ダッジ:A型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 1998cc]

ここではダッジのPM20型・キャリバー [SXT Sport|2008/01モデル] に搭載されているA型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

A型の自然吸気エンジン諸元


PM20型 キャリバー
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式ABA-PM20型
車名&グレードキャリバー
SXT Sport
エンジン型式A
種類直列4気筒
排気量1998cc
内径×行程86.0mm×86.0mm
ボアストローク比1.00
単気筒容積499.5cc
圧縮比10.5
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力156PS/6300rpm
最大トルク19.4kgm/5100rpm

まず基本的な成り立ちとして、A型エンジンはボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00のスクエア型エンジン(ピストン径とストローク量が同一)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型とショートストローク型の美点の良いとこ取り、若しくは欠点の悪いとこ取り、特にこれと言ってどうとも言えないバランス型の万能エンジンとなる素質があります。

数多あるボアとストロークの組み合わせの中で唯一、双方が同じ寸法のときにだけ現れるスクエア型はその存在の希少性こそが最大の魅力であると言えましょう。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
Aのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷138.1PS → 156PS
トルクの変遷19.4kgm → 17.7kgm
リッター馬力78.1PS/L
リッタートルク9.7kgm/L

今回の参考車両であるキャリバーの直列4気筒1998cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6300回転のとき最高出力156馬力を、6300回転のとき最大トルク19.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5100回転での馬力は138.1PS、最高出力が発生する6300回転でのトルクは17.7kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は78.1PS/L、トルクは9.7kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの馬力は39.0PS、トルクは4.8kgmです。

A型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 7 ]、換算トルクが[ 6 ]の「なかなかの高出力エンジン」にカテゴライズされます。



排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.0mm86.0mm1998cc10.51.00
ボアアップによる排気量拡大
86.5mm86.0mm2021cc10.60.99
87.0mm2045cc10.70.99
87.5mm2068cc10.80.98
88.0mm2092cc10.90.98
88.5mm2116cc11.10.97
89.0mm2140cc11.20.97
ストロークアップによる排気量拡大
86.0mm87.0mm2021cc10.61.01
88.0mm2045cc10.71.02
89.0mm2068cc10.81.03
90.0mm2091cc10.91.05
91.0mm2114cc11.11.06

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.0mmから0.5mm刻みで89.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の86.0mmから1mm刻みで91.0mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと1.00のスクエア型からショートストローク型へとシフトしていきます。A型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.00から0.97に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

A型エンジンのピストン径86.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが63件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
C27A型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
VG30DE型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
VG30E型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
日産
VE30DE型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
ホンダ
F20C型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]
トヨタ
5V-EU型
87.0mm
[+1.0mm]
2045cc
[+47cc]

ピストン径が小さい 2000ccクラスのエンジン
ピストン径が大きい 2000ccクラスのエンジン
ストロークが短い 2000ccクラスのエンジン
ストロークが長い 2000ccクラスのエンジン
ボアストローク比・昇順 [2000ccクラス]
ボアストローク比・降順 [2000ccクラス]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5100rpm
最高出力
6300rpm
86.0mm14.6m/s18.1m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.7m/s21km/h
4000rpm11.5m/s41km/h
6000rpm17.2m/s62km/h
8000rpm22.9m/s82km/h
10000rpm28.7m/s103km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが86.0mmのエンジンが最高出力を発生する6300回転での平均ピストンスピードは18.1m/sとなり、これは1秒間に18.1メートル(時速にすると65.2km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5100回転では14.6m/s、最高出力が発生する6300回転より500回転高い6800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は19.5m/sとなっています。

参考までにストロークが86.0mmのA型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6980回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


A型エンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ダッジ
PM20
2008/01
キャリバー
SXT Sport
[ABA-PM20]
156PS
19.4kgm
11.4km/L
9.10kg/PS
自然吸気
FF/CVT
SUV
5人乗り

キャリバー
[SXT Sport]
2008/01モデル
車両型式ABA-PM20
最高出力156PS
最大トルク19.4kgm
10-15モード燃費11.4km/L
パワーウェイト9.10kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/CVT
車体形状&乗車定員SUV/5人乗り

その他のA型エンジン型式と代表的な車種

A型
全2車種
JEEP:コンパス [Limited]
最高出力156PS/最大トルク19.4kgm|2012/03モデル
A型
全2車種
JEEP:コンパス
[Limited]
156PS/19.4kgm|2012/03