ホンダ:B20B型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1972cc]

ここではホンダのRD1型・CR-V [Performa|2000/05モデル] に搭載されているB20B型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

B20B型の自然吸気エンジン諸元


RD1型 CR-V
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式GF-RD1型
車名&グレードCR-V
Performa
エンジン型式B20B
種類直列4気筒
排気量1972cc
内径×行程84.0mm×89.0mm
ボアストローク比1.06
単気筒容積493.2cc
圧縮比9.6
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力150PS/6300rpm
最大トルク18.8kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、B20B型エンジンはボア(内径)84.0mm、ストローク(行程)89.0mm、ボアストローク比1.06のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

このサイトにて登録されている車種のうち、B20B型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は、1995/10から発売された初代CR-V [RD1型|2000/05]、最も新しい車種は1996/11から発売された初代S-MX [RH2型|2000/12]となっており、NA車は13車種、ターボ/SC車は0車種の全13車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
B20Bのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷118.1PS → 150PS
トルクの変遷18.8kgm → 17.1kgm
リッター馬力76.1PS/L
リッタートルク9.5kgm/L

今回の参考車両であるCR-Vの直列4気筒1972cc、圧縮比9.6でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6300回転のとき最高出力150馬力を、6300回転のとき最大トルク18.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は118.1PS、最高出力が発生する6300回転でのトルクは17.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は76.1PS/L、トルクは9.5kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積493.2cc)あたりの馬力は37.5PS、トルクは4.7kgmです。

B20B型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。

ちなみに、B20B型のターボ・SCエンジン搭載車種のうち、最高出力が最も大きかったのはRD1型CR-Vの150PS/18.8kgm、最も小さかったのはRF1型ステップワゴンの135PS/18.8kgmとなっています。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.089.01972cc9.61.06
ボアアップによる排気量拡大
84.589.01996cc9.71.05
85.02020cc9.81.05
85.52044cc9.91.04
86.02068cc10.01.03
86.52092cc10.11.03
87.02116cc10.21.02
ストロークアップによる排気量拡大
84.090.01995cc9.71.07
91.02017cc9.81.08
92.02039cc9.91.10
93.02061cc10.01.11
94.02084cc10.11.12

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.0mmから0.5mm刻みで87.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の89.0mmから1mm刻みで94.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。B20B型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.06から1.02に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

B20B型エンジンのピストン径84.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが56件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
マツダ
YF型
84.8mm
[+0.8mm]
2011cc
[+39cc]
三菱
4G63型
85.0mm
[+1.0mm]
2020cc
[+48cc]
日産
VQ25型
85.0mm
[+1.0mm]
2020cc
[+48cc]
スバル
EJ15型
85.0mm
[+1.0mm]
2020cc
[+48cc]
ホンダ
F20B型
85.0mm
[+1.0mm]
2020cc
[+48cc]
ホンダ
F22B型
85.0mm
[+1.0mm]
2020cc
[+48cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、マツダ:EPEW型トリビュートに搭載されるYF型1988ccの84.8mm、三菱:CT9A型ランサーエボリューションに搭載される4G63型1997ccの85.0mm、日産:M35型プラウディアに搭載されるVQ25型2495ccの85.0mm、スバル:GG2型インプレッサ スポーツワゴンに搭載されるEJ15型1493ccの85.0mm、ホンダ:CJ3型トルネオに搭載されるF20B型1997ccの85.0mm、ホンダ:BB7型プレリュードに搭載されるF22B型2156ccの85.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
6300rpm
89.0mm13.3m/s18.7m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.9m/s21km/h
4000rpm11.9m/s43km/h
6000rpm17.8m/s64km/h
8000rpm23.7m/s85km/h
10000rpm29.7m/s107km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが89.0mmのエンジンが最高出力を発生する6300回転での平均ピストンスピードは18.7m/sとなり、これは1秒間に18.7メートル(時速にすると67.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では13.3m/s、最高出力が発生する6300回転より500回転高い6800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.2m/sとなっています。

参考までにストロークが89.0mmのB20B型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.95m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6740回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


B20B型エンジンを搭載する車種の例

全13車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりB20B型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ホンダ
RD1
2000/05
CR-V
Performa
[GF-RD1]
150PS
18.8kgm
12.8km/L
9.40kg/PS
自然吸気
4WD/5MT
SUV
5人乗り

CR-V
[Performa]
2000/05モデル
車両型式GF-RD1
最高出力150PS
最大トルク18.8kgm
10-15モード燃費12.8km/L
パワーウェイト9.40kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/5MT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
ホンダ
RD1
2000/05
CR-V
FullMark-Premium
[GF-RD1]
150PS
18.8kgm
11.6km/L
9.53kg/PS
自然吸気
4WD/4AT
SUV
5人乗り

CR-V
[FullMark-Premium]
2000/05モデル
車両型式GF-RD1
最高出力150PS
最大トルク18.8kgm
10-15モード燃費11.6km/L
パワーウェイト9.53kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機4WD/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
ホンダ
RD2
2000/05
CR-V
Performa
[GF-RD2]
150PS
18.8kgm
12.0km/L
9.13kg/PS
自然吸気
FF/4AT
SUV
5人乗り

CR-V
[Performa]
2000/05モデル
車両型式GF-RD2
最高出力150PS
最大トルク18.8kgm
10-15モード燃費12.0km/L
パワーウェイト9.13kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り
B20B型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全13車種

ホンダ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】