
[+22cc]
三菱
3G81型
62.3mm
[+2.3mm]
710cc
[+52cc]
日産
BR06型
62.7mm
[+2.7mm]
719cc
[+61cc]
トヨタ
KF型
63.0mm
[+3.0mm]
726cc
[+68cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ダイハツ:L512S型ミラに搭載されるJB型659ccの61.0mm、ダイハツ:M112S型ストーリアに搭載されるJC型713ccの61.0mm、三菱:H21A型ミニカに搭載される3G81型548ccの62.3mm、日産:B45W型デイズ ハイウェイスターに搭載されるBR06型659ccの62.7mm、トヨタ:LA700A型プレオに搭載されるKF型658ccの63.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2600rpm
最高出力
6000rpm
77.6mm6.7m/s15.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s19km/h
4000rpm10.3m/s37km/h
6000rpm15.5m/s56km/h
8000rpm20.7m/s75km/h
10000rpm25.9m/s93km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが77.6mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは15.5m/sとなり、これは1秒間に15.5メートル(時速にすると55.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2600回転では6.7m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.8m/sとなっています。

参考までにストロークが77.6mmのS07B型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.17m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7730回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


S07B型ターボエンジンを搭載する車種の例

全8車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ホンダ
JF3
2017/09
N-BOX Custom
G L-Turbo
[DBA-JF3]
64PS
10.6kgm
25.0km/L
14.53kg/PS
ターボ
FF/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-BOX Custom
[G L-Turbo]
2017/09モデル
車両型式DBA-JF3
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
JC08モード燃費25.0km/L
パワーウェイト14.53kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JF4
2017/09
N-BOX
G EX-Turbo
[DBA-JF4]
64PS
10.6kgm
23.4km/L
15.63kg/PS
ターボ
4WD/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-BOX
[G EX-Turbo]
2017/09モデル
車両型式DBA-JF4
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
JC08モード燃費23.4km/L
パワーウェイト15.63kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JF3
2017/09
N-BOX
G L-Turbo
[DBA-JF3]
64PS
10.6kgm
25.6km/L
14.22kg/PS
ターボ
FF/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-BOX
[G L-Turbo]
2017/09モデル
車両型式DBA-JF3
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
JC08モード燃費25.6km/L
パワーウェイト14.22kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JF4
2017/09
N-BOX Custom
G EX-Turbo
[DBA-JF4]
64PS
10.6kgm
23.0km/L
15.94kg/PS
ターボ
4WD/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-BOX Custom
[G EX-Turbo]
2017/09モデル
車両型式DBA-JF4
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
JC08モード燃費23.0km/L
パワーウェイト15.94kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JH4
N-WGN Custom
L-Turbo
64PS
10.6kgm
20.0km/L
14.53kg/PS
ターボ
4WD/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-WGN Custom
[L-Turbo]
2019/07モデル
車両型式6BA-JH4
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
WLTCモード燃費20.0km/L
JC08モード燃費23.8km/L
パワーウェイト14.53kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JH4
N-WGN
L-Turbo
64PS
10.6kgm
20.4km/L
14.38kg/PS
ターボ
4WD/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-WGN
[L-Turbo]
2019/07モデル
車両型式6BA-JH4
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
WLTCモード燃費20.4km/L
JC08モード燃費24.2km/L
パワーウェイト14.38kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機4WD/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JH3
N-WGN Custom
L-Turbo
64PS
10.6kgm
21.2km/L
13.59kg/PS
ターボ
FF/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-WGN Custom
[L-Turbo]
2019/07モデル
車両型式6BA-JH3
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
WLTCモード燃費21.2km/L
JC08モード燃費25.2km/L
パワーウェイト13.59kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JH3
N-WGN
L-Turbo
64PS
10.6kgm
22.0km/L
13.44kg/PS
ターボ
FF/CVT
軽ミニバン
4人乗り

N-WGN
[L-Turbo]
2019/07モデル
車両型式6BA-JH3
最高出力64PS
最大トルク10.6kgm
WLTCモード燃費22.0km/L
JC08モード燃費25.8km/L
パワーウェイト13.44kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り

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