ホンダ:P07A型ターボエンジンの諸元と性能まとめ [直列3気筒 658cc]

ここではホンダのJB7型・ライフ [DIVA Turbo|2006/10モデル] に搭載されているP07A型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

P07A型のターボエンジン諸元


JB7型 ライフ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-JB7型
車名&グレードライフ
DIVA Turbo
エンジン型式P07A
種類直列3気筒
排気量658cc
内径×行程71.0mm×55.4mm
ボアストローク比0.78
単気筒容積219.3cc
圧縮比8.5
吸気方式ターボ
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力64PS/6000rpm
最大トルク9.5kgm/4000rpm

まず基本的な成り立ちとして、P07A型エンジンはボア(内径)71.0mm、ストローク(行程)55.4mm、ボアストローク比0.78のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、P07A型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は、2003/09から発売された4代目ライフ [JB7型|2006/10]、最も新しい車種は2008/12から発売された初代ゼスト スパーク [JE1型|2011/02]となっており、8車種のターボ/SC車が登録されています。

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過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
P07Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷53.0PS → 64PS
トルクの変遷9.5kgm → 7.6kgm
リッター馬力97.3PS/L
リッタートルク14.4kgm/L

今回の参考車両であるライフの直列3気筒658cc、圧縮比8.5でレギュラーガソリン仕様のターボエンジンは、6000回転のとき最高出力64馬力を、6000回転のとき最大トルク9.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4000回転での馬力は53.0PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは7.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は97.3PS/L、トルクは14.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積219.3cc)あたりの馬力は21.3PS、トルクは3.2kgmです。

P07A型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
71.055.4658cc8.50.78
ボアアップによる排気量拡大
71.555.4667cc8.60.77
72.0677cc8.70.77
72.5686cc8.80.76
73.0696cc8.90.76
73.5705cc9.00.75
74.0715cc9.20.75
ストロークアップによる排気量拡大
71.056.4670cc8.60.79
57.4682cc8.80.81
58.4694cc8.90.82
59.4706cc9.00.84
60.4717cc9.20.85

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の71.0mmから0.5mm刻みで74.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の55.4mmから1mm刻みで60.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.78からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。P07A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.78から0.75に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

P07A型エンジンのピストン径71.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
K3型
72.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+19cc]
ダイハツ
KJ型
72.0mm
[+1.0mm]
677cc
[+19cc]
トヨタ
1NR型
72.5mm
[+1.5mm]
686cc
[+28cc]
ホンダ
L15B型
73.0mm
[+2.0mm]
696cc
[+38cc]
ホンダ
LEA型
73.0mm
[+2.0mm]
696cc
[+38cc]
スズキ
K10C型
73.0mm
[+2.0mm]
696cc
[+38cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:J102E型キャミに搭載されるK3型1297ccの72.0mm、ダイハツ:M312S型ブーンに搭載されるKJ型936ccの72.0mm、トヨタ:NGJ10型iQに搭載される1NR型1329ccの72.5mm、ホンダ:GK5型フィットに搭載されるL15B型1496ccの73.0mm、ホンダ:ZF2型CR-Zに搭載されるLEA型1496ccの73.0mm、スズキ:WB42S型バレーノに搭載されるK10C型996ccの73.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4000rpm
最高出力
6000rpm
55.4mm7.4m/s11.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm3.7m/s13km/h
4000rpm7.4m/s27km/h
6000rpm11.1m/s40km/h
8000rpm14.8m/s53km/h
10000rpm18.5m/s67km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが55.4mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは11.1m/sとなり、これは1秒間に11.1メートル(時速にすると40.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4000回転では7.4m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は12.0m/sとなっています。

参考までにストロークが55.4mmのP07A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね3.70m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)10830回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


P07A型ターボエンジンを搭載する車種の例

全8車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりP07A型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ホンダ
JB7
2006/10
ライフ
DIVA Turbo
[DBA-JB7]
64PS
9.5kgm
18.2km/L
13.750kg/PS
ターボ
FF/4AT
軽ミニバン
4人乗り

ライフ
[DIVA Turbo]
2006/10モデル
車両型式DBA-JB7
最高出力64PS
最大トルク9.5kgm
10-15モード燃費18.2km/L
パワーウェイト13.750kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JE1
2011/02
ゼスト スパーク
W-Turbo
[DBA-JE1]
64PS
9.5kgm
17.4km/L
14.375kg/PS
ターボ
FF/4AT
軽ミニバン
4人乗り

ゼスト スパーク
[W-Turbo]
2011/02モデル
車両型式DBA-JE1
最高出力64PS
最大トルク9.5kgm
JC08モード燃費17.4km/L
10-15モード燃費19.6km/L
パワーウェイト14.375kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
ホンダ
JC1
2010/11
ライフ
DIVA Turbo Smart-Style
[DBA-JC1]
64PS
9.5kgm
17.6km/L
13.594kg/PS
ターボ
FF/4AT
軽ミニバン
4人乗り

ライフ
[DIVA Turbo Smart-Style]
2010/11モデル
車両型式DBA-JC1
最高出力64PS
最大トルク9.5kgm
JC08モード燃費17.6km/L
10-15モード燃費19.6km/L
パワーウェイト13.594kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員軽ミニバン/4人乗り
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