ホンダ:L15C型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1496cc]

ここではホンダのFK7型・シビック [Hatchback|2017/09モデル] に搭載されているL15C型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

L15C型のターボエンジン諸元


FK7型 シビック
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-FK7型
車名&グレードシビック
Hatchback
エンジン型式L15C
種類直列4気筒
排気量1496cc
内径×行程73.0mm×89.4mm
ボアストローク比1.23
単気筒容積374.2cc
圧縮比10.6
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力182PS/5500rpm
最大トルク24.5kgm/1900-5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、L15C型エンジンはボア(内径)73.0mm、ストローク(行程)89.4mm、ボアストローク比1.23のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにてL15C型のターボエンジンを搭載している車種は、2017/09から発売された10代目シビック [FK7型|2017/09]となっており、NA車は0車種、ターボ/SC車は2車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
L15Cのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷65.0PS → 182PS
トルクの変遷24.5kgm → 23.7kgm
リッター馬力121.7PS/L
リッタートルク16.4kgm/L

今回の参考車両であるシビックの直列4気筒1496cc、圧縮比10.6でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5500回転のとき最高出力182馬力を、5500回転のとき最大トルク24.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1900回転での馬力は65.0PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは23.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は121.7PS/L、トルクは16.4kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.2cc)あたりの馬力は45.5PS、トルクは6.1kgmです。

L15C型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 7 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
73.089.41496cc10.61.23
ボアアップによる排気量拡大
73.589.41517cc10.71.22
74.01538cc10.81.21
74.51559cc11.01.20
75.01580cc11.11.19
75.51601cc11.31.18
76.01622cc11.41.18
ストロークアップによる排気量拡大
73.090.41513cc10.71.24
91.41530cc10.81.25
92.41547cc10.91.27
93.41564cc11.01.28
94.41580cc11.11.29

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の73.0mmから0.5mm刻みで76.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の89.4mmから1mm刻みで94.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。L15C型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.23から1.18に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

L15C型エンジンのピストン径73.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが10件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
4E型
74.0mm
[+1.0mm]
1538cc
[+42cc]
トヨタ
1N型
74.0mm
[+1.0mm]
1538cc
[+42cc]
マツダ
JF型
74.0mm
[+1.0mm]
1538cc
[+42cc]
トヨタ
1NZ型
75.0mm
[+2.0mm]
1580cc
[+84cc]
トヨタ
1G型
75.0mm
[+2.0mm]
1580cc
[+84cc]
三菱
4B40型
75.0mm
[+2.0mm]
1580cc
[+84cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:EP82型スターレットに搭載される4E型1331ccの74.0mm、トヨタ:NL50型コルサに搭載される1N型1453ccの74.0mm、マツダ:HCFS型ルーチェに搭載されるJF型1997ccの74.0mm、トヨタ:NZE127型WiLL VSに搭載される1NZ型1496ccの75.0mm、トヨタ:GX81型チェイサーに搭載される1G型1988ccの75.0mm、三菱:GK1W型エクリプス クロスに搭載される4B40型1498ccの75.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1900rpm
最高出力
5500rpm
89.4mm5.7m/s16.4m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s22km/h
4000rpm11.9m/s43km/h
6000rpm17.9m/s64km/h
8000rpm23.8m/s86km/h
10000rpm29.8m/s107km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.4mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは16.4m/sとなり、これは1秒間に16.4メートル(時速にすると59.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1900回転では5.7m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.9m/sとなっています。

参考までにストロークが89.4mmのL15C型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6710回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


L15C型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ホンダ
FK7
2017/09
シビック
Hatchback
[DBA-FK7]
182PS
22.4kgm
18.0km/L
7.42kg/PS
ターボ
FF/CVT
ハッチバック
5人乗り

シビック
[Hatchback]
2017/09モデル
車両型式DBA-FK7
最高出力182PS
最大トルク22.4kgm
JC08モード燃費18.0km/L
パワーウェイト7.42kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
ホンダ
FK7
2017/09
シビック
Hatchback
[DBA-FK7]
182PS
24.5kgm
17.4km/L
7.25kg/PS
ターボ
FF/6MT
ハッチバック
5人乗り

シビック
[Hatchback]
2017/09モデル
車両型式DBA-FK7
最高出力182PS
最大トルク24.5kgm
JC08モード燃費17.4km/L
パワーウェイト7.25kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り

ホンダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】