ダイハツ:JB-EL型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒 659cc]

ここではダイハツのL502S型・ミラ [TR|1997/05モデル] に搭載されているJB-EL型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

JB-EL型の自然吸気エンジン諸元


L502S型 ミラ
主要諸元と走行性能まとめ
車両型式E-L502S型
車名&グレードミラ
TR
エンジン型式JB-EL
種類直列4気筒
排気量659cc
内径×行程61.0mm×56.4mm
ボアストローク比0.93
単気筒容積164.8cc
圧縮比10.0
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力58PS/7600rpm
最大トルク5.8kgm/5600rpm

まず基本的な成り立ちとして、JB型エンジンはボア(内径)61.0mm、ストローク(行程)56.4mm、ボアストローク比0.93のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

このサイトにてJB-EL型の自然吸気エンジンを搭載している車種は、1994/09から発売された4代目ミラ [L502S型|1997/05]となっており、NA車は2車種、ターボ/SC車は0車種の全2車種が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
JBのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷45.3PS → 58PS
トルクの変遷5.8kgm → 5.5kgm
リッター馬力88.0PS/L
リッタートルク8.8kgm/L

今回の参考車両であるミラの直列4気筒659cc、圧縮比10.0でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、7600回転のとき最高出力58馬力を、7600回転のとき最大トルク5.8kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5600回転での馬力は45.3PS、最高出力が発生する7600回転でのトルクは5.5kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は88.0PS/L、トルクは8.8kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積164.8cc)あたりの馬力は14.5PS、トルクは1.4kgmです。

JB型自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 8 ]、換算トルクが[ 4 ]の「結構な高出力エンジン」にカテゴライズされます。

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排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
61.056.4659cc10.00.93
ボアアップによる排気量拡大
61.556.4670cc10.20.92
62.0681cc10.30.91
62.5692cc10.50.90
63.0703cc10.60.90
63.5714cc10.80.89
64.0726cc10.90.88
ストロークアップによる排気量拡大
61.057.4671cc10.20.94
58.4683cc10.30.96
59.4694cc10.50.97
60.4706cc10.70.99
61.4718cc10.81.01

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の61.0mmから0.5mm刻みで64.0mmまで拡大した場合および、ストロークを純正の56.4mmから1mm刻みで61.4mmまで延長した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.93からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。JB型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.93から0.88に変化するという具合です。

ピストン径が近いエンジンと排気量アップ

JB型エンジンのピストン径61.0mmとサイズが近いピストンを持つエンジンが5件ありますので、余興としてピストン流用でボアアップした場合の排気量を計算してみます。

Eg型式ピストン径排気量
ホンダ
E05A型
62.5mm
[+1.5mm]
692cc
[+33cc]
日産
BR06型
62.7mm
[+1.7mm]
697cc
[+38cc]
トヨタ
KF型
63.0mm
[+2.0mm]
703cc
[+44cc]
日産
R06A型
64.0mm
[+3.0mm]
726cc
[+67cc]
ホンダ
S07A型
64.0mm
[+3.0mm]
726cc
[+67cc]

ピストン径が近いエンジンとしては、ホンダ:JA1型トゥデイに搭載されるE05A型547ccの62.5mm、日産:B43W型デイズ ハイウェイスターに搭載されるBR06型659ccの62.7mm、トヨタ:LA700A型ルクラ カスタムに搭載されるKF型658ccの63.0mm、日産:MG33S型モコに搭載されるR06A型658ccの64.0mm、ホンダ:JF1型N-BOXに搭載されるS07A型658ccの64.0mmなどが該当します。

(もはやこのような探求に楽しみを見い出す人は減ってしまいましたが)いくら径が近かろうとも、ピストンピンの径やピストンの高さ、バルブリセスの都合などなどありますので、なるべくなら同じメーカー、なるべくなら同じ燃料で同じ吸気方式、なるべくなら排気量が近いものを選ぶと純正流用できる可能性が高くなる、かもしれません。

ピストン径が小さい 軽自動車のエンジン
ピストン径が大きい 軽自動車のエンジン
ストロークが短い 軽自動車のエンジン
ストロークが長い 軽自動車のエンジン
ボアストローク比・昇順 [軽自動車]
ボアストローク比・降順 [軽自動車]


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5600rpm
最高出力
7600rpm
56.4mm10.5m/s14.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm3.8m/s14km/h
4000rpm7.5m/s27km/h
6000rpm11.3m/s41km/h
8000rpm15.0m/s54km/h
10000rpm18.8m/s68km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが56.4mmのエンジンが最高出力を発生する7600回転での平均ピストンスピードは14.3m/sとなり、これは1秒間に14.3メートル(時速にすると51.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5600回転では10.5m/s、最高出力が発生する7600回転より500回転高い8100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.2m/sとなっています。

参考までにストロークが56.4mmのJB型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね3.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)10640回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


JB-EL型エンジンを搭載する車種の例

全2車種のうち、最高出力が大きいものから順に上位3車種を表示しています。その他の車種については、ページ下部にあるリンクよりJB型エンジン搭載車種の一覧をご覧ください。

メーカー
車両型式
画像車名&グレード出力/燃費
パワーウェイト
排気量
変速機
ダイハツ
L502S
1997/05
ミラ
TR
[E-L502S]
58PS
5.8kgm
22.5km/L
11.72kg/PS
自然吸気
FF/5MT
軽ハッチバック
4人乗り

ミラ
[TR]
1997/05モデル
車両型式E-L502S
最高出力58PS
最大トルク5.8kgm
JC08モード燃費22.5km/L
パワーウェイト11.72kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/5MT
車体形状&乗車定員軽ハッチバック/4人乗り
ダイハツ
L502S
1997/05
ミラ
CR
[E-L502S]
58PS
5.8kgm
19.2km/L
12.07kg/PS
自然吸気
FF/4AT
軽ハッチバック
4人乗り

ミラ
[CR]
1997/05モデル
車両型式E-L502S
最高出力58PS
最大トルク5.8kgm
JC08モード燃費19.2km/L
パワーウェイト12.07kg/PS
吸気方式自然吸気
駆動方式&変速機FF/4AT
車体形状&乗車定員軽ハッチバック/4人乗り
JB型エンジン搭載車種の一覧
パワーウェイトレシオ順|全20車種

その他のJB型エンジン型式と代表的な車種

JB-DET型
全11車種
ダイハツ:コペン [DetachableTop]
最高出力64PS/最大トルク11.2kgm
2004/06モデル
ダイハツ
JB-DET型
全11車種
コペン
[DetachableTop]
64PS/11.2kgm
JB-JL型
全7車種
ダイハツ:ミラ [X4]
最高出力64PS/最大トルク10.2kgm
1997/05モデル
ダイハツ
JB-JL型
全7車種
ミラ
[X4]
64PS/10.2kgm

ダイハツ製エンジンの原動機型式まとめ
【排気量順】