ホンダ:L15A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1496cc]

ここではホンダのGE8型・フィット [RS|2010/10モデル] に搭載されているL15A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

L15A型の自然吸気エンジン諸元


GE8型 フィット
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-GE8型
車名&グレードフィット
RS
エンジン型式L15A
種類直列4気筒
排気量1496cc
内径×行程73.0mm×89.4mm
ボアストローク比1.23
単気筒容積374.2cc
圧縮比10.4
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力120PS/6600rpm
最大トルク14.8kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、L15A型エンジンはボア(内径)73.0mm、ストローク(行程)89.4mm、ボアストローク比1.23のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、L15A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2002/12から発売された初代フィット アリア [GD8型|2004/04]、最も新しい車種は2011/06から発売された2代目フィット シャトル [GG7型|2011/08]となっており、NA車は26車種、ターボ/SC車は0車種の全26車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
L15Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷99.2PS → 120PS
トルクの変遷14.8kgm → 13.0kgm
リッター馬力80.2PS/L
リッタートルク9.9kgm/L

今回の参考車両であるフィットの直列4気筒1496cc、圧縮比10.4でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6600回転のとき最高出力120馬力を、6600回転のとき最大トルク14.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は99.2PS、最高出力が発生する6600回転でのトルクは13.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は80.2PS/L、トルクは9.9kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.2cc)あたりの馬力は30.0PS、トルクは3.7kgmです。

L15A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 7 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、L15A型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはGE8型フィットの120PS/14.8kgm、最も小さかったのはGB1型モビリオの90PS/13.4kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
73.089.41496cc10.41.23
ボアアップによる排気量拡大
73.589.41517cc10.51.22
74.01538cc10.61.21
74.51559cc10.81.20
75.01580cc10.91.19
75.51601cc11.11.18
76.01622cc11.21.18
ストロークアップによる排気量拡大
73.090.41513cc10.51.24
91.41530cc10.61.25
92.41547cc10.71.27
93.41564cc10.81.28
94.41580cc10.91.29

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の73.0mmから0.5mm刻みで76.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の89.4mmから1mm刻みで94.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。L15A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.23から1.18に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

L15A型エンジンのピストン径73.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが37件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
日産
GA15型
73.6mm
[+0.6mm]
1521cc
[+25cc]
日産
QG15型
73.6mm
[+0.6mm]
1521cc
[+25cc]
ホンダ
D13C型
73.7mm
[+0.7mm]
1525cc
[+29cc]
トヨタ
4E型
74.0mm
[+1.0mm]
1538cc
[+42cc]
トヨタ
5E型
74.0mm
[+1.0mm]
1538cc
[+42cc]
スズキ
G13B型
74.0mm
[+1.0mm]
1538cc
[+42cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、日産:WFGY10型ラシーンに搭載されるGA15型1497ccの73.6mm、日産:FB15型ファミリアビジネスワゴンに搭載されるQG15型1497ccの73.6mm、ホンダ:GA2型シティに搭載されるD13C型1296ccの73.7mm、トヨタ:EL41型カローラIIに搭載される4E型1331ccの74.0mm、トヨタ:EL44型サイノスに搭載される5E型1496ccの74.0mm、スズキ:AA34S型カルタスに搭載されるG13B型1298ccの74.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6600rpm
89.4mm14.3m/s19.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.0m/s22km/h
4000rpm11.9m/s43km/h
6000rpm17.9m/s64km/h
8000rpm23.8m/s86km/h
10000rpm29.8m/s107km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.4mmのエンジンが最高出力を発生する6600回転での平均ピストンスピードは19.7m/sとなり、これは1秒間に19.7メートル(時速にすると70.9km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では14.3m/s、最高出力が発生する6600回転より500回転高い7100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.2m/sとなっています。

参考までにストロークが89.4mmのL15A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6710回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


L15A型エンジンを搭載する車種の例

全26車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりL15A型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ホンダ
GE8
2010/10
フィット
RS
[DBA-GE8]
120PS
14.8kgm
18.4km/L
9.000kg/PS
自然吸気
FF/CVT
ハッチバック
5人乗り

フィット
[RS]
2010/10モデル
車両型式DBA-GE8
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
JC08モード燃費18.4km/L
10-15モード燃費19.2km/L
パワーウェイト9.000kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
ホンダ
GE8
2010/10
フィット
RS
[DBA-GE8]
120PS
14.8kgm
16.2km/L
8.750kg/PS
自然吸気
FF/6MT
ハッチバック
5人乗り

フィット
[RS]
2010/10モデル
車両型式DBA-GE8
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
JC08モード燃費16.2km/L
10-15モード燃費17.4km/L
パワーウェイト8.750kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/6MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
ホンダ
GE8
2009/11
フィット
RS
[DBA-GE8]
120PS
14.8kgm
17.2km/L
8.750kg/PS
自然吸気
FF/5MT
ハッチバック
5人乗り

フィット
[RS]
2009/11モデル
車両型式DBA-GE8
最高出力120PS
最大トルク14.8kgm
JC08モード燃費16.2km/L
10-15モード燃費17.2km/L
パワーウェイト8.750kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員ハッチバック/5人乗り
L15A型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全26車種

ホンダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】