ホンダ:LFC-H4型エンジンの諸元と性能まとめ [直4+モーター 1993cc]

ここではホンダのFL4型・シビック e:HEV [e:HEV|2022/07モデル] に搭載されているLFC-H4型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

LFC-H4型の自然吸気エンジン諸元


FL4型 シビック e:HEV
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式6AA-FL4型
車名&グレードシビック e:HEV
e:HEV
エンジン型式LFC-H4
種類直4+モーター
排気量1993cc
内径×行程81.0mm×96.7mm
ボアストローク比1.19
単気筒容積498.3cc
圧縮比13.9
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力141PS/6000rpm
最大トルク18.6kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、LFC型エンジンはボア(内径)81.0mm、ストローク(行程)96.7mm、ボアストローク比1.19のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、LFC-H4型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2021/08から発売された11代目シビック e:HEV [FL4型|2022/07]、最も新しい車種は2023/04から発売された初代ZR-V e:HEV [RZ4型|2023/04]となっており、NA車は3車種、ターボ/SC車は0車種の全3車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
LFCのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷116.8PS → 141PS
トルクの変遷18.6kgm → 16.8kgm
リッター馬力70.75PS/L
リッタートルク9.3kgm/L

今回の参考車両であるシビック e:HEVの直4+モーター1993cc、圧縮比13.9でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力141馬力を、6000回転のとき最大トルク18.6kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は116.8PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは16.8kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は70.75PS/L、トルクは9.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積498.3cc)あたりの馬力は35.2PS、トルクは4.7kgmです。

LFC型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
81.096.71993cc13.91.19
ボアアップによる排気量拡大
81.596.72018cc14.11.19
82.02043cc14.21.18
82.52068cc14.41.17
83.02093cc14.51.17
83.52118cc14.71.16
84.02143cc14.91.15
ストロークアップによる排気量拡大
81.097.72014cc14.01.21
98.72034cc14.21.22
99.72055cc14.31.23
100.72076cc14.41.24
101.72096cc14.61.26

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の81.0mmから0.5mm刻みで84.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の96.7mmから1mm刻みで101.7mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。LFC型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.19から1.15に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

LFC型エンジンのピストン径81.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが27件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
GY型
81.6mm
[+0.6mm]
2023cc
[+30cc]
ロータス
2ZZ型
82.0mm
[+1.0mm]
2043cc
[+50cc]
ホンダ
G20A型
82.0mm
[+1.0mm]
2043cc
[+50cc]
ホンダ
C20A型
82.0mm
[+1.0mm]
2043cc
[+50cc]
三菱
4G61型
82.3mm
[+1.3mm]
2058cc
[+65cc]
日産
SR18型
82.5mm
[+1.5mm]
2068cc
[+75cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:LW5W型MPVに搭載されるGY型2494ccの81.6mm、ロータス:1117型エキシージに搭載される2ZZ型1795ccの82.0mm、ホンダ:CC3型ビガーに搭載されるG20A型1996ccの82.0mm、ホンダ:KA5型レジェンドに搭載されるC20A型1996ccの82.0mm、三菱:C53A型ミラージュ サイボーグRSに搭載される4G61型1595ccの82.3mm、日産:HB14型ブルーバードに搭載されるSR18型1838ccの82.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
6000rpm
96.7mm14.5m/s19.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.4m/s23km/h
4000rpm12.9m/s46km/h
6000rpm19.3m/s69km/h
8000rpm25.8m/s93km/h
10000rpm32.2m/s116km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが96.7mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは19.3m/sとなり、これは1秒間に19.3メートル(時速にすると69.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では14.5m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.0m/sとなっています。

参考までにストロークが96.7mmのLFC型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.45m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6200回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


LFC-H4型エンジンを搭載する車種の例

全3車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ホンダ
FL4
2022/07
シビック e:HEV
e:HEV
[6AA-FL4]
141PS
18.6kgm
24.2km/L
10.355kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ハッチバック
5人乗り
車両型式:6AA-FL4

シビック e:HEV
[e:HEV]
2022/07モデル
最高出力141PS
最大トルク18.6kgm
WLTCモード燃費24.2km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りハッチバック
FF/CVT
ホンダ
RZ4
2023/04
ZR-V e:HEV
X
[6AA-RZ4]
141PS
18.6kgm
22.1km/L
11.064kg/PS
自然吸気
FF/CVT
SUV
5人乗り
車両型式:6AA-RZ4

ZR-V e:HEV
[X]
2023/04モデル
最高出力141PS
最大トルク18.6kgm
WLTCモード燃費22.1km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りSUV
FF/CVT
ホンダ
RZ6
2023/04
ZR-V e:HEV
X
[6AA-RZ6]
141PS
18.6kgm
21.7km/L
11.418kg/PS
自然吸気
4WD/CVT
SUV
5人乗り
車両型式:6AA-RZ6

ZR-V e:HEV
[X]
2023/04モデル
最高出力141PS
最大トルク18.6kgm
WLTCモード燃費21.7km/L
吸気方式自然吸気
車体構成5人乗りSUV
4WD/CVT

ホンダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】