フィアット:55282328型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1331cc]

ここではフィアットの33413型・500X [BaseGrade|2019/04モデル] に搭載されている55282328型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

55282328型のターボエンジン諸元


33413型 500X
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式3BA-33413型
車名&グレード500X
BaseGrade
エンジン型式55282328
種類直列4気筒
排気量1331cc
内径×行程70.0mm×86.5mm
ボアストローク比1.24
単気筒容積332.9cc
圧縮比10.5
吸気方式ターボ
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力151PS/5500rpm
最大トルク27.5kgm/1850rpm

まず基本的な成り立ちとして、55282328型エンジンはボア(内径)70.0mm、ストローク(行程)86.5mm、ボアストローク比1.24のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
55282328のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷71.0PS → 151PS
トルクの変遷27.5kgm → 19.7kgm
リッター馬力113.4PS/L
リッタートルク20.7kgm/L

今回の参考車両である500Xの直列4気筒1331cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様のターボエンジンは、5500回転のとき最高出力151馬力を、5500回転のとき最大トルク27.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する1850回転での馬力は71.0PS、最高出力が発生する5500回転でのトルクは19.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は113.4PS/L、トルクは20.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積332.9cc)あたりの馬力は37.8PS、トルクは6.9kgmです。

55282328型ターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 10 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
70.086.51331cc10.51.24
ボアアップによる排気量拡大
70.586.51351cc10.71.23
71.01370cc10.81.22
71.51389cc10.91.21
72.01409cc11.11.20
72.51428cc11.21.19
73.01448cc11.31.18
ストロークアップによる排気量拡大
70.087.51347cc10.61.25
88.51362cc10.71.26
89.51378cc10.81.28
90.51393cc10.91.29
91.51408cc11.11.31

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の70.0mmから0.5mm刻みで73.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.5mmから1mm刻みで91.5mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。55282328型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.24から1.18に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

55282328型エンジンのピストン径70.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが12件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
トヨタ
1KR型
71.0mm
[+1.0mm]
1370cc
[+39cc]
ホンダ
P07A型
71.0mm
[+1.0mm]
1370cc
[+39cc]
トヨタ
8NR型
71.5mm
[+1.5mm]
1389cc
[+58cc]
トヨタ
K3型
72.0mm
[+2.0mm]
1409cc
[+78cc]
ダイハツ
KJ型
72.0mm
[+2.0mm]
1409cc
[+78cc]
トヨタ
1NR型
72.5mm
[+2.5mm]
1428cc
[+97cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、トヨタ:M900S型ルーミーに搭載される1KR型996ccの71.0mm、ホンダ:JB5型ライフに搭載されるP07A型658ccの71.0mm、トヨタ:NRE210H型カローラ スポーツに搭載される8NR型1196ccの71.5mm、トヨタ:J102E型キャミに搭載されるK3型1297ccの72.0mm、ダイハツ:M312S型ブーンに搭載されるKJ型936ccの72.0mm、トヨタ:NSP140型スペイドに搭載される1NR型1329ccの72.5mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 1500ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 1500ccクラスのエンジン
ストロークが短い 1500ccクラスのエンジン
ストロークが長い 1500ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [1500ccクラス]
ボアストローク比・降順 [1500ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
1850rpm
最高出力
5500rpm
86.5mm5.3m/s15.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.8m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.3m/s62km/h
8000rpm23.1m/s83km/h
10000rpm28.8m/s104km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.5mmのエンジンが最高出力を発生する5500回転での平均ピストンスピードは15.9m/sとなり、これは1秒間に15.9メートル(時速にすると57.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する1850回転では5.3m/s、最高出力が発生する5500回転より500回転高い6000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は17.3m/sとなっています。

参考までにストロークが86.5mmの55282328型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6940回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


55282328型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
フィアット
33413
2019/04
500X
BaseGrade
[3BA-33413]
151PS
27.5kgm
13.5km/L
9.34kg/PS
ターボ
FF/6AT
SUV
5人乗り

500X
[BaseGrade]
2019/04モデル
車両型式3BA-33413
最高出力151PS
最大トルク27.5kgm
WLTCモード燃費13.5km/L
パワーウェイト9.34kg/PS
吸気方式ターボ
駆動方式&変速機FF/6AT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り

その他の55282328型エンジン型式と代表的な車種

55282328型
全2車種
JEEP:レネゲード [Trailhawk]
最高出力179PS/最大トルク27.5kgm
2019/05モデル
JEEP
55282328型
全2車種
レネゲード
[Trailhawk]
179PS/27.5kgm

フィアット製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】