ホンダ:J37A型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 3664cc]

ここではホンダのKB2型・レジェンド [Legend|2010/10モデル] に搭載されているJ37A型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

J37A型の自然吸気エンジン諸元


KB2型 レジェンド
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式DBA-KB2型
車名&グレードレジェンド
Legend
エンジン型式J37A
種類V型6気筒
排気量3664cc
内径×行程90.0mm×96.0mm
ボアストローク比1.07
単気筒容積610.7cc
圧縮比11.2
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力309PS/6300rpm
最大トルク37.7kgm/5000rpm

まず基本的な成り立ちとして、J37A型エンジンはボア(内径)90.0mm、ストローク(行程)96.0mm、ボアストローク比1.07のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、J37A型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、2004/04から発売された4代目レジェンド [KB2型|2008/09]、最も新しい車種は2004/04から発売された4代目レジェンド [KB2型|2010/10]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
J37Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷263.1PS → 309PS
トルクの変遷37.7kgm → 35.1kgm
リッター馬力84.3PS/L
リッタートルク10.3kgm/L

今回の参考車両であるレジェンドのV型6気筒3664cc、圧縮比11.2でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6300回転のとき最高出力309馬力を、6300回転のとき最大トルク37.7kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5000回転での馬力は263.1PS、最高出力が発生する6300回転でのトルクは35.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は84.3PS/L、トルクは10.3kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積610.7cc)あたりの馬力は51.5PS、トルクは6.3kgmです。

J37A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 8 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

エンジンオイルの通販革命!高品質×低価格
TAKUMIモーターオイル HIGH QUALITY
【5W-30】


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
90.096.03664cc11.21.07
ボアアップによる排気量拡大
90.596.03705cc11.31.06
91.03746cc11.41.05
91.53787cc11.51.05
92.03829cc11.71.04
92.53871cc11.81.04
93.03913cc11.91.03
ストロークアップによる排気量拡大
90.097.03702cc11.31.08
98.03741cc11.41.09
99.03779cc11.51.10
100.03817cc11.61.11
101.03855cc11.71.12

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の90.0mmから0.5mm刻みで93.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の96.0mmから1mm刻みで101.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。J37A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.07から1.03に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

J37A型エンジンのピストン径90.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが19件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
レクサス
3UZ型
91.0mm
[+1.0mm]
3746cc
[+82cc]
三菱
6G72型
91.1mm
[+1.1mm]
3754cc
[+90cc]
日産
VG33型
91.5mm
[+1.5mm]
3787cc
[+123cc]
スバル
EJ20型
92.0mm
[+2.0mm]
3829cc
[+165cc]
トヨタ
2L型
92.0mm
[+2.0mm]
3829cc
[+165cc]
スズキ
J24B型
92.0mm
[+2.0mm]
3829cc
[+165cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、レクサス:UZZ40型ソアラに搭載される3UZ型4292ccの91.0mm、三菱:Z16A型GTOに搭載される6G72型2972ccの91.1mm、日産:ALWE50型キャラバンエルグランドに搭載されるVG33型3274ccの91.5mm、スバル:BCM型アスカに搭載されるEJ20型1994ccの92.0mm、トヨタ:LH100G型ハイエースワゴンに搭載される2L型2446ccの92.0mm、スズキ:RF91S型キザシに搭載されるJ24B型2393ccの92.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 4000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 4000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 4000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 4000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [4000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [4000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5000rpm
最高出力
6300rpm
96.0mm16.0m/s20.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.4m/s23km/h
4000rpm12.8m/s46km/h
6000rpm19.2m/s69km/h
8000rpm25.6m/s92km/h
10000rpm32.0m/s115km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが96.0mmのエンジンが最高出力を発生する6300回転での平均ピストンスピードは20.2m/sとなり、これは1秒間に20.2メートル(時速にすると72.7km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5000回転では16.0m/s、最高出力が発生する6300回転より500回転高い6800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は21.8m/sとなっています。

参考までにストロークが96.0mmのJ37A型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.40m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、6250回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


J37A型エンジンを搭載する車種の例

全2車種を最高出力が大きいものから順に表示しています。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ホンダ
KB2
2010/10
レジェンド
Legend
[DBA-KB2]
309PS
37.7kgm
8.7km/L
5.99kg/PS
自然吸気
4WD/6AT
セダン
5人乗り

レジェンド
[Legend]
2010/10モデル
車両型式DBA-KB2
最高出力309PS
最大トルク37.7kgm
JC08モード燃費8.7km/L
10-15モード燃費8.7km/L
パワーウェイト5.99kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/6AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
ホンダ
KB2
2008/09
レジェンド
Legend
[DBA-KB2]
309PS
37.7kgm
8.5km/L
5.89kg/PS
自然吸気
4WD/5AT
セダン
5人乗り

レジェンド
[Legend]
2008/09モデル
車両型式DBA-KB2
最高出力309PS
最大トルク37.7kgm
JC08モード燃費8.5km/L
10-15モード燃費8.5km/L
パワーウェイト5.89kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り

ホンダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】