日本フォード:K8-ZE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒 1844cc]

ここでは日本フォードのGE8PF型・テルスターTX5 [18Vi|1991/10モデル] に搭載されているK8-ZE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

K8-ZE型の自然吸気エンジン諸元


GE8PF型 テルスターTX5
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-GE8PF型
車名&グレードテルスターTX5
18Vi
エンジン型式K8-ZE
種類V型6気筒
排気量1844cc
内径×行程75.0mm×69.6mm
ボアストローク比0.93
単気筒容積307.5cc
圧縮比9.2
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力140PS/7000rpm
最大トルク16.0kgm/5500rpm

まず基本的な成り立ちとして、K8型エンジンはボア(内径)75.0mm、ストローク(行程)69.6mm、ボアストローク比0.93のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにてK8-ZE型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1991/10から発売された3代目テルスターTX5 [GE8PF型|1991/10]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
K8のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷122.8PS → 140PS
トルクの変遷16.0kgm → 14.3kgm
リッター馬力75.9PS/L
リッタートルク8.7kgm/L

今回の参考車両であるテルスターTX5のV型6気筒1844cc、圧縮比9.2でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7000回転のとき最高出力140馬力を、7000回転のとき最大トルク16.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5500回転での馬力は122.8PS、最高出力が発生する7000回転でのトルクは14.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は75.9PS/L、トルクは8.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積307.5cc)あたりの馬力は23.3PS、トルクは2.7kgmです。

K8型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
75.0mm69.6mm1844cc9.20.93
ボアアップによる排気量拡大
75.5mm69.6mm1870cc9.30.92
76.0mm1894cc9.40.92
76.5mm1919cc9.50.91
77.0mm1945cc9.60.90
77.5mm1970cc9.70.90
78.0mm1995cc9.90.89
ストロークアップによる排気量拡大
75.0mm70.6mm1871cc9.30.94
71.6mm1898cc9.40.95
72.6mm1924cc9.60.97
73.6mm1951cc9.70.98
74.6mm1977cc9.80.99

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の75.0mmから0.5mm刻みで78.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の69.6mmから1mm刻みで74.6mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.93からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。K8型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.93から0.89に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

K8型エンジンのピストン径75.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが40件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
HC-EJ型
76.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+50cc]
ダイハツ
HC-EJ型
76.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+50cc]
ダイハツ
HC-E型
76.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+50cc]
ダイハツ
CB型
76.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+50cc]
日産
VQ20DE型
76.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+50cc]
ダイハツ
HE-EG型
76.0mm
[+1.0mm]
1894cc
[+50cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5500rpm
最高出力
7000rpm
69.6mm12.8m/s16.2m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.6m/s17km/h
4000rpm9.3m/s33km/h
6000rpm13.9m/s50km/h
8000rpm18.6m/s67km/h
10000rpm23.2m/s84km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが69.6mmのエンジンが最高出力を発生する7000回転での平均ピストンスピードは16.2m/sとなり、これは1秒間に16.2メートル(時速にすると58.3km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5500回転では12.8m/s、最高出力が発生する7000回転より500回転高い7500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.4m/sとなっています。

参考までにストロークが69.6mmのK8型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.65m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8620回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


K8-ZE型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりK8型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
日本フォード
GE8PF
1991/10
テルスターTX5
18Vi
[E-GE8PF]
140PS
16.0kgm
9.7km/L
8.71kg/PS
自然吸気
FF/4AT
セダン
5人乗り

テルスターTX5
[18Vi]
1991/10モデル
車両型式E-GE8PF
最高出力140PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費9.7km/L
パワーウェイト8.71kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
日本フォード
GE8PF
1991/10
テルスターTX5
18Vi
[E-GE8PF]
140PS
16.0kgm
12.0km/L
8.43kg/PS
自然吸気
FF/5MT
セダン
5人乗り

テルスターTX5
[18Vi]
1991/10モデル
車両型式E-GE8PF
最高出力140PS
最大トルク16.0kgm
10-15モード燃費12.0km/L
パワーウェイト8.43kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員セダン/5人乗り
K8型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全12車種

その他のK8型エンジン型式と代表的な車種

K8-ZE型
全10車種
マツダ:オートザムAZ-3 [GT-A]
最高出力145PS/最大トルク16.2kgm|1996/04モデル
K8-ZE型
全10車種
マツダ:オートザムAZ-3
[GT-A]
145PS/16.2kgm|1996/04